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[英国]
英国政府、政府機関の情報共有の規制緩和を提案──プライバシー問題を巡り批判続出
(2007年01月16日)
英国政府はこのほど、データ保護のための法律規制を緩和し、異なる政府機関の間で個人データを共有できるようにしたいとする意向を明らかにした。しかし、この動きに対しては、「ビッグブラザー」国家への道に進みかねないといった批判が続出している。
英国政府の提案では、データ共有の許可を事前に市民に求めることになっている。英国の政府機関は、ほとんどの場合、法律によって、市民の個人情報の相互共有が規制されている。
英国政府のねらいは、行政サービス向上に向け、市民が複数の機関に同じ個人情報を提供しなくても済むようにすることにあるという。
英国では現在、国民保険サービス、国境管理、国民IDカードなどの大規模なITプロジェクトが進んでいることもあり、データ・プライバシー問題への関心が高まっている。こうしたプロジェクトは、いずれもデータベースでのデータの保存方法とアクセス方法を巡って議論の的となっている。
英国政府高官は、情報を保存するための「セントラル・データベース」を構築する計画はないと強調する。こうしたデータベースは、セキュリティ問題を生む温床になりかねないとの批判が少なくないからだ。
労働年金相のジョン・ハットン氏は、1月15日の朝に放送されたBBCラジオ4の番組『Today』において、「法律が変わったからといって、ビッグブラザー国家への道を歩むことはありえない」と強調する。
ハットン氏は、先ごろ自動車事故で死亡した人の家族が経験した理不尽な問題を繰り返さないことが今回の計画の目的と説明している。この家族は、事故後6カ月間に44回も政府機関に連絡しなければならなかったという。「行政サービスは容認できるレベルに達していない」(同氏)
一方、英国のプライバシー問題に取り組んでいる活動家グループのNo2IDは、ハットン氏が挙げた事例について、データ保護の規制を緩和する必要があることを示すものではなく、行政手続きを改善する必要があることを示すものだと指摘する。
No2ID書記長のガイ・ハーバート氏は、「官僚主義的な策謀を正当化するため、特定の個人に起こった事件を利用するばかげた行為であり、不快感を覚える」と痛烈に批判した。
同氏によると、英国のデータ保護法は、国家による不正利用を防ぐ目的で数十年前に制定されたものだという。No2IDは、政府の計画が実施されれば、個人データを集約した「スーパー・データベース」が完成し、人々のプライバシーが危険にさらされる可能性が高いと強く批判している。
英国政府は、1月15日に市民など100人のメンバーで構成される諮問会議をスタートさせた。この会議の報告書は、3月初めにトニー・ブレア首相の内閣に提出されることになっている。
(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)


