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【解説】
ストレージ市場で台頭する「コンテンツ・デポ」――高まる大規模リポジトリへのニーズ

Amazon.comやFacebookなどが相次いで構築

(2008年10月10日)

データの爆発的増加や情報デジタル化の進行を背景に、デジタル・コンテンツの保管・配布用ストレージとして「content depots(コンテンツ・デポ)」の利用が広がりつつある。SANやNASといったトレンドに逆行しているにもかかわらず、ペタバイトを優に超える規模の大きさゆえに、この種のストレージ・リポジトリは市場でも無視できない存在になっている。

Kathleen Lau
Computerworldカナダ版

 コンテンツ・デポが見受けられるようになったのは、今から2年ほど前である。SAN(Storage Area Networks)やNAS(Network Attached Storage)への移行が進む一方で、そうしたメガトレンドに逆行する直接接続型の大容量ストレージが見られるようになった。米国の調査会社IDCのストレージ・システム調査担当バイスプレジデント、リチャード・ヴィラーズ(Richard Villars)氏によると、こうしたコンテンツ・デポは、Amazon.comやFacebook、MySpace、AOLなど規模の大きい企業によって構築されているという。

 「突然、それまでは古いアーキテクチャだと思われていたストレージ製品に対する需要が大幅に急騰した」(ヴィラーズ氏)。その結果、5年前には存在していなかったコンテンツ・デポの市場が出現したと、同氏は語る。

生成・取り込み・複製される情報量の比較(2006年および2010年)。企業保有のデータ量は今後、飛躍的に増加すると見られる

 当初は1ペタバイト(PB)程度の容量が、やがて何十ペタバイト、さらには何百ペタバイトにも達するコンテンツ・デポは、オンライン・トランザクション処理で扱われるようなデータではなく、画像や動画、レコードといったファイル・ベースのデータを格納するのに使用される。

 また、大量の地震データの格納や、ライフサイエンス分野でゲノム・データやタンパク質のアミノ酸配列情報などの格納用に導入されることもある。「コンテンツ・デポは、大量のデータを長期にわたり収集・保管したい企業に好まれている」(ヴィラーズ氏)

 コンテンツ・デポを利用する企業は増加の一途をたどっている。これは、オンライン配信アプローチが増えていることも一因だ。データの爆発的増加や情報デジタル化の進行が、コンテンツ・デポの構築を明らかに後押ししている。マスコミ系やエンターテインメント系ではデジタル・コンテンツ配信がますます増え、ビデオ配信や写真ストレージへのニーズも高まっている。

 こうした直接接続型ストレージの新たな需要に対応するべく、ストレージ・ベンダーも動き出した。「2008年になって、EMCやDell、HP、IBMといった主要ストレージ・ベンダーはこの巨大な消費モデルの存在に気づき、シェア拡大をねらっている」とヴィラーズ氏。

 もっとも、コンテンツ・デポを運用する管理者にとって、ペタバイト・クラスの巨大な直接接続型ストレージは新たな悩みの種となる可能性もある。

 ヴィラーズ氏は、コンテンツ・デポの管理で注意するべき点として、SANなどとは異なるアーキテクチャを挙げている。さらに、クラスタ・ファイルシステムに関する詳しい知識を身につけていることが必要とされるほか、基礎を成すストレージ処理の面について十分に考慮しなければならないと指摘する。

 「数百ペタバイト規模のストレージをデータセンター内で運用することが何を意味するか想像してみてほしい。電力消費、発熱と冷却、システム設計の最適化などの点で、さまざまな課題に対処していかなければならない」(ヴィラーズ氏)

(Computerworld.jp)



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