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[米国] 【今週のウォール街】
買収がらみのニュースがIT業界を翻弄

マイクロソフトのヤフー買収断念で、ヤフー株は先週末から4ドル下落

(2008年05月09日)

 ナスダック市場の株価は、第1四半期後に緩やかながら上昇を続けていたが、今週に入ってから荒れた展開となった。原因としては、米国Microsoftが米国Yahoo!の買収を断念したこと、ドイツのDeutsche Telekomが米国Sprint Nextelを買収するとのうわさが明るみに出たこと、米国Cisco Systemsの第3四半期の純利益が買収費用などの一時的な要因で減少したことなどが挙げられる。いずれも買収にからむニュースであり、IT株が買収の報に翻弄される結果となった。

 まずは週明け早々、MicrosoftがYahoo!の買収を断念したことで、市場に失望感が広がった。大型買収はIT関連の株価を押し上げる傾向があるが、その望みはひとまずなくなった。

 Yahoo!のCEO、ジェリー・ヤン(Jerry Yang)氏は、金額さえ納得できていたら同社を売却することに合意していたと、その後のインタビューで語っている(関連記事)。しかし同社は、最大のライバルである米国Googleと検索広告サービスのアウトソーシングで提携するなど、Microsoftによる買収の阻止に向けてあらゆる手を尽くしてきたように見える。MicrosoftのCEO、スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏は、5月3日に発表した声明において、Yahoo!とGoogleとの提携が明らかになった時点で、金額面で合意にいたる望みは断たれたと考えていたことを明らかにした。

 米国Citigroup Global Markets Equity Researchは、Yahoo!の将来について「不安定」と控えめな表現にとどめながらも、同社株の評価を「売り」に下げた。Yahoo!株は先週末の28ドル67セントから、5日の月曜には24ドル37セントに下落した。しかし、Yang氏をはじめとするYahoo!幹部が、まだ金額面で交渉に応じる意思があると発言したことで若干回復している。もしGoogleと提携しても利益が増えず株価も低迷したままなら、Yang氏は年末までに退任を迫られ、Yahoo!とMicrosoftが交渉を再開することも十分にありうる。

 一方、Deutsche TelekomがSprint Nextelに買収案を持ちかけたといううわさが駆け巡り、Sprint Nextel株は今週急上昇した。同社株は先週末7ドル89セントで取り引きを終えたが、今週半ばには9ドル16セントまで値を上げた。Sprint Nextelが買収された場合、Deutsche Telekomの子会社T-Mobileを合わせれば、米国AT&Tと米国Verizonを抜き、米国最大のワイヤレス事業者が誕生することになる。

 とは言え、実際に買収となると米国内の企業どうしが合併するのとは事情が異なり、かなり難しい面があると、業界筋は見ている。噂では、SprintがNextelを身売り、もしくは分離独立させるとも言われており、混沌とした状況はまだ続きそうだ。

 Sprintと米国Clearwireは5月7日、全米規模として初のモバイルWiMAXネットワークを敷設するため145億ドルという巨額の資金を投じて合弁会社を設立することを発表した(関連記事)。このSprintの投資が、同社の決算にマイナス影響を及ぼすとの判断を証券業界が下したことで、Sprint株の上昇率は週半ばにやや鈍化した。Sprintは合弁会社の筆頭株主として、約51%の株を保有する見込みだ。

 大多数の大手ITベンダーは、すでに第1四半期の決算を発表済みだが、Cisco Systemsの決算発表はようやく今週になってから行われた。同社の決算は、売上高こそ前年同期比10%増の98億ドルを記録したものの、主に買収その他の一時的なコストが発生したことで純利益は5.4%減の18億ドルとなった(関連記事)。しかも、売上高の伸び率は同社の長期予測である15%成長を下回っており、CEOのジョン・チェンバース(John Chambers)氏は、その原因として米国経済の低迷を挙げた。

 ここ最近、ITベンダーの収益は全体的に堅調に推移しているが、ITバイヤーにはまだ買い控えのムードが残っていると言える。

(Marc Ferranti/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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