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[米国]
【今週のウォール街】
SaaSを見据えた大型M&Aに投資家は好感触
(2007年03月16日)
米国シスコシステムズと米国ピツニーボウズが、3月15日にそろって大型買収を発表した。この発表は、先月27日に起こった米国株式市場の株価暴落以来、株価の激しい変動に頭を悩ませているIT投資家にとって、新たな投資の検討材料となったようだ。
米国株式市場の株価暴落の発端は、アジア市場での株価の急落だった。これにより世界中の株式市場でパニック売りが蔓延し、投資対象としてのITセクターの信頼感が揺らいでしまったのだ。
しかし、昨年から活発に行われていたM&Aは衰えを見せていない。これは、ITセクターへの根強い信頼の証だというのが観測筋の見方だ。
投資会社イノベーション・アドバイザーズのマネージング・ディレクター、エリック・ゲバイド氏は、「少なくともハイテク市場の“ホット”な分野では、今後もM&Aが活発に行われるだろう」と予測する。
ホットな分野の代表格がSaaS(Software as a Service)である。かつてSaaSは専門のベンチャー企業だけが手がける領域だったが、今では大手ベンダーがエンタープライズを対象としたSaaSを競って提供している。
シスコはオンライン会議アプリケーション・ベンダーのウェブエックス・コミュニケーションズを32億ドルで買収すると発表した。同社幹部はアナリストらとの電話会見で、「ウェブエックスが提供していたサブスクリプション・ベースの料金モデルを、シスコでも継承/拡充する」と明言した。
シスコがSaaSモデルの活用をねらっているのは明らかだ。
3月15日のウェブエックスの株価は、買収のニュースを受けて急騰し、前日比10ドル18セント高の56ドル38セントで取引を終えた。シスコ株は前日比4セント安の25ドル81セントと若干値下がりした。
しかし、シスコの株価値下がりを懸念する声は聞かれない。
大型買収は利益の希薄化につながる可能性があるため、買収発表後に買収する側の企業の株価が下がることが多い。32億ドルという買収金額の大きさを考えると、シスコの株価の下げ幅がわずかだったことは、この買収が好意的に評価されたことを示している。
一方、ピツニーボウズは、地図情報システム・ソフトウェア・ベンダーのマップインフォを4億800万ドルで買収すると発表した。この買収は、シスコによるウェブエックス買収ほど大きな金額ではない。しかしこの2件の買収は、市場の観測筋が予測するとおり、今年もM&Aが活発に行われるであろうことを示唆している。
イノベーション・アドバイザーズのマネージング・ディレクター、ブライアン・ファーラー氏は、M&A活況の背景について「ベンダーは、製品とサービスの包括的なパッケージ・ソリューションを提供する必要に迫られている」と説明する。
また15日には、スウェーデンのエリクソンが同国のビデオ・メッセージング・ベンダーであるモベオンを買収し、統合メッセージング・ソリューションの提供に取り組むことを発表した。この買収も投資家からは歓迎されているようだ。
ちなみに、15日のエリクソンのADR(米国預託証券)は、前日比5セント高の35ドル33セントでナスダック市場での取引を終えている。
(マーク・フェランティ/IDG News Service ニューヨーク支局)
- 米国シスコシステムズ
- http://www.cisco.com/
- 米国ピツニーボウズ
- http://www.pb.com/
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