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【解説】
クアッドコア時代のCPU新事情[AMD編]

あらゆるレンジでクアッドコアを投入し価格性能比での巻き返しを狙う

(2008年05月28日)

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45nmプロセス化で遅れるも統合CPU「Fusion」で逆転を狙う

 IntelとAMDの違いはたくさんあるが、その1つはCPUの製造に45nmプロセスを使っているかどうかという点だろう。Intelは続々と45nmプロセス採用のCPUを投入しているが、AMDが45nmプロセスを使いはじめるのは、2008年末か2009年初頭になると見られる。そのため、AMD製の現行のCPUについては、価格性能比、消費電力のいずれもIntel製CPUに対する劣勢を認めざるをえないのが実情だ。

 しかし、それまでの間、AMDはいくつかの新しい取り組みに注力して、Intelを追い上げる構えを見せている。

 2008年、AMDは「Peruses」という新たなデスクトップ・プラットフォームを大々的に推し進める計画だ。IntelのノートPC向けプラットフォーム「Centrino」のデスクトップ版とも言えるPerusesは、Phenomプロセッサ、ATIグラフィックス・チップ、新開発のAMDチップセットなどで構成される。

 さらにAMDは、CPUとGPUコアをダイ・レベルで統合した次世代CPU「Fusion」(開発コード名)の開発にも注力している(関連記事)。CPUとGPUコアを同じ場所に配置するという手法は、Intelの今後のロードマップにもまだ見られないものである。AMDは、この手法を用いることで共有メモリなどのリソースに対するアクセスがより高速になり、性能アップにつながると考えている。また、熱/電力効率にも改善がもたらされるようだ。

 ただ、メモリの割り当てと熱/電力効率の改善は、デスクトップPCよりむしろノートPCにとってメリットが大きいと言える。今のところ、デスクトップPCに対するメリットまでは言及されていない。Fusionを採用した製品のリリースは2008年末から2009年初頭になると見られている。

モバイル向けCPUでも新技術の採用でIntelに対抗

 2008年以後、AMDはノートPC向けとなる新しいCPUにおいて、電力性能比を改善することに注力していく。「Griffin」(開発コード名)の名称で知られるこの次世代CPUには、新たな電源管理方式「Split Power Plane」が採用される予定だ。同方式は、デュアルコアまたはクアッドコアCPU上の各コアに、それぞれ専用の電源をあてがうもので、エネルギー効率の向上に貢献する。

 Griffinは「Puma」(開発コード名)というAMDのまったく新しいノートPC向けプラットフォームとペアで登場する予定だ(関連記事)

 また2008年には、グラフィックス・チップをハイブリッド方式にした「Power Xpress」というプラットフォームも登場する。このプラットフォームには、マザーボード・レベルの内蔵GPUと、よりパワフルな別のGPUが採用される予定だ。理論上、この新方式により消費電力が大幅に低減されるほか、きわめて高性能なグラフィックス機能が利用可能になる。

 前述のとおり、AMDはCPUとGPUコアを統合したFusionを2008年末から2009年初頭にリリースする予定である。ノートPC向けのデュアルコアFusionプロセッサは、2009年下半期に出荷され、その後、時期は未定だが、ノートPC向けのクアッドコアFusionプロセッサが続く見込みだ。

 AMDが今年成功できるかどうかは、2000年代初頭に同社が大躍進する原動力となった、抜群の価格性能比をもう一度再現できるかどうかにかかっているだろう。いずれにしても、CPUの設計に対する同社の斬新な手法が“CPUマニア”の興味を引くことは間違いない。この点は、Intelとの差別化にもつながっている。

Topics
国内x86サーバ市場、2007年にマルチコア化がほぼ完了──IDC調査

Computerworld編集部

 IDC Japanは2008年3月27日、国内x86サーバ市場におけるマルチコアCPU搭載製品の出荷動向と、マルチコア技術がサーバ市場に与えるインパクトを分析した調査結果を発表した。それによると、国内x86サーバ市場では、2007年第3四半期におけるマルチコアCPU搭載製品の出荷台数が13万7,193台と同市場の91.1%に達し、2007年にマルチコアCPU搭載製品への移行がほぼ完了する見込みだという。

 国内x86サーバ市場において、マルチコアCPU搭載製品は2006年第4四半期以降、急速に普及した。その結果、2007年にx86サーバのマルチコア化はほぼ完了し、2008年からのポスト普及期には、現在主流のデュアルコアCPU搭載製品の出荷台数比率が徐々に低下して、クアッドコアCPU搭載製品へのシフト傾向が顕著になるとしている。

 IDCは、クアッドコアCPUを搭載するx86サーバの出荷台数比率が、2011年には45.9%へ拡大すると予測している。また、継続的にCPUのコア数も増加していき、2008年に6コアCPU、2009年には8コアCPUを搭載するサーバの出荷が開始されると見込んでいる。

 加えて、x86サーバ市場のマルチコア化は、ソケット数の少ないサーバ製品への需要シフトを促進しており、今後もその傾向は強まるという。ソケット数の少ない製品への移行は、サーバ・ベンダーの収益を圧迫する要因になると見ている。

 一方、CPUのマルチコア化は、省スペース化やサーバ電力の効率化につながった。

 しかし、IDCは、サーバの利用率向上は現状道半ばであるとしている。同社によれば、1ソケット当たりのCPUコア数が多いx86サーバの出荷台数が増加すれば、サーバ仮想化といったニーズが高まり、ベンダーにとってはサーバに付帯する製品の販売で多くの利益を獲得できる好機につながるという。


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