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[米国] 【Citrix Synergy 08】
シトリックス、Xenエンジン採用のデスクトップ仮想化ソフト「XenDesktop」を出荷開始

個々にカスタマイズ可能な仮想Windowsデスクトップを提供

(2008年05月21日)

 米国Citrix Systemsは5月20日、ヒューストンで開催中の年次ユーザー・コンファレンス「Citrix Synergy 08」(5月20-23日)で、「Citrix XenDesktop」の出荷を開始したと発表した。XenDesktopは、昨年10月の「Citrix iForum 07」で発表されたデスクトップ仮想化ソフトで(関連記事)、Citrixが買収した米国XenSourceの仮想化エンジンを採用している。

 XenDesktopは、仮想化ハイパーバイザ技術を使い、ネットワーク接続されたクライアント・マシンにWindowsデスクトップ環境を提供するソフトウェア。Windowsデスクトップとの接続にはICA(Independent Client Architecture)プロトコルを用いる。これらのWindowsデスクトップは、実際にはセントラル・サーバの仮想化ハイパーバイザ上で稼働することになる。

 現時点でXenDesktopには、Express(無料)、Standard(1ユーザー当たり75ドル)、Advanced(同195ドル)、Enterprise(同295ドル)、Platinum(同395ドル)の計5種類のエディションが用意されている。このうち基本機能だけを搭載するExpress Editionは、10ユーザーまでサポートする無料のエディションで、小規模企業や開発者をターゲットとしている。

 かつてCitrixは、リモートWindowsデスクトップ接続ソフトの分野を支配していた。しかし今は、仮想化大手VMwareの追撃を受けている。「VMware VDI(Virtual Desktop Infrastructure)がCitrixの強力なライバルになるのは1〜2年先」というのがアナリストたちの一致した見方だが、VMwareがCitrixにとって目の離せない存在であることは確かである。

 VMwareのライバルであったXenSourceをCitrixが5億ドルで買収したのは、昨年10月のことだ。今回発表されたXenDesktopは、XenSource買収で手に入れた仮想化ハイパーバイザ技術と、既存の「Citrix Desktop Server」を統合したデスクトップ仮想化ソリューションで、ハイパーバイザ上に構築されたWindows環境をクライアント・マシンから利用できるようにする。

 Citrixでは、XenDesktopと同じタイプの製品として「XenApp」(以前は「Presentation Server」と呼ばれていた)も有している。ただしXenDesktopは、XenAppとは異なるアプローチを採用している。

 Windowsアプリケーション仮想化製品であるXenAppの場合、Published Desktopsと呼ばれる極めて基本的なWindows環境がセントラル・サーバによって提供される。Published Desktopsは一般的な機能のみをサポートし、個々のユーザーが簡単にカスタマイズすることはできない。これに対しXenDesktopは、Windowsデスクトップ仮想化製品であり、多機能のWindows環境を提供すると同時に、ITスタッフによる集中管理も可能にしている。

 XenDesktopのこの点が企業のデスクトップ・ユーザーに強くアピールすると、Citrixの仮想化製品マーケティング担当コーポレート・バイスプレジデント、デビッド・ローセイン(David Roussain)氏は語る。「デスクトップ仮想化製品の市場は今後5年で間違いなく急成長する。デスクトップ・システムの提供コストは決して小さくなく、多くの企業はそのコストを削減する必要に迫られているからだ」(Roussain氏)

 また、ITコンサルタント会社SequenturのCEOであるロマン・グルズデフ(Roman Gruzdev)氏も、デスクトップのポリシー・コンプライアンスに悩まされている大手企業にとってXenDesktopは魅力的な製品のはずだと強調する。ただし同氏は、小規模なCitrixユーザーにとっては、必ずしもそうだとは言い切れないと指摘する。彼らは、アプリケーションへのリモート・アクセス機能を提供するCitrixの既存製品を今後も使い続ける可能性が高いからだ。

 XenDesktopでは、Windows DLL(Dynamic Link Libraries)などの変更が可能であり、一部のアプリケーションをXenAppで仮想化するのも容易だが、リモート・アクセスゆえの制約もある。例えば、多くのプロセッサ・パワーが必要なグラフィックス・プログラムなどがきちんと稼働しないことなどだ。

 さらに、1つのXenAppサーバで数百台のプレゼンテーション・デスクトップをサポートしている企業が、XenDesktopを使ってWindowsの各種バージョンを稼働させるようなケースでは、ハードウェアを追加する必要もある。Roussain氏によると、200〜300のプレゼンテーション・デスクトップを提供可能なCitrixサーバでXenDesktopを使う場合、対応可能な仮想マシンは30程度だという。

(Robert McMillan/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)




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