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[米国]
【IDGNS予測】米国IT業界、2007年のムーブメント
(2006年12月15日)
12月に入り、2007年のIT業界を予測する時期がやってきた。例年同様、われわれIDG News Serviceのメールボックスは、アナリストやコンサルタント、さらにはベンダーから寄せられた業界予測であふれかえっている。本稿では、彼らの意見を交えながら、2007年の米国IT業界で話題に上りそうな項目を挙げてみた。
たかがVista、されどVista
2007年最初の大物は、現時点では米国マイクロソフトが鳴り物入りで投入する一般消費者向けの「Windows Vista」だ。これ以上の出荷延期を避けたい同社としては、1月末のリリースを死守するはずである。
Vistaのリリースに伴い、マスコミ各社は、アナリストが予測した企業動向や、アップグレードを踏みとどまる慎重なIT管理者のコメントを報じるだろう。その後は、Vistaのセキュリティ・リスクに関する記事が続き、しばらくしてパッチ関連の見出しが紙面を踊ることになる。
グーグルが牽引するWebコンテンツ分野
米国の調査会社フルド・アンド・アソシエイツのアナリスト、レオナルド・フルド氏によれば、現在、そして2007年もトレンドであり続けるトピックは「情報をカネに変える方法」である。これについては、われわれIDG News Serviceも全面的に支持を表明したい。
コンテンツ・プロバイダーの分野では、米国グーグルが2007年もトレンド・リーダーであり続けることは間違いなさそうだ。ユーチューブ買収は氷山の一角にすぎず、グーグルは今後も、広告収入が見込めるコンテンツに目を光らせながらコンテンツ・プロバイダーを手中に収めるに違いない。フルド氏も、最近のインタビューで「ビッグな提携が複数発表されるだろう」と予測している。
Webコンテンツに関してはもう1つ、メディア王のルパート・マードック氏が率いるニューズ・コーポレーションの動向も見逃せない。コンテンツ・プロバイダーとの競争激化にあえぐ伝統的メディア企業がどこを買収するのか、興味津々だ。
また、この流れでいくと、2007年にはインターネット配信型のテレビが足場を築きそうだ。もしかすると、米国パルバー・ドットコムのジェフ・パルバー氏が予測するように、あらゆるテレビ局、映画制作会社、コンテンツ・クリエイターが、インターネットへ、そしてPDA戦略へ向けて歩み始めるかもしれない。
標的にされるMP3ファイル
マルウェア、スパイウェア、コンピュータ・ウイルス、ワーム(こんなにあるとは!)は、2007年も引き続き企業や政府機関、そして一般ユーザーにとって大きな悩みの種となるだろう。マカフィーなどのセキュリティ・ベンダーは、今後はMP3ファイルが標的にされると予測している。マカフィーはこれ以外にも、リンクを無防備にクリックしがちなWebユーザーが多いことから、ハッカーがインターネット・ビデオ・リンクに“爆弾”を埋め込む可能性もあると警鐘を鳴らしている。
また、サイバー・テロの脅威も忘れてはならない。テロと称するネットワーク攻撃が少なくとも2〜3件は起きるだろう。例年同様、セキュリティの専門家にとっては忙しい年になりそうだ。
スパム、スパム、スパム
昨年のちょうど今ごろ、われわれIDG News Serviceは、「スパム・メールは今よりも増加する」と予測した。この予測は見事に的中し、スパム・メールは増加の一途をたどっている。では、来年はどうかと言えば、改善されるどころか悪化に向かうというのがわれわれの見方だ。
ただし、改善に向けた動きが活発化していることは記しておくべきだろう。例えば、ISPは今後、ユーザー側で適切な保護措置を講じることをサービス条件に組み入れ、スパム・メールをばらまく“ゾンビ”に侵されたPCのユーザー・アカウントを停止することもできるようになる。また、さまざまな国法および州法の下で、スパム撲滅に向けた法的措置の検討も始まっている。
Zuneはどこへ?
