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[米国]
【今週のウォール街】
2007年の注目はSaaSを巡るM&A
(2006年12月22日)
IT企業にとっては2007年も厳しい年になるだろう。ウォール街はIT企業に対する来年度の投資について“ほどほど”と予想しており、ベンダー各社はインパクトのある戦略を打ち出す必要がありそうだ。
2006年、IT企業に対する投資家の関心は高かったものの、総合的に見れば、IT市場の成長は微々たるものだった。
多くのIT企業が上場しているナスダックは今週、総合指数の大幅な下落を記録した。これは、今週初めにフィラデルフィア連邦準備銀行が発表した今年12月の製造業景気指数が、予想よりも大きく下回ったことなどが影響したと見られている。
この傾向は年明けも歯止めがかからず、来年のナスダック総合指数の初ポイントは今年1月の水準にまで下落する、というのがウォール街の一致した見方だ。
調査会社IDCのリポートによると、2007年における全世界のIT支出は前年度比で6.6%上昇する見込みだ。これは2006年の6.3%より若干高いものの、1990年代後半のITバブル期のような2ケタ台の勢いには到底及ばない。
そうしたなかでアナリストが注目しているのは、中小規模企業をターゲットにしたビジネス、特にSaaS(Software as a Service)ビジネスを手がける企業だ。
SaaSとは、サーバ上のアプリケーションにインターネット経由でアクセスする仕組みを提供するビジネス・モデルである。顧客にとっては、パッケージ・ソフトウェアを購入したりシステムをメンテナンスしたりする必要がなく、設備投資額を抑制できるのが大きな魅力だ。
IDCの調査部門担当上級副社長、フランク・ゲンス氏は、ドイツのSAPが来年SaaSに投資すると見ている。しかも、ライバルとなるオラクルやマイクロソフトよりも多額の資金をSaaSビジネスにつぎ込むと予想しているのだ。SAPが中小規模企業向けのパッケージ・ソフトウェア「Business One」をスケールダウンさせ、業務アプリケーションのホスティング・サービスの提供に注力していることが、その理由だという。
M&A、仮想化技術がキーワード
またゲンス氏は、来年も活発なM&Aが展開されると予測する。特に、SaaSベンダーの最大手であるセールスフォース・ドットコムは、グーグルのような大手競合ベンダーに買収される可能性が高いと強調する。
「仮にグーグルがセールスフォースを買収すれば、オンデマンド・アプリケーション共有サービス『AppExchange』とともに、オンライン・ソフトウェア市場を一挙に獲得できる」(ゲンス氏)
もう1つ注目したいのが、データセンターの効率化を実現するサーバ仮想化の分野だ。この分野では現在、最大手のヴイエムウェア(EMCの100%子会社)をはじめ、多数のベンダーが技術/ビジネス戦略の両面で激しい競争を繰り広げている。
なかでも、マイクロソフトの動きには要注目だ。マイクロソフトは同分野での足場を固めるべく、主力となる「Virtual Server 2005」を今年4月に無償化した。さらに、英国のIT専門調査会社であるバトラー・グループによると、「Virtuozzo」を擁するSWソフトに食指を動かしているという。
一方、PCの分野で意外だったのが、ヒューレット・パッカード(HP)が世界最大のPCサプライヤーになったことだ。多くの業界人やアナリストは、この結果を予想していなかったに違いない。ゲンス氏はHPの勝因を、「エンタープライズ分野での専門知識を生かし、コンシューマー市場を開拓した。おそらく来年もHPは首位の座に君臨するだろう」と評価している。
(マーク・フェランティ/IDG News Service ニューヨーク支局)
- 米国IDC
- http://www.idc.com/
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