【 ここから本文 】

オープンソース

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示



[米国]
レッドハット、Linuxソフト・スタックのサポート・サービス「RHX」を開始

RHEL上で動作する他社製アプリを一括して販売/サポート

(2007年05月14日)

 米国レッドハットは5月10日、同社およびビジネス・パートナー製のアプリケーションをLinuxソフトウェア・スタックとして販売/サポートするサブスクリプション・プログラム「Red Hat Exchange(RHX)」を開始した。「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」上で動作するアプリケーションのサポート・サービスを一括して提供することで、Linuxサポートで競合するオラクルなどに対抗する。

 RHXプログラムは、RHEL上で稼働する14種のアプリケーション(ほとんどがオープンソース)の一部もしくは全部をソフトウェア・スタックとして利用している企業に対し、技術問題に関するサポート・サービスをレッドハットが提供するというものだ。昨年10月にRHELサポートを開始したオラクルに追撃されつつあるレッドハットにとって、今回の新サービスは有望な収入源になると見られる。

 すでにレッドハットは、一部のオープンソース・アプリケーションのサポートを数年前から行ってきた。RHXプログラムは、こうした戦略を大幅に拡大したもので、そのねらいは他ベンダーに流れているサポート・サービスの売上げを取り戻すことだ。昨年7月に3億5,000万ドルでジェイボスを買収したときのように、余計な買収にコストを費やすのを避けるという目的もある。

RHXの登場は必然

 レッドハットがRHXプログラムを初めて発表したのは3月半ばのことだ。イルミナータのアナリスト、ゴードン・ハフ氏は、レッドハットにとって同プログラムは「必然」であったと指摘する。

 「レッドハットはかなり前から、狭い意味でOSベンダー以上の存在を目指してきた。(RHXは)同社にとって、広範な製品ポートフォリオを販売すると同時に、それらをサポートするための手段にほかならない。独自開発したミックス・ソース製品を手広く扱うノベルのような企業に対抗するという思惑もある」(ハフ氏)

 今回の取り組みは、レッドハットを支援してきたベンダーにも大きな影響を与える。IBMやヒューレット・パッカード(HP)といった、古くからのレッドハットの協力企業は、レッドハット製品だけでなく、RHEL上で動作するオープンソース・アプリケーションを再販/サポートして利益を得ているが、RHXプログラムの開始に伴い、彼らとレッドハットの「持ちつ持たれつな関係」は破綻するかもしれない。

 オープンロジックやオプタロスなどの比較的小規模なサポート・サービス企業も、レッドハットによる「侵略」を脅威ととらえるだろう。

 もっとも、HPはRHXプログラムを前向きにとらえているようだ。同社は、ユーザーが少ない選択肢に甘んじている状態よりも、多くのプレーヤーが競争に参加し、選択肢の幅が広がることを歓迎するという見解を打ち出している。

 HPのオープンソース&Linux部門マーケティング担当ディレクター、ダグ・スモール氏は、Computerworld オンライン米国版の取材に対し、「われわれとレッドハットは強力なパートナーシップを築いており、これによって顧客に豊富な選択肢を提供するという究極の目標が実現に近づきつつある。こうしてオープンソース・ソフトウェアのエコシステムが活気づいている様子を見ると、われわれも刺激を受ける」と語っている。

 その一方で同氏は、サポート、サービス、インテグレーションの充実度においてHPの右に出る企業はないと強調。「(RHXプログラムの開始に付随して生まれる)ハードウェア関連のビジネス・チャンスを、むしろ楽しみにしている」と余裕を見せている。

MySQLユーザーにも人気のRHEL

 レッドハットが販売/サポートを最初に開始する14種のアプリケーションのうち、13種までがオープンソース製品だ。オープンソースのRDBMS「MySQL」もその1つで、MySQLユーザーの間でRHELは人気ナンバー1のOSとなっている。

 マイエスキューエルのマーケティング副社長を務めるザック・アーロッカー氏は、RHXプログラムに大きな期待をかけているようだ。同氏によると、MySQLを再販したり、第一線での技術サポートを提供したりしているプロバイダーの中で、レッドハットは最有力企業の1社だという。

 同氏は、今回の動きにより技術サポートの質が落ちることはないと強調する。きわめて高度な技術的問題については、レッドハットだけでなくマイエスキューエルの技術チームも解決にあたるとしている。

