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【インタビュー】
目指すは、CRMの“デファクト・スタンダード”
注目の国産SaaSベンダー、 シナジーマーケティングのトップが語る戦略と展望
(2008年07月01日)
現在、SaaS(Software as a Service)モデルに対する注目度とニーズが高まり、同市場での競争も激化してきた。そうした市場にあって、堅調にビジネスを推移させている国産SaaSベンダーの1社が、シナジーマーケティングだ。ここでは、同社の代表取締役である谷井等氏に、今後の戦略と展望を聞く。
Computerworld.jp
事業の始まりはメール・メディア
| 躍進する国産SaaSベンダー、シナジーマーケティングの代表取締役、谷井等氏 |
シナジーマーケティングは、SaaSはもとより、ASPやCRMという用語がまだ広く知られていないころから、CRMシステムのASP事業に乗り出し、ビジネスを拡大させてきた。
今日では、統合顧客管理システム「Synergy!(シナジー)」を軸に、SaaS/CRMのビジネスを展開し、昨年、大阪証券取引所 ニッポン・ニュー・マーケット「ヘラクレス」への上場も果たしている。
その代表取締役である谷井氏は、編集部のインタビューに応え、自社の戦略と展望についてきたんなく語ってくれた。
――まずは、SaaS/ASPビジネスに乗り出した経緯からお聞きしたい。
私が最初に立ち上げた会社は、いわゆるB2C(企業対顧客)型のメーリング・リストの運営会社だった。幸いなことに、その事業を展開していく中で、メーリング・リストのユーザー数が日本最大規模となり、2000年初めごろには30万ユーザー、その年の6月末には、80万ユーザーを擁するまでになった。
ただし、ちょうどそのころ、当社を取り巻く業界・環境の変化が激しくなり、われわれも、いったん楽天に会社を売却するという決断を下した。そして、この直後に、楽天による一部出資を改めて仰ぎ、メール・マーケティング・システムの開発・提供を行うインデックスデジタルという会社を(2000年9月に)立ち上げた。
そこから、シナジーマーケティングの今の事業――つまり、CRM/SaaS(ASP)事業がスタートを切ることになった。
――CRMのシステムをSaaS(ASP)のサービスとして提供し始めたのはいつのことか。
われわれが、Synergy!の最初のバーションをリリースしたのは2005年6月のことだ。
ただし、実のところ、2000年9月の時点で、すでにデータベースと連動するメール配信システムを開発し、ASPのサービスとして提供していた。つまり、Synergy!を発売するまでは、このシステムの販売を続けていたのだ。
――そのシステムがどう発展し、Synergy!へつながったのか。
このシステムは、いわゆる一般的なメール配信の仕組みだったが、その提供を続ける中で、顧客ニーズがさまざまな変化していった。
例えば、大半の顧客は当初、メール・マガジン(以下、メルマガ)を配信するだけで満足していたが、そのうちに、「自分たちのメールがだれに読まれているかをきちんと把握したい」と考えるようになった。また、2001年ごろには、メルマガ配信の効果を知りたいというニーズが生まれ、メール配信システムに効果測定の機能を求めるようになった。
さらに、次なる要求として浮上してきたのが、メール配信のスピードアップだ。というのも、当時、モバイル機器(ケータイ電話)へのメール配信に企業の関心が集まり始めたからだ。それに伴って、例えば、10数万人規模の顧客に向けて、一挙に、かつ、すみやかにメールを配信したいというニーズや、特定の日時にメールを確実に届けたいというニーズが高まり、メール配信速度に対する要求も、みるみるシビアになっていった。
われわれは、このような顧客ニーズの変化に応じて、システムの強化を段階的に図っていったが、その過程で、「メルマガだけではなく、顧客との間でやり取りされる、さまざまなコミュニケーションと情報とをひも付けしたい」というニーズが大きくなり始めた。
そうした要求が、今日のSynergy!の概念をかたち作ったと言える。
――その概念について、もう少し具体的に聞かせてほしい。
それは、「1つのデータベースを通じて、いくつものコミュニケーションを成立させる」というものだ。この概念の下、Synergy!では現在、データベースを軸に、「メール配信」と「アンケート」、「モバイル」、および「(各種問い合わせの)受け付け管理」という4つの機能を提供している。
今日、企業のマーケティング活動やCRM活動を見ると、顧客との各種コミュニケーションや、それを通じて収集された情報が、各担当部門内で完結してしまっているケースが少なくないように思える。
例えば、メルマガ配信はメール戦略/Web戦略の専任部署が担当し、商品に対する顧客の声はコールセンターが収集する。また、顧客調査は経営企画が行い、販促キャンペーンはマーケティング部門が遂行する。そして、それぞれの情報は、各担当部門内には蓄積されていくが、それらの集約・共有化(部門横断的な共有化)はほとんど行われていない――そうした状況が、多くの企業に見受けられるのだ。
われわれは、顧客とのコミュニケーションを通じて得られた情報は、極力1個所に集め、活用したほうが、よりスピーディで、的確なマーケティングが行えると確信している。その持論に沿って作られたのが、Synergy!であるというわけだ。



