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[世界]
【Gartner調査】
半導体業界が「永久」の停滞期に突入?――ガートナーが分析
市場の成長鈍化と米国経済の低迷で加速する業界再編
(2008年04月01日)
米国Gartnerのアナリスト、リチャード・ゴードン(Richard Gordon)氏はこのほど、半導体業界が世界的な停滞期に入っているとの見方を示した。しかも、これは一時的な現象ではなく、二度と急成長は見込めないかもしれないという。
Gartnerが発表した報告書によると、昨年の半導体業界における世界全体の売上高は2,739億ドルで、2006年の3.8%増にすぎなかった。毎年2ケタ成長を続けてきた業界としては明らかな鈍化だ。しかし、「半導体業界はこの低成長が今後も続くことを覚悟しなければならない」とGordon氏は指摘する。
Gordon氏は、Computerworld米国版の取材に対し、「マイナス成長よりはましだが、半導体業界の歴史から見れば、決して力強い成長とは言えない。5%にも満たない1ケタ成長では先行きは不安だ。1990年代後半の高成長はもはや過去の話。近い将来に高い成長が期待できる要素は見当たらない。このまま長期間、もしかしたら永久に低迷することも考えられる」と述べた。
問題は、PCや携帯電話のような成長の原動力となる新たな市場がないことにあるとGordon氏は指摘する。「いずれにしろ、半導体業界はこれまでと同じ市場に製品を出荷するしかない。需要だけ見れば今後も出荷数は確実に伸びるだろうが、価格に対する圧力も続くはずだ。永久に利幅の薄い成長を続けるしかないのではないかと彼らは危惧している」(同氏)
一方、半導体業界の停滞がユーザーにどのような影響を及ぼすかについて、Gartnerでは、チップが安く手に入るようになるなどのメリットを挙げている。
Gordon氏は、今後、中堅メーカーのM&A(買収・合併)が盛んに行われると予想している。「IntelやSamsung Electronicsは独力で生き残れるだけの体力があるが、中堅メーカーがそうであるかは疑問だ。AMDは判断が難しいところだが、同社はすでにコスト・ベースをかなりの部分まで整理しているし、IBMなどの大手メーカーとも提携関係にある。大々的な社内改革を断行したうえ、競争相手と言えばIntelくらいのもので、そういう意味では独特なポジションにいる。したがって、AMDが買収の標的になるとは思えない」(同氏)
半導体市場の成長鈍化と米国経済の低迷により、2007年はチップ・メーカーにとって明暗が分かれる年となった。Gartnerの調査では、3社が2ケタ成長、4社が売上減であった。
Intelの2007年の売上高は前年比10.7%増となり、Gartnerの「Top 10」リストで首位の座を守った。2006年に6位だった東芝は売上高20.8%増と過去最高の成長を達成し、IntelとSamsung Electronicsに次ぐ3位に躍り出た。
「東芝の躍進には目覚しいものがある。日本のメーカーとしてはここ2、3年で最も成長した企業だろう。東芝はソニーなどのゲーム・コンソール・メーカーに相当量を納入しており、フラッシュ市場に強い」とGordon氏は分析する。
AMDの2007年の売上高は20.9%減と振るわなかったものの、それでも業界9位にとどまった。Gordon氏は、2007年のAMDは売上高で苦しんだだけでなく、製品出荷の延期により、市場シェアとマインド・シェアにも暗い影を落としたとしている(関連記事)。「特に、ライバルのIntelが新しい45nm製造プロセスによるクアッドコア・プロセッサを出荷開始したときに延期を発表したのが痛い」(同氏)。
加えて同氏は、「AMDはハイエンド・プロセッサ市場でも競争力を大きく落とした。メインストリーム市場に製品を出荷するためには価格を引き下げるしかなかったのだ。また、チップの出荷延期だけでなく、買収したATI Technologiesをどう統合するかという問題もあった。AMDはIntelの盛り返しにも苦慮している。AMDにとって2007年はあらゆる点で厳しい年だった」と語る。
しかし、3月初旬にグラフィックス・チップ・セットを、先週には一連の新型デスクトップ・プロセッサを投入するなど(関連記事)、最近のAMDには回復の兆しが見られる。さらに、4月にはクアッドコアOpteronプロセッサ「Barcelona」(開発コード名)搭載のシステムが発売されるほか、65ワットのクアッドコア・デスクトップ・チップと3コアのデスクトップ向けチップの出荷も控えていることから、再び勢いを取り戻すかもしれない。
AMDが息を吹き返せば、AMD対Intelのチップ戦争が再燃するかもしれない、と一部のアナリストは見ている。そうなれば、チップ価格の下落とさらなる技術革新が進むため、ユーザーにとってはよいことづくめだとアナリストらは口をそろえる。
(Sharon Gaudin/Computerworld米国版)
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