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[世界]
動乱が続く携帯電話OS市場――モバイルLinuxのLiPSが活動停止、LiMoに成果を移管へ
新生Symbian、Android、Windows Mobileとの「携帯OSの覇権争い」に注目
(2008年06月27日)
現在、動きの非常に激しい携帯電話OS市場。今度はモバイルLinux業界で新たな動きが出ている。携帯電話用Linux OSの仕様策定・標準化に取り組んできた業界団体LiPS Forum(Linux Phone Standards Forum)が今月いっぱいで活動を停止し、モバイルLinuxのコード開発に力を入れている業界団体のLiMo Foundation(Linux Mobile Foundation)にこれまでの成果と会員を移管することになった。
今回の動きについて、LiPSのゼネラル・マネジャー、ビル・ワインバーグ(Bill Weinberg)氏は、携帯電話用の統一されたオープンソースのモバイルLinuxプラットフォーム開発を加速するのが目的と語っている。
これをきっかけに、携帯電話対応のLinux OSを統一し、Symbian OSとWindows Mobileが支配する携帯電話用OSプラットフォーム市場への参入を目指す動きに、また新たなエネルギーが注ぎ込まれる可能性が出てきている。これまでモバイルLinuxの開発には、複数の組織やプロジェクトがかかわっており、重複する部分も少なくなかった。
6月24日には、複数の大手携帯電話端末メーカーと機器メーカーが、Symbianをベースにした単一のオープン・モバイル・ソフトウェア・プラットフォーム標準を共同開発するとの発表がなされたばかりだ(関連記事)。現在、LiMoが行っている作業は、米国Googleの主導で進められているAndroidプロジェクトと似ている。2007年に発表されたAndroidも、Linuxベースの携帯電話用ソフトウェア・スタックの開発を目指している。
LiPSメンバーの間では、LiMoに移行したり、両方のフォーラムに参加したりする動きがすでにあり、LiPSの活動停止という今回のニュースも冷静に受け止められている。Weinberg氏によると、どちらのグループもミドルウェアの開発に注力しているが、一方の団体は審議に重点を置いており、もう一方は実用化への指向が強いという。
| LiPSプラットフォームは、IP(知的財産)のエコシステムを最大の特徴としている |
LiPSの目標は、携帯電話に対応する各種のオープンソース・プロジェクトで採用されるような標準の策定にあり、2007年末には最初のエディションが完成していた。一方、LiMoは、当初からコードの作成に取り組み、マルチメディアやネットワーク、DRM(デジタル著作権管理)、メッセージングなどの重要なミドルウェア機能をサポートする統合ソフトウェア・フレームワークの開発を進めてきた。
Weinberg氏は、正式な標準が実質的に整備されていないというLinuxモバイル・コミュニティの現状を指摘し、「業界全体がその場しのぎの標準で満足しているように思える」と語っている。同氏は、LiPSと重複するような作業を行っているLiMoの作業グループが数多く存在するという事実を認めたうえで、組織を一本化することにより、Microsoft陣営におけるWindows Mobileや、新たに設立されたSymbian Foundationにおける新生Symbianのような、モバイルLinuxのためのリファレンスを作り出す作業が動き出すとの期待感を示している。
「Linuxモバイル・スタックの融合化は順調に進んでおり、ISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)やメーカー、携帯電話キャリアらは、明確に定義されたスタックを使って革新的な技術を開発しつつある。モバイルLinuxは、相互運用性の問題が常につきまとうようなLinuxカーネルの集合体ではなく、明確な実体を持つソフトウェアとして認知されつつある」(Weinberg氏)
Weinberg氏は、現在、携帯電話用OS市場を支配しているのはSymbianであり、競合のWindows Mobileも、携帯電話市場全体の8〜10%を占めるスマートフォンの分野で強固な地盤を築いているとの認識を示し、そのうえで、今、最も急速に伸びているのはLinuxプラットフォームであると強調している。同氏は、活気あるソフトウェア・ディベロッパーのコミュニティを構築することがSymbian Foundationの大きな課題と指摘し、「コード・ベースを公開したからといって、ディベロッパーのコミュニティが生まれるわけではない」と語っている。
(John Cox/Network World米国版)
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