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[米国]
EPA、データセンター電力消費の指標となるベンチマークを提供へ

「5年間で米国内データセンターの電力消費量は倍増」に対する施策

(2008年03月25日)

 データセンターの消費エネルギーはまだ危機的状況と言うほどではないが、米国環境保護庁(EPA)にとってそろそろ対策を講じなければならない時期に来ていることは確かだ。EPAは先週、企業のITマネジャーが自社データセンターの電力消費の状況を他社のものと比較するためのベンチマーク・プログラムを開発中であると発表した。
 

データセンターの“建設ラッシュ”が電力消費量の急増をもたらす

 一昔前まで、データセンターの一番人気と言えば、低価格で入れ替えや増設が簡単なx86ベースの、いわゆるPCサーバだった。しかし、これらサーバの設置スペースと電力消費が増加の一途をたどり、今やIT部門の頭痛の種となっている。

 EPAの話では、データセンターの効率改善による経費節減効果は絶大で、米国のデータセンターが今後2、3年で消費するエネルギーを10%削減するだけでも、年間100万世帯分のエネルギーを節約できるという。また、これだけ削減すれば温暖化ガスを減らすことができるうえ、業界全体のITコストも年間約7億4,000万ドル節約されるとのことだ。

 大企業および中規模企業は、2、3年以内にデータセンターのキャパシティを大幅に増やす意向であり、マシンの整理統合やスペースの有効利用が急務となっている。EPAのプロジェクトにはこうした懸念を解消する狙いがある。

 複数の独立機関の調査では、大企業/中規模企業のうち、「2、3年以内に新たなデータセンターを建設する、あるいは既存のデータセンターを拡張する予定」と回答した割合は3分の1から3分の2以上に達している。例えば、データセンター管理者の団体AFCOM(Association For Data Center Network&Enterprise system Management)が2005年に実施した調査では、会員3,000名のうち60%以上が、今後10年以内にデータセンターを拡張する予定だと回答している。

 EPAは2007年、この“建設ラッシュ”により、今後5年間で米国のデータセンターにおける電力消費量は倍増するとの見通しを発表した。同庁は2年後に新たなベンチマークを完成させる予定であり、すでに約100社の企業が、電力消費に関する“生のデータ”など、所定の情報を提供することに合意しているという。

 米国サンフランシスコのデータセンター事業者365 Mainでマーケティング戦略担当バイスプレジデントを務めるマイルス・ケリー(Miles Kelly)氏によると、同社は、EPAに6カ所のデータセンターの運営情報を提供することですでに合意に達したそうだ。「当社のデータセンターはホスティング会社や通信事業者など数百の大企業に利用されている。データセンターのエネルギー消費をもっと正確に把握できればというのがわれわれの願いだ。(365 Mainのデータセンター効率を同様の施設と比較することで)より的確で間違いのない判断を下せるはずだ」とKelly氏。

 企業に対して省エネ製品の採用を促すEPAの「Energy Starプログラム」を担当するマイク・ザッツ(Mike Zatz)氏は、データセンターを比較するための一般的な手法がまだないことから、EPAはプログラムをゼロから構築することになるだろうと言う。「業界が本当に求めているのは、データセンターからの出力当たりのエネルギー使用量、つまり、“実質的な仕事量(useful work)”を測定することだ」とZatz氏。ただし、「この“実質な仕事量”の定義については、業界でも統一見解に至っていない」とのことだ。
 

データセンターの“格付け”もベンチマークの評価基準に

 なお、EPAのベンチマーク・プロジェクトには、パフォーマンスとアップタイムを基準に各データセンターをランク付けする米国のコンサルティング会社、Uptime Instituteのデータが使われる予定だ。Uptimeの創設者でエグゼクティブ・ディレクターを務めるケン・ブリル(Ken Brill)氏は、EPAのプロジェクトにより、データセンターのベンチマークが確立され、その必要性に対する意識も高まるとして「素晴らしいプロジェクトだ」と絶賛する。

 とはいえ、データセンターによって情報収集の方法に「かなりバラツキがある」ことから、EPAのベンチマーク・データが多くの企業にとって具体性に欠けることもありうる、と同氏は懸念の言葉も添えた。

 一方、データセンター事業者のエネルギー消費削減に向け、新たな製品やサービスを開発中のベンダーもある。例えば、米国Hewlett-Packard(HP)は先週、AMDの新しいクアッドコアOpteronプロセッサ「Barcelona」(開発コード名)を搭載する8ソケットのx86サーバを製造する計画を明らかにした。これは、サーバが際限なく増えていくのに対処するための整理統合プラットフォームとして使えるという。HPは、2月にIT系の施設設計会社、EYP Mission Critical Facilitiesを買収したことで、ITマネジャーがよりエネルギー効率の高いデータセンターを設計するための手助けができるとも期待している。

 また、先月にはIBMも、同社のメインフレーム最新機種「System z10」を用いれば、数百台のx86サーバを整理統合できると力説した。

(Patrick Thibodeau/Computerworld米国版)




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