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[世界]
SAP、製品サポート料金の段階的引き上げへ――新サポート体系への移行を促進

同社ユーザー・グループは「やむをえない」との見方

(2008年07月17日)

 ドイツのSAPは7月16日、「2009年1月1日より同社のすべての顧客をエンタープライズ・レベルのサポートに移行してもらう」として、同社製品のサポート料金の段階的な引き上げを行うと発表した。

 SAPは今年5月に新しい製品サポート体系「Enterprise Support」を発表した(関連記事)。これは、現在提供されている「Standard」サポートと「Premium」サポートに代わるもので、「1日24時間、年中無休のSLA(サービス・レベル契約)、継続的な品質チェック、ERP機能強化パッケージとサポート・パッケージの導入に関するサポート・アドバイザリや高度なサポートなどを含む」とされている。

 サポート料金の引き上げは、2012年まで段階的に実施され、最終的には、ライセンス料の22%になる予定だ。現在、ライセンス料の17%の料金を支払ってStandardサポートを利用している場合、2009年以降は18.3%に引き上げられるという。

SAPの新しい製品サポート体系「Enterprise Support」のポートフォリオ

 SAPによると、新しいEnterprise Supportに移行した顧客は、同サポートの一部の機能を今すぐに利用することができ、料金は来年1月まで現状のまま据え置かれるという。

 米国Forrester Researchのアナリスト、レイ・ワン(Ray Wang)氏は、16日に公開したリポートの中で、SAPのライバルである米国Oracleなどの動きが今回の発表の背景にあると指摘している。同氏は、SAPが中堅企業向けのSaaS型統合アプリケーション「SAP Business ByDesign」のロールアウト計画を縮小した影響も指摘する。この件についてSAPは、まず十分な収益を確保する必要性があると説明していた。

 「コスト効率の高いやり方でBusiness ByDesignを拡張することができないうえ、Business ByDesignを新しいNetWeaver 7.1プラットフォームに移行させる作業も遅れている。そのため、今後収益の伸びがあまり期待できない状況になっている」(Wang氏)。同氏によると、SAPのメンテナンス料金は、10年以上前からライセンス料の17%に据え置かれているという。

 一方、ForresterがSAPユーザーを調査したところ、多くのユーザーが基本的なサポート・サービスですらあまり利用していないことが明らかになったという。Wang氏は、「メンテナンス料金が無期限ライセンスの価値を損ねている。メンテナンス料が定価の22%になった場合、一般的な10年の保有ライフサイクルでライセンス・コストの2倍に相当する金額を支払うことになる」と指摘する。

 Wang氏は、サードパーティのメンテナンス・プロバイダーを利用することも検討するよう勧めており、SAPユーザー・グループに対しても、サポート料金の引き上げに反対するよう呼びかけている。「ユーザー・グループの真価が問われている。またユーザー・グループで指導的な立場にある人々の間でも、SAPの影響を受けている人と、エンドユーザーの立場に立とうとする人の違いが明確になるはずだ」とWang氏。

 米国SAPユーザー・グループ(ASUG)会長のマイク・オデル(Mike O'Dell)氏によると、段階的な値上げが決まったのは、ASUGのメンバーとSAPとの間で移行計画についての話し合いが行われた結果だという。建設資材メーカーのPacific Coast CompaniesのCIOでもあるO'Dell氏によると、当初SAPは、一挙にライセンス料の22%まで引き上げるつもりだったという。その一方で同氏は、サポート料金が10年以上引き上げられていないことや、製品が複雑化し、高レベルのサポートが必要になっていることなどを指摘し、料金値上げはやむをえないとの見方を示している。

(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)




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