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【インタビュー】
「燃料電池や水冷でさらなる効率化を」――ヴェルナリーCEOが語る、APCの次世代データセンター戦略
燃料電池UPSの商用版を6カ月後に米国でリリースへ
(2008年07月14日)
昨年、仏国Schneider Electricに買収されたことで、業界でもユニークなポジションに立つことになった米国APC。買収以後、APCを指揮しているのが代表取締役兼CEOのローラン・ヴェルナリー(Laurent Vernerey)氏だ。編集部では7月10日、APCジャパンが主催するユーザー・コンファレンス「APC SOLUTIONS FORUM 2008」に併せて来日した同氏に、データセンターの効率化をテーマにAPCが進める次世代技術への取り組みなどを聞いた。
山上朝之
Computerworld編集部
――昨年2月にAPCのCEOに就いてから1年半近くが経過したが、その間を振り返っての感想を聞かせてほしい。
| APCの代表取締役兼CEO、Laurent Vernerey氏 |
Vernerey氏:Schneider ElectricにとってAPCの買収は過去最大の規模であり、APCはSchneiderの傘下に入ったことで、業界でも非常にユニークなポジションに立つことになった。買収後、APCは当初の事業計画を上回る好業績を記録したが、継続的な成長や収益向上を目指すには、Schneiderの下でAPCとMGE UPS SYSTEMSをよりうまく統合していく方法を考えていかねばならない。
ただし、新規ビジネス・ユニットの構築など、統合に際して現在まで取り組んできたことには満足している。
――Schneiderに買収され、コンシューマー・レベルからプラント・レベルまで、電力効率の改善という観点から一貫したソリューションを提供できる体制となった。こうした特徴を日本市場でどう生かしていくのか。
Vernerey氏:われわれは、電源からインフラ、建物に至るまで一体的に提供できる新たな統合アーキテクチャを今年10月に発表する予定だ。しかし、このアーキテクチャを日本で提供していくといっても、その価値を認識してもらえる顧客ベースが日本ではまだ確立されていない。そのため、まずはデータセンター関連ビジネスにフォーカスして、日本での事業拡大を進めていくことが重要だろう。
――昨今、ブレード・サーバに代表されるIT機器の高密度化が進んでいる。クーリングに関しては局所冷却といったより高効率な冷却手法が登場しているが、UPSに関してはどうか。APCのUPS製品にも変化は訪れているのか。
Vernerey氏:すでにUPSは技術的な限界に達していると言える。そのため、これ以上、UPSの効率を上げることは難しく、別のアプローチが必要になっている。例えば、UPS単体ではなく、ソフトウェアやその他のコンポーネントも含んだシステムとしてデータセンター全体を管理するようなアプローチだ。こうした新たなアプローチの一貫としてわれわれは、鉛蓄電池の代替として燃料電池を利用したUPSを試験的に米国で提供しており、徐々に採用事例も出てきている。
――現時点で燃料電池を採用するような企業は、環境問題に対してかなり先進的な取り組みをしていると考えられる。実際、どういった企業が燃料電池を採用しているのか。
Vernerey氏:現在、米国空軍など5件のパイロット・サイトに導入実績がある。こうしたパイロット・サイトでは、10年間もの長期間にわたり燃料電池を運用して、TCO(総所有コスト)がどれぐらい削減できるかといった検証を行っている。
燃料電池はいずれ巨大な市場になると見ており、これまで技術開発に対して積極的な投資を行ってきた。燃料電池のメリットは、鉛蓄電池の代替というだけではなく、データセンター内の省スペース化にも貢献する。まだコストが高いため導入実績は少ないが、半年後には商用版として燃料電池UPSを米国で正式にリリースする予定だ。現状、社内の専任部隊は5人だが、カナダのHydrogenicsとパートナーシップを結んでおり、商用化後はこうしたパートナー各社との関係の下、FSE(Field Sales Engineer)のトレーニングを強化していく方針だ。
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