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オープンソース

「Web 2.0 Summit」で語られたコンピューティングの未来

イノベーション創出のため、Web 2.0を製品戦略に取り入れるベンダー各社

(2007年02月19日)

「Yahoo! 360°」の方針転換を示唆
ソーシャル・メディアに本腰を入れるヤフー

画面2:ヤフーのブログ/SNS「Yahoo! 360°

 米国ヤフーは、ブログ/SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「Yahoo! 360°」(画面2。日本でのサービス名は「Yahoo! Days」)を刷新する可能性を示唆した。

 「Yahoo! 360°は、180度の方針転換を行うかもしれない」と、セッションに登壇した同社製品戦略担当バイスプレジデントのブラッドリー・ホロビッツ氏は述べた。同氏の発言は、なぜ、ヤフーには使いやすいブログ・ホスティング/オーサリング・サービスが用意されないのかという、ある聴講者の質問に対する回答である。

 Yahoo! 360°は2005年3月にベータ版として提供が始まった。Web 2.0系サービスの慣習にならって、現在もベータのままだ。

 コムスコア・ネットワークスの調査によると、2006年の9月時点で米国最大のブログ・ホスティング/オーサリング・サービスはグーグルの「Blogger」で、そのユニーク訪問者数は2,100万人に達する。2位はマイスペース・ドットコムの「MySpace.com」(同1,600万人)、3位はマイクロソフトの「Windows Live Spaces」(同980万人)である。そして、ブログ・サーバ・ソフトウェアの「Movable Type」を提供するシックス・アパートは約930万人で4位、シャンガが約700万人で5位につけている。Yahoo! 360°の訪問者数は570万人で、6位に甘んじている。

 ソーシャル・メディアでの成功は今やヤフーのメイン目標の1つであり、ブログはその重要なファクターとなる。ヤフーの共同創業者であるデビッド・フィロ氏もこのセッションに参加し、ホロビッツ氏やコンファレンスの議長を務めるジョン・バッテル氏と共に聴講者からの質問に答えていた。ホロビッツ氏は、「ヤフーは、5年以内にブログの大手プレーヤーになる」と宣言し、買収も含めたYahoo! 360°の刷新について今後検討を重ねていくとした。

 また、フィロ氏は、グーグルについて最大のライバルには違いないが、ヤフーは大小を問わずすべてのライバルのことを気にかけており、小規模な新興企業も「マイクロソフトやグーグルと同様、当社の業務にとって脅威になりうる」と述べた。

大規模な分散リポジトリで構築される
マイエスキューエルの「天空のデータベース」計画

写真6:マイエスキューエルのCEO、マルテン・ミコス氏 Photograph by James Duncan Davidson/CMP Media/O'Reilly Media

 オープンソースRDBMSの「MySQL」で知られるスウェーデンのマイエスキューエルは、世界中のすべての構造化データを扱うことが可能な、グローバルな分散リポジトリの構築プロジェクトを立ち上げるという、壮大な「天空のデータベース(Database in the sky)」計画を明らかにした。

 GoogleやYahoo!などのインターネット検索エンジンのねらいは、Web上の非構造化データの扱いを可能にすることだが、この天空データベースでは、アプリケーション開発者や起業家などが世界中の構造化データを利用することを可能にするという。

 マイエスキューエルのCEO、マルテン・ミコス氏(写真6)は、「グローバル・リポジトリは、IP電話市場におけるSkypeと同様の革命を、データベース・アクセス分野にもたらすものだ。将来、そこからデータ分析/ディスカバリ用の次世代OLAP(オンライン分析処理)エンジンが生み出されるだろう」と説明した。

 「プロジェクトのねらいはオープンソースのモデルをデータに適用し、全世界の開発者がデータを共有/統合できるようにすることだ。そうすれば、データがプラットフォームとなる」とミコス氏。同氏は例として、ユーザーが世界各国の気象情報を構造化データベースから取得できるようなサービスを挙げた。

