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エンタープライズSaaS
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【インタビュー】
「すべてのSaaSは、やがて単体提供からスイート提供へと向かう」――ネットスイートのネルソンCEO
統合型SaaSの強みやクラウド・コンピューティングの可能性を語る
(2008年05月23日)
米国NetSuiteは、基幹業務を担うERP、営業業務や顧客管理を支援するCRM、販売・決済システムを構築するeコマースという3領域のアプリケーションをSaaS(Software as a Service)モデルで提供する「統合型SaaS」のベンダーである。今年4月には、多国籍企業のリアルタイム・ビジネス管理を可能にするアドオン製品「NetSuite OneWorld」を発表するなど、SaaSの適用領域の拡大に努めている。編集部は4月17日、米国カリフォルニア州サンマテオにあるNetSuite本社を訪れ、社長兼CEOのザック・ネルソン(Zach Nelson)氏にインタビューを行い、統合型SaaSの強みや開発環境面での競合との違い、クラウド・コンピューティングの可能性などについて聞いた。
聞き手・構成 河原 潤
本誌編集長
「C/Sアプリケーションと同様、
SaaSでもスイート提供が主流になる」
──NetSuiteは1998年にSaaS専業ベンダーとして創業し、今年で10年目となる。自社のサーバやアプリケーションの運用を外部に委ね、サービスとして利用するSaaSモデルは、ユーザー企業の間でどのぐらい浸透したのだろうか。
Nelson氏:NetSuite、あるいはSalesforce.comの成長を見てのとおり、SaaSは今や大多数のユーザー企業に受け入れられている。たいていの技術トレンドは国や地域で進展のスピードが異なるが、SaaSに関しては米国だけでなく、欧州、アジア、そして日本でも急速に浸透しつつある。日本法人は、2007年に本格的な市場参入をはたしたばかりだが、ワールドワイドで見ても非常に高い成長率で伸びている。
──ERP、CRM、eコマースの統合型SaaSがNetSuiteの最大の特徴となっている。現在のところ、SaaSでの提供が進んでいるのはCRMやeコマース、HR(人事・人材管理)などで、その領域はある程度限定されているようだ。SaaSの適用領域について、どのように見ているのか。
Nelson氏:確実に広がっていくと考えている。今から10年後には、SaaSモデルで提供されていないアプリケーション分野を見つけるほうが難しくなっているだろう。
現在の市場では、CRMやHRなどを単体提供するポイント・ソリューションとしてのSaaSが主流をなしているが、今後、流れは確実にスイートに向かっていくと見ている。当社は創業以来の基本戦略として、SaaSでスイートを展開するためにERPを提供している。
1990年代後半にクライアント/サーバ(C/S)システムの市場が進展したが、それと同様のことがSaaS市場でも起きようとしている。当時、C/S市場を牽引したのは分野ごとの単体製品だ。CRMベンダー、HRベンダー、ERPベンダーといった具合に、それぞれの分野に特化した専業ベンダーが相次いで登場した。こうしてC/S市場はプレーヤーの乱立状態となったが、市場がその後どうなったかというと、最終的には複数の分野を包括するアプリケーション・スイート製品が多く選ばれるようになっていった。つまり、SAPやOracleのようなベンダーが勝者となったわけだ。
10年前、創業にあたってわれわれは、SaaSという市場が将来行き着く究極の形は何かをじっくり考えた。その結果、SaaSこそスイートというモデルに行き着くのではないかという結論に達し、目標を定めた。そして次に、この最終的な目標を達成するのにはどうしたらよいかを検討した結果、ERPからスタートするのがベストであると判断した。ERPがバックボーンにあるスイートこそSaaS市場の最終的な勝者になる。そう信じて出発した。
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