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[米国] 【Forrester調査】
景気低迷をよそにSaaS市場が拡大

SaaSベンダーのサブスクリプション収入は2けたの伸びを記録

(2009年01月16日)

 景気後退で多くのITベンダーが打撃を受けているが、SaaS(Software as a Service)ベンダーは例外だ。Forrester Researchの調査によると、SaaSベンダーのサブスクリプション収入は2けたの伸びを示している。

 「SaaSには、景気後退に強い要素があると思う」と、ForresterのアナリストでSaaS市場を担当するレイ・ワン(Ray Wang)氏は語る。だが、同氏はその一方で、さまざまな注意点も挙げている。多くの企業はSaaSの利用を慎重に進めているが、導入規模は小さく契約期間も短期となっており、1カ月単位で契約を更新するケースもあるという。「企業は本格的な取り組みにはまだ及び腰のようだ」(同氏)

 また、SaaSベンダーのサブスクリプション収入はまだ比較的少ないために、成長率が大きく見えるという点にも注意が必要だ。例えば、Aribaの2008年第3四半期のサブスクリプション収入は、前年同期の1,880万ドルから3,260万ドルに伸び、73%増となった。同社は、支出/契約管理ソフトウェアを提供している。

 いずれにしても、Forresterが1月14日に発表したリポートによると、取り上げられた10社のほとんどは、サブスクリプション収入の伸びが40%を超えている。ERPやCRMを手がけるNetSuiteは、2008年第3四半期に収入を前年同期の2,800万ドルから4,050万ドル弱へと44%伸ばした。Salesforce.comの同四半期のサブスクリプション収入も前年同期の1億7,640万ドルから2億5,300万ドルに増加し、同程度の成長率を記録した。

 SaaSは中小企業向けというのが大方の見方だが、大企業が最大のユーザーだと、ワン氏は指摘する。例えば、シンガポールのFlextronics Internationalは2008年、30カ国で使われてきた80種類の人事システムの更改のために、WorkdayのSaaSの導入を開始している。このSaaSは、20万人の社員をサポートする。

 それでも、今のところSaaSベンダーは、特に小規模企業にアピールしているようだ。例えば、心臓病患者の健康管理を支援する社員30人のBerkeley HeartLabは今年、スケジュール管理に使っていたカスタム・アプリケーションをSaaSベンダーのTimeTrade Systemsのスケジューリング・システムに全面的に置き換えた。

 この移行の際には、カスタム・アプリケーションのデータをSaaSシステムに統合しなければならなかった。その作業は昨年1月に開始され、4月に完了した。Berkeleyのシニア・プロジェクト・マネジャー、ミット・シッター(Mitt Sitter)氏は、データ統合の際には、BerkeleyとTimeTradeのアプリケーション開発者が密接に協力し合うことが必要だったと語った。

 シッター氏は、SaaSの導入では、「契約締結前の早い段階から技術スタッフ同士で話し合ってもらい、明確な見通しを立てることが重要だ」とアドバイスする。同氏はIT担当者ではないが、社内ITシステムに詳しいユーザーがSaaSベンダーの管理を行うのは珍しいことではない。シッター氏は、重要なポイントの1つは、「ユーザーとベンダーがお互いのアプリケーションに精通すること」だと述べた。

 景気が低迷している時期に人気を呼びそうなSaaSの特徴として、企業が初期コストをかけずに新しい機能を追加導入できることが挙げられる。しかし、だからといって、SaaSの長期的なコストが低いとは限らない。

 Springs Valley Bank&Trustは、Progress Softwareとそのアプリケーション・パートナーUnicorn HROから提供され、自社で運用していたデスクトップ給与管理システムをSaaSシステムに切り替えた。

 Spring ValleyのITマネジャー、クレイグ・ブーズ(Craig Buse)氏によると、このデスクトップ給与管理システムは寿命が近づいていた。約1年前にSaaSとして給与管理システムが提供されていることを知り、それを導入したという。

 ブーズ氏は、SaaSはソフトウェアの更新やハードウェアの障害を心配しないで済むが、長期的に見ると、オンプレミス型アプリケーションより高くつくかもしれないと語った。「一般論として言えば、自社で運用するより楽な分、余計にコストがかかることになるだろう」(同氏)

(Patrick Thibodeau/Computerworld米国版)




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