【 ここから本文 】

グリーンIT

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


グリーン・コンピューティング

[世界]
企業の取り組みに見る省電力プロジェクトの投資効果

データセンターの省電力化で電力会社の支援を引き出す

(2007年08月21日)

 米国環境保護庁(EPA)によると、米国内のデータセンターが2006年に消費した電力は、およそ610億キロワットアワーに上り、米国全体の電力消費量のおよそ1.5%を占めたという(関連記事)。データセンターの省電力化はいまや企業だけでなく、社会全体にとって重要な課題になりつつある。

 しかし、一口にデータセンターの省電力化といっても、その投資効果を明確に示すことができなければ、経営トップや財務担当者の承認を得ることは困難だ。

 そうしたなか、大手ITベンダーを中心にデータセンターの省電力化の取り組みは着実に進みつつある。例えば、ヒューレット・パッカード(HP)は、世界85カ所に分散していたデータセンターを6カ所に統合。IBMも世界各地のデータセンターで使われていた3,900台のサーバを30台のメインフレーム・コンピュータに置き換えることで省電力化に取り組んでいる。

 また、サン・マイクロシステムズは8月21日、カリフォルニア州サンタクララの本社でWebキャスト・イベントを開催し、サンタクララ、イギリスのブラックウォーター、インドのバンガロールにエネルギー効率の高いデータセンターを構築する「Eco Innovation Initiative」を打ち出す予定だ。

 同社のサンタクララのデータセンターでは、サーバを2,177台から1,240台に、ストレージ・ハードウェアを738台から225台にそれぞれ削減する一方で、コンピューティング・パワーを4倍に増強した。

 さらにサンでは、データセンターのアップグレードにより、電力消費量を220万メガワットから500キロワットに削減したことで、地元の電力会社シリコン・バレー・パワーから100万ドルの還付金を受け取ることに成功したという。

 しかし、サンのエコ・レスポンシビリティ担当バイスプレジデント、デーブ・ダグラス氏は、このプロジェクトを実施するにあたっては、財務責任者を説得しなければならなかったと振り返る。

 「エネルギー効率を高めることによって、新たなシステムの導入費用を賄うというのは、かなり新しい考え方だ。実際に投資に見合う効果を出すには3年もの期間が必要になる」と同氏は指摘する。

 ダグラス氏は、まずデータセンターの一部で小規模なプロジェクトを実施して、その投資効果を財務責任者に明確に示すことを勧めている。

 8月17日から水素燃料電池発電機の稼働を開始した富士通コンピュータ・プロダクツ・オブ・アメリカ(カリフォルニア州サニーベール)も、電力会社の還付金によって省電力化のコストを賄っている。

 同社が設置した200キロワットの発電機は、天然ガスで稼働するため、二酸化炭素を排出するが、予熱を効率的に取り込むことによって、建物内の水と空気を暖めるのに利用することができる。

 同社は、発電機を導入することで、パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)から50万ドルの還付金を受け取ることになっている。北部カリフォルニア地方の大半をカバーするPG&Eは、適格と認めたクリーン・エネルギー・プロジェクトに対し、1キロワット当たり2,500ドルの還付金を支払っている(関連記事)。

 またPG&Eは、風力やメタンガスを使用するプロジェクトに対して、1キロワット当たり4,500ドルの還付金を支払っており、太陽エネルギーの活用に関しても別のインセンティブ・プログラムを用意している。

 PG&Eのディレクター、デビッド・ルービン氏は、「燃料電池は、近年関心が高まっている分野だ。燃料電池発電機を設置する際に、予熱を有効に活用できれば、水や空気を暖めるのに利用する天然ガスの量を減らすことができる」と語る。同氏によると、PG&Eの供給区域内で、現在およそ20件の水素燃料電池プロジェクトが進行しているという。

 水素燃料電池発電機メーカーのUTCパワー(ユナイテッド・テクノロジーズの子会社)の販売担当バイスプレジデント、ホーマー・パーセル氏によると、この種のプロジェクトで予算を獲得するには、還付制度の利用が不可欠だと指摘する。

 パーセル氏は、富士通が発電機を導入するために支払った費用を明らかにしなかったが、一般的な発電機本体の価格は90万ドルであり、それに設置工事費25万ドルが必要になるとしている。そのうえで同氏は、この種のプロジェクトの承認を得るには、こうした投資コストを相殺できるだけの財政的な奨励プログラムの活用が「きわめて重要だ」と語っている。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


