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グリーン・コンピューティング

[国内] 【Green IT Conference&Demo 2008】
「グリーンIT元年」に求められるユーザー企業のアクションとは――経産省と東電が講演

Green IT Conferenceのステージで語られた、企業が押さえておくべき現状と課題

(2008年02月29日)

 企業経営に欠かすことができないITが、電力消費量の増大から地球温暖化に大きな影響を与えている。今後もITが進化・成長を続けていく中で、その環境に及ぼす影響はもはや看過できない。この問題に対して、企業・組織はどんな取り組みを進めていくべきなのか──2月29日に都内で開催された「Green IT Conference&Demo 2008」コンファレンス(主催:月刊Computerworld/月刊CIO Magazine)には、その方策を知ろうと、多数の企業担当者が詰めかけた。
 

経産省の星野氏、「IT機器の省エネ化と、ITを活用した省エネ推進を」

経済産業省 商務情報政策局 参事官の星野岳穂氏

 同コンファレンスの基調講演を務めたのは、経済産業省 商務情報政策局 参事官の星野岳穂氏だ。冒頭、同氏は、ITの急進展ぶりを以下のように説明した。「情報化社会が急速な勢いで進展している。社会で扱う情報量は、2025年には現在の約200倍になると試算されている。省エネ技術が進展すると加味しても、関連機器が必要とする電力量の増大は、とうていカバーしきれるものではない」

 星野氏によると、2006年、国内総電力量に占めるITが要する電力の割合は約5%、値にして470億kWhだが、2025年には20%を超え、2400億kWhに達する見込みだという。「現状のペースで試算すれば、2050年には、ITが日本の総電力の半分を占めることになる。技術の開発によって、2025年に20%と目されるITの電力量を半減させ、2050年の時点でも、予測の半分である2,982億kWhに抑えたい」(星野氏)

 そこで昨今、ITが及ぼす地球環境への影響について考え、アクションを起こしていく「グリーンIT」が国家レベルでも重要課題として認識されるようになった。経産省では、特に2つの柱を軸にしてグリーンITの推進を図っていく構えだ。星野氏は、「IT機器・システムの省エネを促進していくこと。そして、ITを活用した社会の省エネを推進していくことの2本柱で臨む」と述べた。

 IT機器を使えばそれだけ電力を消費し、結果的に、大気中に二酸化炭素(CO2)を排出することになる。よって、まずは技術革新を促して、抜本的に電力を浪費しないための技術を開発することで省エネを促していく──これが経産省の考えだ。「センサの活用や、そもそも半導体が熱を発生させることが問題なのであれば、熱を発生しない半導体を開発すればいいというスタンスだ。その一方で、ITを活用することで得られるエネルギー消費の削減を推進する。正しく分析し効果を評価する仕組みの確立が重要になってくる」(星野氏)

 こうした取り組みを加速させるため、今年2月には産学官の連携強化の場として、グリーンIT推進業議会(Green IT Promotion Council)が創設された。新技術の導入によってどれほどの省エネ効果があるのかの研究や、その啓蒙普及活動を行うことになる。また、6月には青森でG8エネルギー大臣会合、7月には北海道でG8首脳会議である洞爺湖サミットが計画されており、日本での取り組みを含め世界規模で対策を進めていく方針だ。なお、世界を見ると、グリーンITやCO2削減の取り組みでは欧州が先行し、米国での取り組みは州レベルにとどまっているようだ。
 

東京電力の影山氏、「環境保全と電力安定供給の確保を両立する」

東京電力 環境部長の影山嘉宏氏

 グリーンITを推進するにあたっては、基盤となる電力事業についても理解を深めておく必要がある。現在、わが国は原子力、ガス、石油を中心として水力、石炭などを加えたエネルギー源から発電を行っている。1970年代のオイル・ショックの反省から、石油への依存率を下げ、価格が廉価な液化天然ガス(LNG)や原子力への依存性を高めてきた。

 だが、世界的なLNG需要の上昇やここ数年の石油高騰などで、LNGに依存した状況にも問題が出つつある。今後は、資源が豊富で価格が廉価で安定している石炭への依存度を高めるとともに、原子力への依存率をさらに高めることになる。太陽光発電や風力発電、地熱発電は地理的問題やコスト問題から主要エネルギー源として使うには無理があり、原子力が現実的な路線となっている。

 「環境保全と安定供給の確保を両立させたうえで経済性を実現する」。基調講演に登壇した東京電力の環境部長、影山嘉宏氏はそう語った。同氏は、京都議定書はいわば国家単位での取り組みであり、ポスト京都議定書として、国家の枠組みをこえて分野ごとに削減目的を掲げ取り組んでいく「セクトラルアプローチ」が求められていると説明した。

 同氏によると、現在、排出量トレード制度や環境税の導入が検討されているが、排出枠組みの規定が公平に実施できないことによる悪影響や、税金導入の結果得られる税収を具体的にどういった対策に使うかの議論が不十分であることから、それらの対策には産業界での反対が強いという。

 産業と運輸におけるCO2排出は、削減の方向に向かっており目標をクリアしそうだが、それに反して家庭と業務の分野でCO2排出が増大を続けている。しかも、対策する・しないのいかんにかかわらず、今後、20数年で0.5度近く気温が上昇すると見られている。
 「これ以上の気象の凶暴化を防ぐには、地球規模での温暖化防止対策は欠かせない状況だ。企業ごとにCO2削減へ向けた取り組みは、もはや待ったなしなのである」(景山氏)

(後藤大地)




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