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【解説】
ユニファイド・コミュニケーションの現状と課題を探る

過去のUCブームとは何が変わっているのか/導入のメリットは/本格普及の条件は……

(2008年05月09日)

UC実用化時代に向けた課題はキラー・アプリとメリットの“見える化”

 「UCは米国では浸透しても日本のビジネス風土にはなじまない──」

 UCに否定的な見解を示す人は、「日本と米国の文化の違い」を持ち出すことが多い。

 確かに日本では「スケジュール管理は手書きの手帳で」という人が多い。Web会議よりもフェース・ツー・フェースのコミュニケーションのほうが“真心が通じる”と主張する人もいる。それに、自分のプレゼンスを公開することに抵抗を感じるという人もいるだろう。

 一方、米国はUCが普及しやすいバックグラウンドがそろっている。国土面積が日本の約25倍もあるため、移動を減らす、あるいは移動時の通信手段としてモバイル・デバイスを利用する人は多い。また出張に費やす時間やコストを削減する手段として、ビデオ会議も日常的に利用されている。

 しかし、眞鍋氏によると、UCを手がける日本と米国のベンダーに聞き取り調査をした結果、現時点では日米の“温度差”はほとんどないという。「各ベンダーとも市場が本格的に立ち上がる前のアーリー・ステージだと認識している」というのだ。

 「もちろん導入件数は、圧倒的に米国のほうが多い。しかし多くの日本企業もUCに関心を持っている。UCの導入で生産性が向上したという企業が登場し、モデルとなるユーザー事例が複数紹介されれば、UCは日本でも爆発的に普及する可能性がある」(同氏)

 そして、眞鍋氏はUCが一般企業に普及するためには、キラー・アプリが必要だと指摘する。

 コンタクト・センターのような施設であれば、UC導入の費用対効果は数字に表れる。しかし、一般企業の場合は、UC導入によるメリットが数字として見えにくい。

 例えば、相手が不在とは知らずにかけていた電話が1人1日5回だったとしよう。通話時間が1回5分だとして、UCの導入で社員1人当たり1日25分のむだな時間を削減できるという数字は算出できる。しかし、それが結果としてどのくらい生産性向上に貢献しているのかを数値化するのは難しく、経営者はUC導入の決断をしにくいという現状があるようだ。

 「それよりも、今まで“ネック”と感じていたことを解消するようなアプリが登場するほうが、UC普及の“起爆剤”になる」(同氏)

 眞鍋氏はモバイル・デバイス向けアプリがUCの普及に一役買うのではないかという見解を示す。

 「基本的に外出先でのコミュニケーション手段は携帯電話に限定されており、それに不便さを感じている社員は多いはずだ。その不便さをUC導入によって払拭できれば、UC普及の強力なサポートとなる」(同氏)

 実際、UC提供ベンダーも、モバイルとの連携を重要視しているようだ。パート2で紹介するMicrosoftをはじめ、Cisco Systemsもスマートフォン端末からプレゼンスを確認したり、企業のサーバ内に蓄積されているデータへアクセスしたりできる「Cisco Unified Mobile Communicator」を提供している。


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