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[米国]
マイクロソフト、Vistaの仮想化ソフトへの制限を緩和
ライセンス契約を変更し、反トラスト問題に対処
(2008年03月11日)
Microsoftが独占禁止法監督機関に申し立てられた訴えを受け、Windows Vistaの最も人気のあるエディションを仮想マシン上で動かせないように制限していた規則を削除したことが、裁判所文書から明らかになった。
米国地方裁判所のコリーン・コラー・コートリー(Colleen Kollar-Kotelly)判事が受理した現状報告書によると、Microsoftはカリフォルニア州ミルピタスの大手BIOSメーカー、Phoenix Technologiesの要求に従い、Windows VistaのHome BasicおよびHome Premiumエディションのエンドユーザー・ライセンス契約(EULA)を変更したという。Phoenixは2007年11月初頭以降、MicrosoftはVistaの低価格版を仮想化に対応させるべきと主張し、規制機関に訴えを申し立てていた。
Kollar-Kotelly判事に提出された共同現状報告書には、「この訴えは、Windows Vistaの低価格版(Home BasicおよびHome Premium)が仮想化ソフトウェア上で動作しないように制限したMicrosoftのEULAを問題にしている」と記されていた。Kollar-Kotelly判事は、2002年に反トラスト機関とMicrosoftの和解を監督した人物でもある。
また、同報告書には、次のような一文も記されていた。「Phoenixは、MicrosoftのEULAが設けている制限によって、OEMがPCの新製品にPhoenix製品を搭載したり、消費者がPhoenixおよび他社の仮想化ソフトウェアを使用したりする自由が損なわれる可能性に対し、異義を申し立てる」
Phoenixの仮想化製品とは、同社が2007年11月にリリースした「HyperSpace」のことだ。HyperSpaceは、コンピュータのBIOSに埋め込んだLinuxベースのハイパーバイザを利用し、Windowsを起動せずにコンピュータがオープンソース・ソフトウェアを動作させられるようにする技術である。
Phoenixは当初、PCメーカーはHyperSpaceを活用して、セキュリティ・ツールや電子メール・クライアント、Webブラウザなど、瞬時に立ち上がるアプリケーションを自社製品に追加できると喧伝していた。また、ユーザーにとっても、こうしたアプリケーションを即座に使えるようになることや、ノートPCではWindowsを起動させるのに必要なバッテリを節約できることなどがメリットになるとしていた。
Phoenixが訴えを起こしてから約2カ月後、Microsoftは譲歩の姿勢を示した。「原告となる州および技術委員会と論じ合った結果、MicrosoftはEULAの制限を撤廃することに合意し、これを実行した」と、現状報告書には書かれている。
確かにMicrosoftは、同報告書の発表より数週間早い1月22日、Windows VistaのHome BasicおよびHome Premiumエディションに仮想化関連の変更を加えたことを明らかにしていた。このとき同社の関係者は、Microsoftが両エディションを仮想化許可リストに入れた理由を説明しなかった。
Windows製品マネジメント担当ゼネラル・マネージャーのシャネン・ベッチャー(Shanen Boettcher)氏は、Vistaチーム用ブログの1月22日の書き込みにおいて、新たな規則について言及していた。「今回、Windows Vista Home Basicの仮想化に手を加えたように、こうした権限をさらに拡大し、Windows Vistaの全バージョンで仮想化が可能になるようにしていくつもりだ」(Boettcher氏)
Microsoftは2007年6月に一度、Windows Vistaの仮想化権限を緩和する寸前まで行きながら、土壇場になってこれを取り止めた過去がある。その理由を問いただされた同社は、PR会社を通じて、「仮想化ポリシーを再検討したうえで、当初のポリシーを維持することにした」という声明を発表している。
しかしながら、同社は結局、2008年1月にEULAを更新する必要に迫られた。以降、Windows Vistaのいずれのバージョンにおいても、仮想化を妨げる技術的問題が発生したことはない。
なお、今回の異議申し立てとVistaの仮想化に対する変更に関して、Phoenix およびMicrosoftのコメントはまだ得られていない。
(Gregg Keizer/Computerworld米国版)
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