キャッチアップ

「グリーンITの推進で、2025年に国内全エネルギー消費量の10%削減を目指す」――経済産業省

ITのグリーン化に加え、ITの活用による省エネの重要性も強調

グリーンITでIT部門がなすべきこと

「地球にやさしいIT」に向けた多角的なアプローチを実践する

「政府はITのメリットをもっと理解すべし」――米国の業界団体が指摘

政府内で省電力モデル・ケースを作り、他の機関へ適用せよ

グリーン・データセンターを実現するマルチレベル手法

コンポーネント/サーバ/ラック/設備から検証する

ストレージにも「グリーン」を――SNIAが示す環境配慮の新指標

エネルギー効率を測定できる新ストレージ指標を2009年完成に向け開発中

「グリーンITは京都議定書の目標達成に不可欠」――総務省の藤本氏

ユビキタスネット社会の実現により、2010年には2,650万トンのCO2削減を目指す

グリーン・コンピューティングに未来はあるか!?

積み上げられた“電子ゴミ”の山が消え去る日はいつ?

グリーン化を実現するために、コールセンターを「仮想化」せよ

在宅勤務を取り入れれば、オペレーターの定着率がアップし、省エネも達成

ストレージのスリム化に挑む

エンタープライズ・ストレージの省エネ&省スペース化を実現する最新技術

「たがための」「何のための」グリーン化か!?

ユーザー企業がグリーンITに取り組むのは、環境保護のためというよりコスト削減のため?

【DMW調査】企業IT責任者の4分の3がITの環境問題を過小評価

回答者の83%が消費電力よりもパフォーマンスを重視

“グリーン・データセンター”を構築せよ

省エネを実現するために踏むべき7つのステップ

省電力/発熱対策

チップの冷却効率を10倍にする、水の“高速沸騰”技術――大学の研究者が開発

「チップの小型化を推進するためにも、新たな冷却手法が必要」

地球にやさしいのはWindows XPよりもVista?

EPA、Windows XPの電源オプション制御ツールを企業へ積極アピール

EPA、データセンター電力消費の指標となるベンチマークを提供へ

「5年間で米国内データセンターの電力消費量は倍増」に対する施策

ストレージの電力効率を改善する「5つの実践」

SAN環境の統合が“データセンターのグリーン化”に大きく貢献

データセンターに効く「局所集中型」の冷却システム

冷却効率向上と電力コスト抑制を両立

少ない電力でより多くのデータをストア

ストレージ管理の「今日的キーワード」は「省電力」

高温個所をシミュレート――空気力学を駆使したデータセンターの熱対策

センター構築時だけでなく継続的な再計算が必要

高可用システムの根幹を成す「物理インフラ」を再点検する

データセンターの「立地・建築・設備」やサーバ・ルームの「電力/熱問題」に着目

「液体冷却」時代を迎えるデータセンター

課題は標準冷却仕様の“不在”

