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[米国] 【IT・ゆく年くる年】
2007年のソーシャル・ネットワーキング業界を振り返る

一躍市民権を得たSNS。その成長の陰に潜む課題とは

(2007年12月27日)

 今年、ソーシャル・ネットワーキング業界ではスリリングなドラマが展開された。業界全体がビジネス・チャンスをつかんで大きく成長した一方、さまざまな問題も噴出したが、そうしたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の“光と影”を巡るいくつかの疑問は、2007年の終わりを迎えた今も解消されていない。

 もともと10代の若者から支持を得て広がったSNSだが、今ではあらゆる年齢層の心をとらえている。米国のオンライン市場調査会社Sterling Market Intelligenceのアナリスト、グレッグ・スターリング(Greg Sterling)氏は、「ソーシャル・ネットワーキングは今年、一躍市民権を得た感がある」と指摘する。

 Facebook、MySpace、LinkedIn、BeboなどのSNSサイトは、ユーザーの関心を引くさまざまなサービス、コンテンツ、アプリケーションを飛躍的に拡充できることに気づき始めた。主要なSNSが専用のプラットフォームを開設し、外部のディベロッパーが対応アプリケーションを開発できるようにしているのもそのためだ。2007年5月にアプリケーション開発プラットフォームを公開したFacebookでは、現在7,000本を超えるアプリケーションが提供されている。

 米国Gartnerのアナリスト、レイ・バルデス(Ray Valdes)氏は、「2007年の大きな出来事は、ソーシャル・プラットフォームの登場だった。これにより、閉鎖的なアプリケーションだったソーシャル・ネットワーキングが、拡張可能なプラットフォームになった。今後、サイトの進化が加速し、さまざまなユーザーや利用シナリオに対応できるようになるだろう」と語る。

 FacebookなどのSNSサイトが、異なるオンライン・サービス間で統一的な利用環境を提供するという課題を難なくクリアしているのを見て、GoogleやYahoo!、Microsoftなどの大手インターネット企業は不安を募らせている。3社とも以前から、写真、動画、ブログのホスティング・サービス、電子メールやインスタント・メッセージング(IM)といった通信サービスなどを提供してきたが、それらのサービスをFacebookのように、効率的かつ有機的に結び付ける方法をいまだに確立できていない。

 そこで、Yahoo!、Google、Microsoftの各社は、コンシューマー向けオンライン・サービスの統合を図りながら、ソーシャル・ネットワークを織り込もうと躍起になっている。例えば、Yahoo!は2007年、不振のソーシャル・ネットワーク「Yahoo! 360°」を段階的に縮小し、「Yahoo! Mash」(関連記事)と呼ばれる新しいSNSの試験運用を開始する計画を明らかにした。一方、Googleは、SNS向けの共通API「OpenSocial」(関連記事)を投入したほか、ユーザーのプロフィールを第三者に公開可能にする新サービス「Google Profile」(関連記事)を立ち上げた。Microsoftも、2億4,000万ドルでFacebook株の1.6%を取得し、同社との関係を強化している(関連記事)。

 しかしながら、検索エンジンやポータル、電子商取引サイトが提供するサービス、コンテンツの大半は、SNS上で利用することができない。今後状況が変化する可能性はあるものの、今のところSNSがエンターテインメントや目新しいサービスに注力しているのに対し、検索エンジンやポータル、電子商取引サイトは公共インフラ化への傾斜を強めているのが現状だ。

 SNS自体もさまざまな課題を抱えている。とりわけFacebookとMySpaceは、メンバー(特に10代の若者たち)の保護対策が不十分という批判を受けており、各国の法執行機関もそうした批判に注目し始めている。

 犯罪者からメンバーを守るだけでは不十分だ。例えば、Facebookは2007年、プラットフォーム開設直後にプログラムの修正を迫られた。あるディベロッパーが、開発したアプリケーションの普及をねらって組み込んだ自動プロモーション機能(一方的に電子メールを送りつけたり、押しつけがましいメッセージを表示したりするものがあった)にユーザーの批判が殺到したためだ。

 Facebookの広告プログラム「Beacon」も、関連サイト上のユーザーの行動を追跡する機能が含まれていたことにメンバーの批判が集中し、2度の修正を迫られた。これらの出来事について専門家らは、SNSがユーザーの個人情報という“金脈”を利用しようとして失敗した典型的な事例だと指摘している。ユーザーはSNS上で個人情報を共有しているからといって、サイトが自分の個人情報を第三者に提供することまで認めているわけではないのだ。

 米国CAのセキュリティ研究員で、Beaconに詳しいステファン・バーテュー(Stefan Berteau)氏は、「サイト側はユーザーのプライバシーを最大限尊重する必要がある。なぜなら、ユーザーはあくまでも『自発的に』自身の情報をサイトに提供しているからだ。したがって、共有する情報の内容や相手は、ユーザー側で選べるようになっていなければならない」と指摘している。

(Juan Carlos Perez/IDG News Service マイアミ支局)




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