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【インタビュー】
イージェネラのモンカCTOが語る「仮想化2.0――データセンター全体の仮想化」
「サーバ仮想化は、データセンター全体から見れば部分的なものにすぎない」
(2008年04月25日)
現在、サーバ統合を主目的とした仮想化技術の導入が企業で活発化しているが、設立当初よりデータセンター全体の仮想化を推進してきたのが米国Egeneraだ。老舗のブレード・サーバ・ベンダーとしても知られる同社は、基幹系システムを中心にブレード・サーバ「BladeFrame」を提供してきた。昨年10月には、汎用サーバ市場への展開を指向した新戦略に基づき、BladeFrameの中核を担う管理ソフトウェアのOEM提供も始めている。編集部は4月23日、同社CTOのピート・モンカ(Pete Manca)氏へインタビューを行い、仮想化市場における同社の現在位置と今後のビジョンなどについて話を聞いた。
山上朝之
Computerworld編集部
――サーバ仮想化に対するユーザーの注目度が高まり、この市場への新規参入も相次いでいる。こうした一種の“仮想化ブーム”をどのようにとらえているか。
| 米国EgeneraのCTO、Pete Manca氏 |
Manca氏:現在、各社が注力しているのはハイパーバイザ技術が中心だ。ハイパーバイザは、確かに個々のサーバを統合するという面では効果的だが、それはデータセンター全体から見れば1つの側面にすぎない。また、サーバ仮想化でサーバ統合を図ると、逆に管理面が複雑になるといったトレードオフも存在する。われわれは、こうしたハイパーバイザを中心とした仮想化への取り組みを「Virtualization 1.0」と呼んでいる。
われわれは、そこから一歩進んだ「Virtualization 2.0」というポジションにいると考えている。つまり、サーバ仮想化だけではなく、CPUやメモリ、I/O、ネットワーク・スイッチ、ストレージなどデータセンターを構成するコンピューティング・プラットフォーム全体の仮想化に取り組んでいる。
また、企業ITの視点に立てば、仮想化により複雑化したIT環境の運用管理が非常に重要となる。そこでわれわれは、管理ソフトウェアの「PAN Manager」により、外部ストレージも含めて仮想化環境を一元管理できるようにしている。
――昨年10月にPAN ManagerのOEM提供を開始し、従来のハイエンド市場に加えて、汎用サーバ市場にも展開していくことになった。その現況を教えてほしい。
Manca氏:すでに、DellとFujitsu Siemens ComputersへのOEM提供が始まっている。今年中にはもう1社増える見込みだ。他のベンダーへも積極的にアプローチしており、ベンダー側もPAN Managerに強い関心を抱いている。ただし、われわれは、パートナーの数を闇雲に増やすような戦略をとっていない。
PAN Managerの機能強化も継続的に行っており、今年6月にはバージョン5.2をリリースする。新バージョンでは、WebサービスAPIを追加してサードパーティ製品に対応可能にしたり、よりグローバル展開を目指した機能強化を図ったりしている。さらに、今年後半にもPAN Managerをアップグレードする予定だ。
――グリーンITの観点からも仮想化は重要な技術である。Egeneraは、このテーマにはどのようなスタンスで臨んでいるのか。
Manca氏:グリーンITというと、他社はIT機器の省電力化・小型化などに積極的でそれをアピールしているが、こうした取り組みは短期的なものにすぎない。実際問題として、最も環境にやさしい“グリーンな取り組み”は、データセンター内にある物理サーバの数を減らすことにほかならない。
CPUとメモリを仮想化する独自のPAN(Processing Area Network)アーキテクチャをベースとした当社の製品群は、サーバ台数の削減に非常に効果的だ。サーバだけではなく、I/Oやスイッチ、ストレージなどさまざまなコンピューティング・リソースを仮想化することができ、インフラ全体の規模を縮小できる。
他社はグリーンITを(販売戦略上の)1つの“売り”としているが、われわれはあえて積極的にはそううたってはいかない。グリーンITを売りに顧客へシステムの導入を促すのではなく、これまで導入効果として示されてきたリアルな“数字”を顧客へ提示することで、結果としてグリーンITの面でも貢献できることを示していく。
――仮想化市場での主導権争いは激しさを増している。こうした中で、Egeneraの競合に対する強みとは何か。
Manca氏:例えば、最近話題になっているI/O仮想化について、当社はすでにその統合管理を実現している。このように、われわれは仮想化市場では、データセンターのシンプル化を目指して常に革新的なポジションを維持できるように動いてきた。
こうした動きの速さを実現できる1つの強みとしては、当社が比較的小規模な会社だという点が挙げられる。例えば大企業では、ハードウェア部門とソフトウェア部門で仮想化に関して密な連携が図れないなど、大企業であるがゆえの弊害がある。その点、われわれは素早く動ける規模であるからこそ、仮想化市場においては非常によいポジションに立っていると考えている。
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