「消費電力」と「発熱」の限界 ── その克服に挑むサーバ・ベンダー

“エコ”コンピューティングの最前線を探る

設備・設計から考えるデータセンターの「電力供給と冷却」

米国企業3社は“電力食いのヒート・アイランド”にどう立ち向かったか

トレンド・ウォッチ

IBM、全米オープン・テニスでグリーンIT化に挑戦
仮想化技術で60台のサーバを6台に(2008年09月03日)
日立データシステム、NASAの気象データ・システムにストレージ製品を提供
アーカイブ・データを高速に み出し、オゾン層や気候変動の研究をサポート(2008年08月27日)
富士通、洞爺湖サミットでの宣言を受け、中期環境ビジョン「Green Policy 2020」を策定
2020年に同社グループ全体で約3,000万トンのCO2排出量削減を目指す(2008年07月23日)
モバイル・デバイスを利用した大気汚染測定、サンフランシスコ市で評価テスト中
測定技術はインテルが開発。測定データはデバイスでサーバに送信(2008年07月11日)
「環境よりもパフォーマンスを優先」――米国企業のIT投資動向
景気悪化やエネルギー価格高騰などの影響で、グリーンITへの投資が後回しに(2008年07月01日)
アクセンチュア、データセンターの消費電力予測リポートを発表――EPAの見解を支持
「データセンターには電力効率を改善する余地がある」(2008年06月30日)
【IDC調査】増え続けるストレージの電力・冷却コスト、2007年は全世界で13億ドルを突破
依然としてストレージ需要は旺盛、電力コストも増加の一途へ(2008年06月27日)
「非効率なデータセンターは法規制の対象へ」――APC幹部が予想
DCiEを平均47%から同72%まで上げる必要性を強調(2008年06月02日)
【ミック研調査】国内データセンターの総消費電力量、2007年度は57億Kwhに
2012年度には倍近くの107億Kwhへの拡大を予想(2008年05月07日)
サン、新興半導体メーカーのモンタルボを買収――省電力チップの獲得がねらい
独自設計の高性能省電力プロセッサの獲得でインテル、AMDに対抗(2008年04月28日)
アップル、省電力CPUベンダーのPAセミを買収――UMPC参入への布石?
「非インテルCPUで差別化を図るのが狙い」とアナリスト(2008年04月24日)
CTC、データセンターにおけるグリーンIT戦略を披露
「ラッカブルとの販売代理店契約締結で、顧客へ低消費電力サーバ/ストレージを提供する」(2008年04月17日)
「データセンターの環境対策が急務」――IT幹部らが統一見解
「グリーンITは、リスク・マネジメント戦略だ」と専門家(2008年04月10日)
日立、システム運用管理ソフト「JP1」のグリーンIT対応を強化
PCの省電力一元管理機能などをサポート(2008年03月12日)
日本HP、データセンター施設の省電力化を推進する製品群を発表
直流電源/水冷ラック/空調制御で電力コストや発熱量を削減(2008年02月21日)
消費電力は同等でも性能は7倍――京都大学が新スパコン導入へ
AMDのクアッドコアOpteronを1,664個搭載(2008年02月19日)
日本で進まぬデータセンターの「グリーン化」――シマンテックの調査で明らかに
グリーン・データセンターを「とてもよく知っている」と回答した企業は“0”(2008年02月12日)
Intel、米国最大のグリーン電力購入企業に――使用電力の46%相当を調達へ
Nokiaも世界自然保護基金のプログラムに参画(2008年01月29日)
会社を挙げて“緑革命”を――MicrosoftのグリーンIT戦略
同社が目指す「地球環境にやさしい」企業の姿とは(2008年01月22日)
WBCSDとIBMら4社、環境関連特許公開のための「エコ・パテントコモンズ」を設立
環境へのさらなる貢献やイノベーションの創出を目指す知財共有プロジェクト(2008年01月15日)
大手ベンダー各社、製品リサイクルにかかる消費者負担の軽減に意欲
HP、Dell、Sonyらが米国内での法制化を目指す(2008年01月10日)
HP、自社製PCのエネルギー消費量低減を約束
2010年までに全PCラインで消費量を25%低減へ(2008年01月09日)
SPEC、サーバのエネルギー効率を評価するベンチマークのテスト・スイートを公開
異なるシステムのエネルギー効率が比較可能に(2007年12月18日)
インテル、グリーンITを支える次世代CPU技術を披露
さらなるマルチコア化がカギ。コアの電力制御/ホッピングなどで省電力化を推進(2007年12月17日)
Google、再生可能エネルギーを用いた発電技術を開発へ
石炭よりも安価でクリーンな発電に向け年間数千万ドルを投資(2007年11月28日)
NEC、IT省電力化プロジェクト「REAL IT COOL PROJECT」を発表
日立に続く国内大手の発表。2012年までにIT機器CO2排出量の91万トン削減を目指す(2007年11月26日)
【Symantec調査】高まるグリーンITへの関心、7割の企業はデータセンターの環境対策に前向き
取り組みのトップ3は「サーバの統合」「仮想化」「省エネ機器へのリプレース」(2007年11月21日)
マイクロソフトが取り組む“エコロジカル”大規模データセンターとは
自然の力を生かして冷却コストを60%削減(2007年11月12日)
富士通シーメンス、グリーンIT推進の新施策を発表
「省エネルギー化にかかるコストは価格に転嫁しない」とアピール(2007年11月09日)
日立、IT機器の省電力化プロジェクト「Harmonious Green」を始動
5年間で33万トンのCO2削減を目指す(2007年11月05日)
IBM、サーバの省エネ成果を証明する業界初のプログラムを発表
顧客企業のエネルギー削減総量を計算し「効率証明書」を発行(2007年11月05日)
グリーンピース、iPhoneに有害化学物質が含まれているとアップルを非難
「環境対策も十分ではない」とグリーン・ランキングを最下位ランクに(2007年10月16日)
企業の取り組みに見る省電力プロジェクトの投資効果
データセンターの省電力化で電力会社の支援を引き出す(2007年08月21日)
「Webページの背景を黒にしても節電にはならない」――グーグルが見解
液晶ディスプレイでは、黒画面による省電力効果はほとんど見られない(2007年08月10日)
英国のデータセンター、DC電源とクアッドコアCPUで40%の節電に成功?
電力/発熱/スペース問題を解決し、炭酸ガス排出量を大幅に削減(2007年08月06日)

Weekly Ranking

集計期間:11/16〜11/22



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国