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[世界]
オープンソースの「傾向と対策」──2007年の見どころはSaaSとの“共演”

(2006年12月27日)

 2006年、オープンソース・ソフトウェアは企業コンピューティングに一段と深く浸透した。その波は、もはや無視できないところまで押し寄せている。オープンソースと真剣に向き合う時期がすでに来ていると、業界関係者は口をそろえる。

オープンソースを取り巻くベンダーたち

 オープンソース業界は2007年も立ち止まることはなく、今以上にエンタープライズITや企業ビジネスと“シンクロ”する──こう語るのは、米国の調査会社ロバート・フランシス・グループのITインフラストラクチャ管理戦略担当ディレクター、マイケル・ドーチ氏だ。氏は、今後は企業ビジネスにもたらす真のメリットや既存リソースとの統合といった観点から、オープンソースを巡る議論がより活発化すると見ている。

 実際、ここ数カ月間の大きな出来事──オラクルがRed Hat Linuxのフルサポートに乗り出し、マイクロソフトはSUSE Linuxを擁するノベルと手を結んだ──は、企業コンピューティングの世界で現在起きている“変化”と決して無関係ではない。エンタープライズ市場を主戦場としている商用ソフトウェア・ベンダーが、成長期にあるオープンソース分野で地歩を固めようと躍起になっているのだ。

 また、ベンチャー・キャピタルの後押しを得た新興企業の勢いも目を見張るものがある。統合型ソフトウェア・スタックの販売・サポートを手がけるスパイクソースやオープンロジックなどには、オープンソース・ソフトウェアを自社環境に適応させたい企業が高い関心を寄せている。

 このほか、SaaS(Software as a Service)に注目が集まっていることも、オープンソース・ベンダーにとっては追い風となりそうだ。調査会社ガートナーのリサーチ・ディレクターであるニコス・ドラコス氏は、オープンソース・ソフトウェアをより身近にすることにSaaSが一役買う理由をこう語る。

 「ユーザー企業は今後、オープンソース・ソフトウェアを手に入れる間接的な手段としてSaaSに目を向けるだろう。なぜなら、オープンソースを利用するうえで最もやっかいな“導入後の管理”を排除できるからだ。彼らは、(オープンソース・ソフトウェアを)サービスとして導入する、いわゆるSugarCRM(米国SugarCRMのオンデマンド型CRMアプリケーション)モデルを採用するのではないか」

オープンソース化される商用ソフトウェア

 プロプライエタリな商用ソフトウェアをオープンソース化する動きも活発化している。例えば、自社のソフトウェアを断片的にオープンソース・コミュニティに提供してきたインタリオは、BPM(Business Process Management)スイート製品を2007年初めにオープンソース化することを明らかにした。これは、商用ソフトウェアの牙城にもオープンソース化の波が押し寄せていることの好例だと言えよう。

 もっとも、こうしたソフトウェアを導入している企業にとっては、この動きは歓迎すべきものとは言い難い。既存ソフトウェアのオープンソース化に伴い、十分なサポートが得られなくなるかもしれないからだ。

 コンサルタント会社451グループの上級アナリスト、レイバン・ザカリー氏は、サポートが得られなくなってからでは遅いと述べたうえで、次のようにアドバイスする。

 「サポート・ベンダーとの関係を断ち切れと言うわけではないが、オープンソース・ソフトウェアを採用する以上は、そのサポート問題を自力で解決できるようにすべきだ。既存のスタッフをサポート責任者として置いてもよいし、サポート・プロバイダーとの中継役を担う技術者を新たに雇用してもよい。いずれにせよ、サポートに関する責任の所在を明らかにすれば、オープンソース・ソフトウェアを管理する能力はおのずと高まるはずだ」

広がる活躍の場

 2007年も、オープンソース関連のプロジェクトが続々と立ち上がるだろう。オープンソースを武器に市場に参入するベンダーが増え、有償サポートと組み合わせたサブスクリプション・モデルを採用するベンダーも珍しくなくなるはずだ。

Ubuntu 6.10のデスクトップ画面

 もはやニッチとは言えなくなったオープンソース・ソフトウェアは、さまざまな分野へと活躍の場を広げている。例えば、仮想化の分野がそうである。オープンソース・プロジェクト「Xen」は、ヴイエムウェアやマイクロソフトなどの大手ベンダーとともに、サーバ仮想化市場を牽引する役目を果たしている。Xenは2007年、主要LinuxディストリビューションとSolarisに搭載され、いよいよ“正統技術”として出回ることになるだろう。

 また、デスクトップ向けのLinuxディストリビューションも、ここにきて注目を集めつつある。今年4月には、非営利団体のFree Standards Group(FSG)がLinuxのサーバとデスクトップの仕様を統合する計画を発表した。また、企業に人気のLinuxディストリビューション「Ubuntu」を強化し続けるウブントゥの動向も気になるところだ。

 アウトドア・スポーツ用品のオンライン販売業者であるバックカントリー・ドットコムのCTO、デーブ・ジェンキンズ氏は、「外観が刷新されたUbuntuデスクトップには大変驚かされた」と、Ubuntuの進化を喜んでいる1人だ。同氏は、Windows Vistaに厳しい目を向けるITマネジャーが増えている現状を示し、このままいけばUbuntuのシェアがより高まるのではないかと期待を寄せている。

(ジェニファー・ミアーズ/Network World 米国版)




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