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[米国]
下院通過のスパイウェア対策法案に業界団体らが反対を表明
反対派は「厳しすぎる」と「手ぬるい」に二分
(2007年06月11日)
6月6日に米国下院で可決されたスパイウェア対策法案に複数の業界団体らが反対を表明している。反対派の多くは規制の内容が厳しすぎることを訴えているが、それとは逆に対策が甘すぎることを批判する団体もある。
368票対48票で可決された「SPY ACT(Securely Protect Yourself Against Cyber Trespass Act:サイバー侵害からの安全自衛法)」法案では、コンピュータを乗っ取って不特定多数にメッセージを一方的に送りつける行為、Webブラウザの勝手な誘導、コンピュータ設定の無断での変更、キーストローク・ロギングを禁じている。同法案は、個人情報を本人に無断で収集することを違法としており、違反者には最大300万ドルの罰金を科すことを認めている。
SPY ACT法案が下院で可決されたことを受けて、DMA(ダイレクト・マーケティング協会)を筆頭とする31の業界団体と企業は、下院幹部に連名で書簡を送付し、同法案への異議を唱えた。
業界団体側によると、同法案では「コンピュータ・ソフトウェア」や「情報収集プログラム」の定義があいまいなために、電子商取引サイトが閲覧や購入の履歴に基づいて商品を勧めることや、ターゲット広告を提供すること、サイト・ユーザーのコンピュータにCookieを送信することなどが違法と見なされる可能性があるという。
下院幹部に送付された書簡には、次のように記されている。「この法案の対象範囲と、合法的な企業への影響は、スパイウェアの規制という目的から見て過大であり、情報エコノミーの根幹を揺るがすものだ。この法案は、インターネットの普及を支えているシームレスなインターネット体験を阻害するおそれがある」
同書簡の署名者には、米国商工会議所、米国情報技術協会(ITAA)、ネットコーリション、チャールズ・シュワブ&カンパニー、インターネット・アライアンスなどが含まれている。
SPY ACT法案の主要な発起人であるエド・タウンズ下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)とメアリー・ボノ下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)からは、同書簡に関するコメントは得られていない。
SPY ACT法案は、下院で今年可決された2つ目のスパイウェア対策法案だ。5月に下院を通過した「I-SPY(Internet Spyware Prevention Act:インターネット・スパイウェア防止法)」に関しては、さほど反対は起きていない。I-SPY法案では、スパイウェア的な行為に対して最大5年の禁固刑を科している。
一方、EFF(エレクトロニック・フロンティア財団)は、SPY ACT法案の内容が「甘すぎる」として見直しを求めている。同法案は、これまでに成立している約10の州法に優先することになっているが、これらの州法の多くはSPY ACT法よりも強力だと、EFFの知的財産弁護士であるフレッド・ボン・ローマン氏は指摘する。
またローマン氏は、「SPY ACT法案の下では、一般市民がスパイウェア作者を訴えることができない」と説明する。
同氏は4月にEFFのブログで、次のように述べていた。「SPY ACT法案は事態をかえって悪化させるだろう。アドウェア・ベンダーを、厳しい州法や民事訴訟の対象から除外してしまうからだ」
さらに同氏は、SPY ACT法案ではスパイウェアに関する法執行を米国連邦取引委員会(FTC)と州の司法長官に委ねているが、これは手ぬるいやり方だと主張している。
(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)
- ダイレクト・マーケティング協会(DMA)
- http://www.the-dma.org/
- エレクトロニック・フロンティア財団(EFF)
- http://www.eff.org/
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