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[米国]
ECMA、マイクロソフトの「XPS」をベースとした文書仕様の策定に着手

ODF支持者らは一斉反発

(2007年07月02日)

 標準化団体であるECMA(欧州電子計算機工業会)は6月下旬、米国マイクロソフトのファイル形式「XPS(XML Paper Specification)」をべースとした文書仕様を策定する、「XPS技術委員会(TC46)」を設置したことを明らかにした。

 ECMAのWebサイトには、「TC46設置の目的は、XMLベースの電子文書形式と、XMLベースのページ記述言語の正式な標準を策定するため」と記されている。

 XPSは、米国アドビ システムズの「PDF(Portable Document Format)」と競合する、マイクロソフトが開発したファイル形式だ。2007年1月末にリリースされた「Office 2007」で、ネイティブ・サポートされている。現在XPSの実装は、マイクロソフトのみが提供している。

 一方、PDFは事実上の文書標準として、長年利用されている。アドビ システムズは今年1月末、PDFのフル仕様を国際標準化機構(ISO)の世界標準とすることを目指し、エンタープライズ・コンテンツ管理の標準化を推進する非営利団体「AIIM(Association for Information and Image Management)」に「PDF 1.7」の仕様全体を提出すると発表した。

 マイクロソフトは当初、PDFもOffice 2007のネイティブ・ファイル形式として採用することを計画していた。しかし、アドビ システムズは独占禁止法に抵触する可能性があるとしてこれに反発。結局、マイクロソフトはOffice 2007からPDFサポート機能を削除したという経緯がある。

 マイクロソフトは、「われわれは、製品どうしの相互運用性を向上させる取り組みに注力している」というスタンスを強調している。しかし、同社の標準化策定プロセスへのアプローチは、競合する企業から、「独自の技術を力ずくで標準化しようとしている」と、批判されている。特に昨年12月にECMAで承認されたOpen XMLは、対抗するODF(Open Document Format)を標準として支持する人々から、厳しく非難されている。

 「マイクロソフトはOpen XMLをECMAに提出する以前、その実装の作成を第三者に認めていなかった。こうした事実は、マイクロソフトがオープンであるべき標準化プロセスをゆがめている証拠にほかならない」(ODF支持者)

 こうしたODF支持者や競合企業は、TC46の設置を受け、Open XMLをISO標準として採用することに反対する必要性を強調している。

 米国の知的財産弁護士で、ODFを支持するアンドルー・アップデグローブ氏は6月29日、自身のブログで次のように述べている。

 「Open XMLとXPSがISO標準として採択されるようなことになれば、オープンであるべき標準は『ゲームオーバー宣言』をしたほうがよい。手遅れになる前に、各国の団体はOpen XMLのISO標準化に“待った”をかけなければならない」

 また、米国IBMのオープンソース/標準担当副社長で、ODFを支持しているボブ・ストー氏も6月29日、自身のブログで、TC46を設置したECMAを批判している。

 「ECMAは、マイクロソフトの希望に沿った“標準”を策定するだろう。そしてその標準は、マイクロソフト製品との互換性が重要視される。これでは『オープン』でも『中立』でもない仕様が登場するだけだ」(ストー氏)

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)




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