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[欧州/米国]
マイクロソフト、銀行など3社とSuse Linuxのサポート契約を締結

(2006年12月21日)

 米国マイクロソフトは、銀行2社と保険会社1社が、マイクロソフトの提供するSuse Enterprise Linux(ノベルのLinuxディストリビューション製品)のテクニカル・サポートを採用したことを明らかにした。

 サポート契約を締結した1社であるクレディ・スイス・グループは、これまでSuse Linuxを使用していなかった。

 ノベルとマイクロソフトは今年11月、ノベルが提供するSuse Linuxの技術・サポートに関して提携したと発表して話題を呼んだ。マイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマー氏は、提携の目的について、「オープンソースと独自ソースの間にある壁を乗り越えるためだ」と説明している。

 ノベルが米国証券取引委員会(SEC)に提出した文書によると、この提携により、マイクロソフトは、ノベルの顧客に対して特許訴訟を提起しないと約束したほか、ノベルのSuse Linuxディストリビューションのサポートにかかわる販売・マーケティング・ライセンスの費用として4億4,400万ドルを支出することに同意した。

 また両社は、競合関係にある両社のOSを統合できるよう顧客を支援する取り組みでも協力する予定だ。

 マイクロソフトは、Suse Linuxのマーケティングを支援する取り組みの一環として、「加入証明書」を配布することにも同意している。これは、Suse Enterprise Linuxが稼働するサーバに対してノベルが提供するテクニカル・サポートの利用資格を顧客に与えるもの。マイクロソフトは、今後5年間で、毎年7万件の証明書を配布する意向であり、提供開始後7週間で1万6,000件の証明書を発行したとしている。

 両社は、この証明書の発行に関して料金設定を行っていないが、マイクロソフトの顧客擁護/ライセンシング担当ゼネラル・マネジャー、スーザン・ハウサー氏は、「無償で提供しているわけではない」と説明している。

 ノベルのグローバル戦略パートナー担当副社長で、マイクロソフトとの新たな関係を統括するスーザン・ヘイスティ氏によると、クレディ・スイスは、同社にとって新規の顧客であるという。「彼らは、Suse Linuxを仮想化された環境に導入するための作業を進めている」(同氏)

 今回、クレディ・スイスの米国オフィスに電話で問い合わせを試み、留守番電話に質問のメッセージを残したが、現時点で回答は得られていない。

 マイクロソフトによると、今回、Suse Linuxのサポートに関する加入権を得た残り2社は、ドイツ銀行AGと、保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ傘下のAIGテクノロジーズであるという。各社とも、今回の契約に基づいて発行された証明書の件数については明らかにしていない。

 ドイツ銀行は、すでにマイクロソフトの製品とSuse Linuxを使用している。マイクロソフトのハウサー氏によると、ドイツ銀行での受注競争でSuseに破れたサーバOSは、マイクロソフトの製品ではないという。

 「ドイツ銀行の組織全体がSuseに全面移行したわけではない」(同氏)

 ドイツ銀行にとって、オープンソースと独自技術のソフトウェアとの統合が最も重要な要素であり、Linuxのサポートに関する証明書はそれほど重要な要素ではないという。

 ドイツ銀行の広報担当者クラウス・トーマ氏は、「証明書よりも、これらのシステムを統合できるという点が重要だ」と説明している。

 一方、AIGテクノロジーズの広報担当者マイケル・アルカロ氏は、マイクロソフトと契約を結んだことは認めたものの、それ以上はコメントしていない。

 マイクロソフトは、ノベルの顧客を特許侵害で提訴しないと約束することにより、他のオープンソース・システムが企業にとってリスク要因になるということを示そうとしていると見られる。

 ドイツ銀行のトーマ氏は、マイクロソフトとの契約が同社の危機管理戦略の一環であるかどうかという点については明言せず、「その質問は、マイクロソフトにしてほしい」とかわした。

 この点について、マイクロソフトのハウサー氏は、「知的財産権の観点から見ると、顧客の間には、自分たちにどのような権利があるかという点に関してしばしば大きな混乱が見られる。彼らがこの点について明確にできずにいるので、われわれがそれを代わって行った」と説明している。

(ピーター・セイヤー/IDG News Service パリ支局)




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