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「たがための」「何のための」グリーン化か!?
ユーザー企業がグリーンITに取り組むのは、環境保護のためというよりコスト削減のため?
(2007年08月03日)
しょせんはビジネス
揺籃期の今は、ベンダーとユーザーによってさまざまなグリーン化の可能性が模索されている段階であり、いまだ普遍的なグリーンIT戦略が確立されるには至っていない──調査会社フォレスター・リサーチが今年5月に発表した調査では、そんな状況が浮き彫りになった。
「高まるグリーンITへの関心度」(Tapping Buyers' Growing Interest in Green IT) と題されたこの調査は、北米および欧州に本社を置く企業のITマネジャーやプロキュアメント・プロフェッショナルを対象に行われた(回答者124人)が、うち85%が「IT運営業務計画を立案するにあたって、エコロジーを重要な要素だと考えている」と答えたにもかかわらず、「自社の物資購入プロセスにグリーン化基準を設けている」と回答した人はわずか4分の1にとどまった。
当然のことだが、企業にとって大事なのは、何と言っても「最終損益」だ。この調査でも、ある回答者が「われわれがグリーン化に取り組もうとするのは、環境のことを考えてというよりも、コスト削減というビジネス上の成果を期待してのことだ」との回答(自由記述)を寄せている。
また、調査報告書を作成したクリストファー・マインズ氏は、次のように総括している。
「(調査結果から)今、企業がグリーン化に関心を持つのは、『効率性』と『企業責任』という2つの動機からであることがわかった。なかでも、大半のIT意思決定者が『グリーン化に関連する物資を購入する動機』として挙げていたのは、『コスト削減』であった。つまり、彼らは、ROI(投資収益率)に基づいた実務的判断を下しているわけだ」
グリーンITも「ベンダー先導型」
もちろん、グリーンITのような新しい試みを先導するのは、例によってベンダーの役割だ。インテルのEMEA(欧州・中東・アフリカ)セールス&マーケティング担当副社長、ゴードン・グレイリッシュ氏は、現状を、「ベンダーの省エネ製品が目覚ましい進歩を遂げている傍らで、ユーザー・コミュニティがなかなかそれに追随できないでいる状況」であると分析する。
例えば、デンバー保健医療局(Denver Health and Hospital Authority)でオペレーション&プランニング・マネジャーを務めるデビッド・ブーン氏は、最近初めてグリーンITについて学んだ。そしてその結果、「優れたコンセプトだ」と感じたという。しかしながら、「エネルギーの消費を抑える手法はいくつかあるはずだが、現段階でそのうちどれだけがIT分野の省エネ手段として実用可能になっているのかが分からない」という理由から、その導入には消極的な姿勢を見せている。
一方で、PMIモーゲージ・インシュアランスのように、むしろベンダーよりも積極的な姿勢でグリーンITに取り組むユーザー企業もある。同社でコーポレート・システム担当上級副社長を務めるスタンレイ・パチュラ氏は、「他社よりも環境保護への貢献を考慮しながら取り組みを進めていると自負している」と胸を張る。同氏にとって、グリーンITは、エネルギー消費を効率化するためのものであると同時に、環境汚染(排出物とハードウェア廃棄物)を抑制するためのものであるのだ。
そんな同氏も、ベンダー──特に、同社の主要契約ベンダーであるIBMとサン・マイクロシステムズ──のグリーンITに対する最近の取り組みと、その成果については、高く評価している。なかでも同氏が注目しているのが、仮想化技術だ。
「サーバ統合技術については、より少ない台数の物理サーバでシステムを稼働できる技術だととらえている。また、デスクトップの仮想化技術を導入すれば、在宅勤務を実現することが可能な環境が整う。これによって、われわれが冷暖房を施さなければならない区域が減るだけでなく、(クルマによる)通勤の必要がなくなることで排気ガスを削減することもできる」(パチュラ氏)
ちなみに、PMIモーゲージは現在、EMCの「VMware」を使って215台以上の仮想サーバを構築している。その結果、物理サーバは、従来の140台から、わずか13台にまで減った。
パチュラ氏は、IBMが自社と顧客のITインフラの省エネ化を図るために最近発表した「Project Big Green」(http://www.computerworld.jp/news/hw/64170-1.html)を、「真摯な取り組み」であるとして評価している。IBMはおそらく世界最大級のデータセンターを運営管理する企業だが、そんな同社自身がエネルギー削減とエコロジー運動に取り組むことは、まことにもって理にかなっているというのだ。というのも、こうしたベンダー自身がグリーン・プログラムに取り組めば、自社データセンターだけでなく顧客のデータセンターのイノベーションも促進されることになるからである。



























