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【インタビュー】
“ミスターx86”のパット・ゲルシンガー氏が語る「x86プロセッサの成功秘話」

プロセッサ・アーキテクチャの進化と共に歩んだ技術者人生

(2008年09月23日)

若き電気技師のパトリック・ゲルシンガー(Patrick Gelsinger)氏が米国Intelに入社したのは、1979年のことである。同氏は初期のIntel製CPUである80286と80386の設計・開発を経て、25歳という若さで80486のチーフ・アーキテクトに就任。以降の技術者人生をx86プロセッサ・アーキテクチャの進化と共に歩んでいくこととなる。x86プロセッサ特集を展開するにあたっては、“ミスターx86”の証言は欠かせないだろう。以下、ゲルシンガー氏が語る「x86プロセッサの成功秘話」をお届けしよう。

Gary Anthes
Computerworld米国版

――IntelとMicrosoftは、ある意味ともに成長してきた企業だと言える。ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏とは、早くから交流があったのか。

ゲルシンガー氏:ビルとは長年にわたって何かと交流がある。彼は業界で最も頭が切れ、そして最もアグレッシブな人物の1人だ。攻撃的で精力的、そしていつも何かを求め続けていた。

 あるときビルが、80386について手厳しい指摘を私にしたことがあった。当時の私はまだ下っ端のエンジニアで、ビルはすでに業界のカリスマ的存在だった。そんな駆け出しの私が彼に議論を挑んだのだから、今考えればとんでもないことをしたものだと思う。同じ部屋にいるだれもが沈黙する中、ビルと私は互いに一歩も引かず自分の意見を激しくぶつけ合った。一息入れるために休憩を挟んだところでIntelの古参社員が、「もうこのあとは会議に参加しなくていい」と私に告げるほどだった。

――その後、386はどのようにして世に出たのか。

ゲルシンガー氏:32ビット・アーキテクチャを採用した386は、業界の“ターニング・ポイント”とでも言うべき存在であった。すでに普及していた286が16ビット・アーキテクチャであったため、386は当時、「ミニコンやメインフレーム向けでもないのに、32ビットにする意味があるのか」と言われ、むだに贅沢な仕様だと嘲笑されたものだった。

 そこで私は、記者やアナリストらと話す機会を数多く設け、これだけのメモリが必要になる用途や理由を説明して回った。

――x86プロセッサの進化過程で目の当たりにした、そのほかの重要な出来事は。

ゲルシンガー氏:PC互換機によって、PC市場の覇権がIBMからCompaqに移ったのも同時期(1986年)のことだった。IBMの支配下から脱したことで、PCは真の意味で業界標準プラットフォームとなった。

 また、1995年のPentium Proの登場も重要な出来事として挙げておきたい。Pentium Proでは、命令を順不同で実行できるアウトオブオーダー・アーキテクチャを採用している。われわれは、ミニコンやメインフレームのコンピュータ・アーキテクチャからすぐれたアイデアを拝借し、それをよりよい方法でx86プロセッサに実装していった。こうしたことが可能だったのは、われわれの元にその土台となるすぐれた製造技術があったからである。(次ページに続く

Profile
【氏名】パトリック・ゲルシンガー(Patrick Gelsinger)
【現職】米国Intel シニア・バイスプレジデント兼デジタル・エンタープライズ事業本部長
【居住地】米国オレゴン州ポートランド
【あまり知られていない興味深い事実】敬虔なクリスチャンであり、『Balancing Your Family, Faith&Work』(発行:Life Journey)という著書がある
【最初の職業】米国ペンシルバニア州アレンタウンのラジオ/テレビ局であるWFMZにて、技師兼深夜ラジオのDJを務める。幼少のころには、おじが経営する酪農場/競走馬牧場で働いていたこともある。「Intelに就職したばかりのころは、コンピュータのチップよりも牛のチップ(乾燥した糞のこと)のほうが詳しかった」(ゲルシンガー氏)という
【これだけはやめられない】Starbucksのラテ。無脂肪乳でベンティ(590ml)

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