【 ここから本文 】

オープンソース

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示



[米国]
ノベル、マイクロソフトとの歴史的提携の詳細を公表

「Microsoft Office」などの特許は使用許諾対象外

(2007年05月28日)

 米国ノベルは5月25日、米国証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書に、マイクロソフトとの間で合意した3箇条からなる編集済み文書を添付し、同契約の詳細を初めて公にした。なお、年次報告書の提出が遅れる原因とされていたストック・オプションにかかわる社内調査は5月23日に終了している。

 公開された文書によると、マイクロソフトは今後5年の間に、ライセンス料金や販売およびマーケティング費用として数億ドルを支出する。例えば、「SUSE Linux Enterprise Server」のサブスクリプション費用として2億4,000万ドルを投じる予定だ。一方のノベルは、オープンソース製品から得た収入の一部を、マイクロソフトに歩合で支払うことになっている。

 Linuxの支持者らは今後、同契約がLinuxに何らかの悪影響を与える可能性や、マイクロソフトもしくはノベルがリリース間近の「GNU General Public License(GPL)」バージョン3に違反していないかについて詳細に検討していくと見られる。GPLは、Linux OSの多数のコンポーネントが採用しているライセンス規約である。

 オープンソース陣営の有力者、ブルース・ペレンス氏も、ノベルが同契約で得たものを正確に見極め、マイクロソフトによる特許請求を回避するためにLinuxベンダーが対抗手段を取る必要があるかどうかを確認したいと述べている。「われわれの信頼に対する裏切りがどの程度に及ぶのか、非常に気になっている」(ペレンス氏)

 マイクロソフトは、Linuxが256件に及ぶ同社の特許を侵害していると主張しており、今回の契約がノベル製品の利用者に特許使用を保証するものであることから、両社の提携がLinuxコミュニティにとって足かせになる可能性が高いと見られている。

 ペレンス氏は、「公表された文書にざっと目を通したところ、同契約がLinuxユーザーに完全な特許使用を保証している確証は得られなかった」と指摘する。

 「ノベルは、マイクロソフトの特許権を完全には取得していない。例えば、Microsoft Officeなどの特許は使用対象から外されており、OpenOffice.orgやWINE、Open-Xchangeは名指しで適用除外の扱いを受けている」(ペレンス氏)

 ノベルの幹部は、年次報告書提出に関するインタビューをかたくなに拒否している。ただ、同社の広報担当者ブルース・ロウリー氏は、インスタント・メッセージ経由で次のようにコメントしてくれた。

 「提携を発表した昨年11月の時点で、LinuxとWindowsのより効率的な連携、両社の技術協力、互いを告訴しないといった内容をすでに公式に発表している。マイクロソフトと提携した理由は、顧客の利益を確保することにある。同社との契約により、さまざまな製品のサポートが充実すると信じている」

 両社間で交わされた特許に関する契約は、マイクロソフトがノベルに対していかなる特許請求も起こさないことを規定しているとされている。ちなみに、公表された文書のセクション3.4には、「本契約は、一方の当事者が所有する特許の有効性、法的強制力に制約を与えるものでも、他方の当事者によってそのように了解もしくは承諾されるものでもない」という記述がある。

 マイクロソフトとノベルは、両社の提携により双方のプラットフォームの互換性が向上し、企業でのLinux採用が加速すると強調する。

 ノベルのLinuxおよびオープン・プラットフォーム・ソリューション担当マーケティング・ディレクターを務めるジャスティン・スタインマン氏は先週、「マイクロソフトは、オープンソースとLinuxの敵というレッテルが貼られているが、同社はノベルのLinux事業における主要なパートナーであり、両社の提携はSUSE Linuxに大きな恩恵をもたらす」と発言している。

 「ノベルのチャネル・パートナーの中で、2007年第1四半期に最高の成績を上げたのはマイクロソフトだった。同四半期のSUSEの売上げ成長率は、前年比60%増となっている」(スタインマン氏)

(ロバート・マクミラン/IDG News Service サンフランシスコ支局)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