 ミコス氏によれば、このプロジェクトの具現化にあたって必要なのは、「SQLサーバのDNS」を構築してルーティング上に想定される障害物に対処し、データ定義を第三者が理解し、アクセスできるものにすることだという。

 「だが、最も重要な要素は、プロジェクトに参加する意志のある開発者によるボランティアのコミュニティを築くことである。このデータベースはモノリシックなものではなく、むしろP2P(Peer-to-Peer)の原理で機能する」(ミコス氏)

マイクロソフト、3D写真データを作成できる
画像管理サービス「Photosynth」を披露

画面3:マイクロソフトの画像管理サービス「Photosynth」プレビュー版

 マイクロソフトは2006年7月、Webブラウザから利用できる画像管理サービス「Photosynth」のプレビュー版を公開した(画面3)。セッションでは、同社Microsoft Live Labs部門ディレクターでテクノロジー・フェローのガリー・フレイク氏がこのソフトを取り上げた。Microsoft Live Labsは、インターネット技術を専門とするマイクロソフトの研究部門である。

 フレイク氏は、同部門のエンジニアと共にPhotosynthのデモンストレーションを行った。デモでは、異なる場所で撮影した一組の写真を、アルゴリズムを用いて“ブレンド”し、高解像度の3D写真データを作成する機能と、そうしてでき上がった3D写真データに対して、ズーム・イン/アウト、アングル変更、パンといった操作を行えることが示された。

 Photosynthは組み合わせる写真データを分析し、アングルや解像度の違い、類似性を考慮してそれらをブレンドする。マイクロソフトは現在、Photosynthのさまざまな活用方法を模索しており、プレビュー版を試用したユーザーからの提案を期待している、とフレイク氏は述べた。

 ただし、Photosynthは現状、ユーザーが撮影した写真データを受け入れる準備がまだ整っておらず、同社の社員が撮影した組み写真がプリロードされている。また、プレビュー版では「Internet Explorer(IE)」しかサポートしていない。開発チームによれば、今後、他のWebブラウザもサポートする予定だという。

マイクロソフトCSAのオジー氏、
「VistaはセキュアなWebアクセスを約束する」と宣伝

写真7:マイクロソフトのCSA、レイ・オジー氏 Photograph by James Duncan Davidson/CMP Media/O'Reilly Media

 マイクロソフトのCSA(Chief Software Architect)を務めるレイ・オジー氏(写真7)もWeb 2.0 Summitに登場した。同氏は、Windows Vistaを取り上げ、Vistaは今日のOSに求められる要件を満たすように設計されており、Web上のサービスにアクセスするユーザーに安全な環境を提供すると語った。

 同社は2006年11月末、法人向けにVistaを出荷。消費者の手元には、2007年1月後半に届く予定になっている。「ソフトウェアである以上、欠陥はつきまとう。だが、Vistaは設計上セキュアであるように一から開発された」(オジー氏)

 WindowsとMicrosoft Officeに関する同社の今後5年間のビジョンについて聞かれたオジー氏は、詳細は各部門が決定することだが、モバイル・デバイスの爆発的普及とWebの浸透は、間違いなく今後の製品開発で考慮されるだろうと答えた。同様に、PCに搭載されるCPUがマルチコア、そして「メニーコア」へと向かうハードウェアのトレンドも、Vistaの進化のうえで大きな意味を持つようになると話した。

 ビル・ゲイツ氏に代わり、マイクロソフトのソフトウェア・アーキテクトを統括する職に就いたことも話題に上った。オジー氏は、ゲイツ氏とは経営スタイルが異なることを認め、自分にはマイクロソフト社員がゲイツ氏に抱くのと同レベルの信頼と忠誠を獲得する必要があるが、それには時間がかかると述べた。

 また、グーグルに関するコメントを求められ、オジー氏は同社を「業界の大多数の人間にとって注視すべき勢力だ」と評したうえで、インターネット検索技術にはまだ大いに改善の余地があると指摘した。


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