米国アップルコンピュータは、2007年もパーソナル・エンターテインメント・デバイス市場を支配し続ける。「iPod」のユーザーからは当たり前だと言われそうだが、2007年はこれが引き続きホットな話題なのだ。
では、マイクロソフトの「Zune」はどうだろうか。フルド氏など一部のアナリストは、Zuneが市場シェアを拡大すると予想している。それに対し、われわれはこの見方を否定こそしないが、限定的にとどまると見ている。なぜなら、アップルのiPodは着実に地歩を固めており、たとえiPodでダウンロードできる音楽がiTunesからに限られるとしても、これ以上クールなデバイスはほかに見当たらないからだ。
後を絶たない企業スキャンダル
米国ヒューレット・パッカード(HP)の情報漏洩調査問題で起訴された被告人の中には、服役の免除や減刑をねらって司法取引に応じる者が出てくるかもしれない。いずれにせよ、このスキャンダルは、2007年もちょくちょく各紙の見出しを飾ることになりそうだ。
このスキャンダルに関連して、米国議会は近く「プリテキスティング」(その人になりすまして個人の通話記録を入手する行為)を違法化する動きに出るもようだ。われわれとしては、そうした手法でほかの個人記録を入手する行為についても違法にしてもらいたいと、声を大にして言っておきたい。
2007年は、HP以外の企業でも、スキャンダルが取りざたされるところが出てくるだろう。しかし、今の段階で具体的な企業名や個人名を出すことは避けたい。未来を予測する水晶玉が少々曇っている、とだけ言っておこう。
Wi-Fi時代の幕開け
2006年は、世界中の自治体がWi-Fiネットワークの構築に乗り出した年でもあった。こうした自治体レベルでのWi-Fiネットワークの構築・運営ラッシュは、来年も続くとみて間違いない。
私事になるが、つい先日、空港内でゲートからゲートへと急ぐ友人と、彼が飛行機に搭乗するまでの間、ずっと連絡を取り合うことができた。「通信できない場所を探すことのほうが難しい」というのは言い過ぎであるが、そうした場所がどんどん少なくなるのは確かだろう。それがわれわれにとって良いことなのか、はたまた苦しいことなのかはわからないが、いずれにしろ2007年は「Wi-Fi世界の幕開けの年」になるはずだ。
接続性が強化されれば、ヘビー・ユーザーとガジェット愛好家の両方を満足させる、超小型のキーボード付きデバイスが登場するかもしれない。そうなれば、リサーチ・イン・モーション(RIM)の「Blackberry」は真の競争に直面することになる。
OSSベンダーと手を組む「ソフトウェアの巨人」
LinuxはWindowsに代わる選択肢として重宝され、オープンソース・ソフトウェア(OSS)を指向する層も世界中で増え続ける――これは2006年のトレンドだが、2007年もこの流れが変わることはなさそうだ。
マイクロソフトは2007年もOSSベンダーとの歩み寄りを試みるだろう。“ソフトウェアの巨人”と手を組むベンダーが増えるなか、レッドハットは単独で生き残る。そして、こうしたマイクロソフトの動きにOSSコミュニティは懸念を示し、同社と手を結んだOSSベンダーに非難を浴びせるところも出てくる。ただし、そうしたコミュニティは官僚的体質やヒエラルキーとは無縁なため、独自の優位性を維持する。
これが、われわれが考えた、オープンソースを巡る2007年のシナリオだ。アナリストや業界関係者の中にも、これと同じ見方をする人が多い。
Web 2.0はともかく……
いわゆるWeb 2.0については、さまざまな雑音が聞こえてくる。なかには、早くも“Web 2.5”や“Web 3.0”について語り始めた業界の識者もいるようだ。
明らかなことは1つだけだ。それは、今あるWebがWebだということである。コラボレーション、Wiki、ブログ、そしてマッシュアップは、すべて2007年のビッグなトレンドになる。これらの定義づけ、さらにはWeb x.xが何たるかを巡る議論は、2007年以降も続くだろう。
買収する企業、される企業
上で挙げたコンテンツ・プロバイダーの吸収合併以外にも、2007年はベンダーの整理統合が進むことが予想される。
オラクルは2007年も企業買収に多額の資金を投じるだろう。マイクロソフトはと言えば、毎度のことながら、興味深いテクノロジーを有する企業に手を出すはずだ。
一方、買収される側の1社はゲートウェイである。同社は来年、どこかに買われるだろう。パームも然りだ。
進む通信の融合
情報通信プロバイダー各社は2007年、生き残りを賭けて、VoIPや無線LAN、テレビ会議などのサービスを1つのパッケージにまとめて提供するようになる。そうしたなか、競争についていけないベンダーは、いずれ淘汰されていくはずだ。
業界アナリストのジェフ・ケーガン氏は、この分野での競争が「これまでになく熱くなる」と予測する1人だ。同氏によると、2007年は携帯電話や固定電話、テレビといったデバイスが緊密に連携する年になるという。
「電話が鳴ると、相手がだれであるかをテレビのスクリーン上で確認できる。また、そのテレビとネットワークで結ばれているPCなどから、その電話に応答することができる。2007年は、これがすべて具現化するはずだ」(ケーガン氏)
(ナンシー・ウェール/IDG News Service ボストン支局)
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