連載

【連載】エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]

エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション](全8回)

業務アプリ、ネットワーク、セキュリティ……分野ごとの“雄”を一挙紹介

第1回:業務アプリケーション
第2回:ネットワーク
第3回:プラットフォーム/ミドルウェア
第4回:セキュリティ
第5回:モニタリング
第6回:ストレージ管理
第7回:開発言語
第8回:開発ツール

Videoインタビュー

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

リーナス・トーバルス氏が語る「Linuxの魅力、Vistaの弱点」

Linuxの生みの親がVistaについて忌憚なく言及

ホワイトペーパー

「Borland SilkPerformer」(ボーランド)

予想外のアクセス集中によるシステム・ダウンをどう防ぐか?

期間限定の月額ライセンスで低コストを実現した負荷テスト・ツール

「Borland StarTeam」(ボーランド)

増えてきた遠隔地との共同開発だが、課題は山積。どう解決するか?

今、構成・変更管理ツールが注目されている理由

キーパーソン

GPLv3は企業ユーザーへの「招待状」――FSF代表ストールマン氏が強調

「プロプライエタリ製品はビジネスの革新を妨げる!」

「ベンダー・ロックインを回避し、公平な競争社会を」

IPA OSSセンター長の田代氏が強調

「FLOSSのインパクトに今から備えよ」

LinuxWorldでグーグルのスタイン氏が熱弁

Wikipediaの創始者が語る検索エンジンの理想像

「ユーザーは検索エンジンのアルゴリズムを知る権利がある」

「OSSコミュニティの仕事はソフトだけでは終わらない」

“コモンズ”のレッシグ氏がLinuxイベントで強調


スペシャル・フォーカス

オープンソースが「開発系」で強い理由

開発者とOSSの良好な関係を生むエコシステム

オープンソース非採用の理由、英国の場合は「顧客からの要請」と「ライセンス上の制約」

ソフト開発会社の多くはオープンソースを支持

レッドハットとノベル、企業向けLinuxのアップデート版をそれぞれ発表

いずれも次期メジャー・リリースまでの「つなぎ的」製品として各種機能を拡充

サン、Solarisのオープンソース版「OpenSolaris 2008.05」を正式リリース

オープンソース・プロジェクト開始から3年、初の非開発者向け

【Gartner調査】2010年にはSaaSプロバイダーの90%がOSSを利用

ソフトウェアの調達コスト引き下げがねらい

サン、買収後初のアップグレード版「MySQL 5.1」をリリースへ

パーティショニング/イベント・スケジューリング機能などを強化

OSS業務アプリケーション

オープンソースVoIP「Asterisk」エンタープライズ展開の現実味

大規模企業はOSSのメリットを電話においても享受できるか

フリーソフト/オープンソース・グループウェアという「選択肢」

メリットは価格の安さとカスタマイズの自由度の高さ

「オープンソース業務アプリケーション」の時代

エンタープライズ・レベルの注目ソフトを12分野で一挙紹介

キャッチアップ

AT&T、「Android」への支持を表明

「グーグル製品以外のアプリも提供できる保証が得られたため」と同社

Linuxコードのコントリビューター、今では大半が企業勤務者

カーネルへの貢献はRed Hat、Novell、IBMの3社で全体の28.4%

マイクロソフトの「情報公開」にオープンソース・コミュニティから失望の声

「相互運用性原則はお題目にすぎない」

レッドハットとノベル、Linuxを標的にした特許侵害訴訟に直面

Linuxにかかわる初の特許侵害訴訟、ノベルは訴訟却下の申し立てを検討

「GPLv3」の最終ドラフトが公開――正式版リリースは6月29日

マイクロソフトのLinux特許問題にも対応

「オープンソース・ソフトのセキュリティ・バグは1,000行に1件」

国土安全保障省の外郭団体が明らかに

非営利団体のOSA、オープンソース・ソフトの相互運用に向けて本格始動

今後の活動内容と新プロジェクトもあわせて発表

Weekly Ranking

集計期間:07/18〜07/24



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国