 マイエスキューエル以外にも、ジンブラやジャイブ・ソフトウェア、スケーリックス(いずれもコラボレーション・ソフト)、アルフレスコ・ソフトウェア(コンテンツ管理システム)、グラウンドワーク・オープンソースやゼノス(システム監視ソフト)、ペンタホやジャスパーソフト(BIソフト)、コムピアやセントリックCRM、シュガーCRM(CRMソフト)、ズマンダ(データ・バックアップ)といったベンダーのオープンソース製品がRHXプログラムの対象となっている。

 ちなみに、唯一の非オープンソース・ベンダーは、オープンソースのRDBMS「PostgreSQL」をベースにした業務用データベースを販売するエンタープライズDBである。

(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


連載

【連載】エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]

エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション](全8回)

業務アプリ、ネットワーク、セキュリティ……分野ごとの“雄”を一挙紹介

第1回:業務アプリケーション
第2回:ネットワーク
第3回:プラットフォーム/ミドルウェア
第4回:セキュリティ
第5回:モニタリング
第6回:ストレージ管理
第7回:開発言語
第8回:開発ツール

Videoインタビュー

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

Linuxの生みの親がVistaについて忌憚なく言及

ホワイトペーパー

「Borland SilkPerformer」(ボーランド)

予想外のアクセス集中によるシステム・ダウンをどう防ぐか?

期間限定の月額ライセンスで低コストを実現した負荷テスト・ツール

「Borland StarTeam」(ボーランド)

増えてきた遠隔地との共同開発だが、課題は山積。どう解決するか?

今、構成・変更管理ツールが注目されている理由

キーパーソン

GPLv3は企業ユーザーへの「招待状」――FSF代表ストールマン氏が強調

「プロプライエタリ製品はビジネスの革新を妨げる!」

「ベンダー・ロックインを回避し、公平な競争社会を」

IPA OSSセンター長の田代氏が強調

「FLOSSのインパクトに今から備えよ」

LinuxWorldでグーグルのスタイン氏が熱弁

Wikipediaの創始者が語る検索エンジンの理想像

「ユーザーは検索エンジンのアルゴリズムを知る権利がある」

「OSSコミュニティの仕事はソフトだけでは終わらない」

“コモンズ”のレッシグ氏がLinuxイベントで強調


スペシャル・フォーカス

オープンソースが「開発系」で強い理由

開発者とOSSの良好な関係を生むエコシステム

オープンソース非採用の理由、英国の場合は「顧客からの要請」と「ライセンス上の制約」

ソフト開発会社の多くはオープンソースを支持

レッドハットとノベル、企業向けLinuxのアップデート版をそれぞれ発表

いずれも次期メジャー・リリースまでの「つなぎ的」製品として各種機能を拡充

サン、Solarisのオープンソース版「OpenSolaris 2008.05」を正式リリース

オープンソース・プロジェクト開始から3年、初の非開発者向け

【Gartner調査】2010年にはSaaSプロバイダーの90%がOSSを利用

ソフトウェアの調達コスト引き下げがねらい

サン、買収後初のアップグレード版「MySQL 5.1」をリリースへ

パーティショニング/イベント・スケジューリング機能などを強化

OSS業務アプリケーション

オープンソースVoIP「Asterisk」エンタープライズ展開の現実味

大規模企業はOSSのメリットを電話においても享受できるか

フリーソフト/オープンソース・グループウェアという「選択肢」

メリットは価格の安さとカスタマイズの自由度の高さ

「オープンソース業務アプリケーション」の時代

エンタープライズ・レベルの注目ソフトを12分野で一挙紹介

キャッチアップ

AT&T、「Android」への支持を表明

「グーグル製品以外のアプリも提供できる保証が得られたため」と同社

Linuxコードのコントリビューター、今では大半が企業勤務者

カーネルへの貢献はRed Hat、Novell、IBMの3社で全体の28.4%

マイクロソフトの「情報公開」にオープンソース・コミュニティから失望の声

「相互運用性原則はお題目にすぎない」

レッドハットとノベル、Linuxを標的にした特許侵害訴訟に直面

Linuxにかかわる初の特許侵害訴訟、ノベルは訴訟却下の申し立てを検討

「GPLv3」の最終ドラフトが公開――正式版リリースは6月29日

マイクロソフトのLinux特許問題にも対応

「オープンソース・ソフトのセキュリティ・バグは1,000行に1件」

国土安全保障省の外郭団体が明らかに

非営利団体のOSA、オープンソース・ソフトの相互運用に向けて本格始動

今後の活動内容と新プロジェクトもあわせて発表

Weekly Ranking

集計期間:08/23〜08/29



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国