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【連載】
未来的テクノロジー・ベスト10

第4回 言葉をコンピュータ言語に変換できる自然言語処理技術「Streaming Logic」

(2008年01月21日)

「Computerworld Horizon Awards」は、米国の研究機関やITベンダーのR&D部門などが、近い将来の実用化・製品化を目指して開発した最先端テクノロジーを読者に紹介すべく、2005年に創設されたものだ。本連載では、2007年度の“受賞作品”を一挙に紹介する。開発者たちのコメントから、イノベーション創出の最前線、そして企業コンピューティングの明日を感じ取っていただきたい。今回紹介するのは、人の言葉をコンピュータが理解する形に変換できる自然言語処理技術、Linguistic Agents(イスラエル)の「Streaming Logic」だ。

Drew Robb
Computerworld米国版

人の言葉をコンピュータが理解する形に変換できる自然言語処理技術
G.ho.st
Linguistic Agents(イスラエル) http://www.linguisticagents.com/

 コンピュータが日常生活の中に入り込むにつれて、人とマシンがよりスムーズに対話できる手段が必要になってくる。残念なことに、コンピュータは、人間と同じ言葉を話すわけではないのだ。

図1:Streaming Logicによる自然言語からコンピュータ用言語への変換の仕組み

 エルサレムの株式非公開会社Linguistic Agentsは、対話をより円滑にする「Streaming Logic」というテクノロジーを開発した。これは、自然言語をコンピュータが理解できる形式に変換するというもので、変換プロセスには、言語学の理論とコンピュータのプログラミング言語の両方の知識が応用されている。

 「自然言語に関する最新の言語理論を実装し、この抽象的な理論を一連の規則へと組み直すことを目指てStreaming Logicを開発した」と、Linguistic Agentsの創業者でCEOのサッソン・マーガリオット(Sasson Margaliot)氏は語る。

 Streaming Logicでは、自然言語を認識したうえで構文解析を行い、言語学者が「論理形式」と呼ぶ、文が持つ意味の規則的表現を決定する。その後、他のアプリケーションが理解できるように、XML形式に変換するというプロセスを経る。

 Margaliot氏とチーフ・サイエンティストのアレクサンドル・デミドフ(Alexandre Demidov)氏の率いるチームは、5年の歳月を費やしてStreaming Logicを開発した。昨年末にベータ版をリリースするまで、5回の失敗を経験したという。

 このテクノロジーをMargaliot氏は、検索エンジンの精度向上やオンライン広告の改良、リッチ・コンテンツを用いたWebインタフェースの開発といった分野から実用化に着手し始めている。将来的には、クエリを理解して応答するサービスや音声認識の精度向上などへの応用も考えられるという。

 「コンピュータに関する知識を持たないオンライン・ユーザーがますます増えている。だが、彼らが何語を話すとしても、データやアプリケーションとの対話は避けられないのだ」と、米国マサチューセッツ州ケンブリッジのサプライチェーン・コンサルティング企業、ChainLink ResearchのCEO、アン・グラッキン(Ann Grackin)氏は語る。

 自然言語処理は何年も前から存在するテクノロジーだが、Grackin氏によると、Streaming Logicのユニークな点は、単語同士の関係を分析して論理形式を決定する方法にあるという。その方法のおかげで、論理形式とそれが持つ意味を、話者がどの言語で話している場合でも同じものにできる。「言語構造に着目すれば、ある言語から別の言語に移植することが可能になる」と同氏。Linguistic Agentsは、意味データベースを拡張して、言語を追加することを計画しているという。

 今後、Streaming Logicは、ビジネス・インテリジェンス(BI)やERPといったアプリケーションにも組み込まれることになるだろう。自然言語をコンピュータ用の言語に変換するこのソフトウェアは、ユーザーが使う単語を事前に定義するための作業時間を減らせることから、アプリケーション開発の簡素化に役立つはずだ。

 「そろそろ、より直感的にソフトウェアと対話できるようにする時期に来ている。直感的な方法として、自然言語よりもふさわしいものがあるだろうか」とMargaliot氏は問いかける。



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