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【解説】
「仮想化導入のデメリット=運用管理の煩雑化」にどう立ち向かうか

「マルチベンダー仮想化環境」管理のポイントを専門家が指南

(2008年07月01日)

仮想化管理のエキスパートが説く、7つのポイント

 「Virtual Essentials」を核とする仮想化環境のための管理ツールを提供しているFortisphereは、管理ツールの利用に関するアドバイスを顧客に授けるだけにとどまらず、特に仮想化プラットフォームが混在するマルチベンダー環境で発生しがちな運用管理とセキュリティのリスクへの対処に力を入れているベンダーだ。以下で、Suit氏が説く、既存のマルチベンダー環境に仮想化を導入する際の7つの注意事項を見ていくことにしよう。

1. 数あるマルチプラットフォーム/マルチOS対応製品の中から、自社にとって必要な機能に照らしてベストの製品を選定する

 「サーバ仮想化にはVMwareを使用するが、Citrix Systemsの製品を用いてデスクトップ仮想化も実現したい」「依然としてMicrosoft製品が必要だが、いくつかのシステムではそうでなくてもかまわない」――Suit氏は、こうした各社ごとの事情を念頭に置いて、最もふさわしい製品を選定することがCIOの任務だと語っている。

2. 導入済み/導入予定の仮想化管理ツールが、少なくともVMware、Microsoft、Citrixという主要プラットフォームをすべてサポートしているかどうかを確認する

 自社で利用中の、あるいは採用を決めたツールが、マルチプラットフォームに対応するのをただ待っているだけでは、自社における仮想化技術の導入が滞り、ITスタッフ間の軋轢をも生み出しかねない、とSuit氏は警告する。
 「特にVMwareプラットフォームを長く利用してきた顧客は、それ以外のあらゆるプラットフォームにおいても、管理機能に移動性や携帯性の高さ、さらには系統の一致などを期待している」とSuit氏。だが現実には、一部の管理ツールはそうした期待を満たすことができない。少なくとも、3大プラットフォームをなるべく早急にサポートするよう、自身からベンダーに対して働きかけたほうがよい、と同氏はアドバイスを送る。

3. 仮想化プラットフォームの選定をめぐる“政治的問題”の勃発に備える

 ここで言う政治的問題とは、ITスタッフ間の勢力争いを指しており、CIO米国版が実施した仮想化に関するユーザー調査でも、解決すべき問題のトップ3に入った。Suit氏は、「ITスタッフの業務は領域が明確に分かれており、ごく当たり前の状況だ」と話す。複数のベンダーの技術が天秤にかけられたとき、スタッフは競争心をあおられたり、自分の専門知識や担当領域が危機にさらされていると感じてしまったりするおそれがあるというのだ。
 「各スタッフが専従している業務をきちんと理解しておくことが大切だ」とSuit氏。同氏によると、最近は特に、ストレージ仮想化技術が進化し、管理ツールから仮想化のクローニングやマイグレーションなどのタスクを容易に実行できるようになりつつあることで、ストレージの周辺領域が政治的問題の火種になるケースが増えてきているという。

4. 自社の状況や事情に応じて、仮想化プラットフォームの集約や移行も検討する

 Suit氏は、異なるベンダーの異なる仮想化プラットフォームが併用されることで、さまざまなタイプのVMが次々に生成されるという状態を、「助長」すると同時に「抑制」する重要性も論じている。すなわち、状況によっては仮想化プラットフォームの集約や移行を決断しなければならないということだ。具体的には、「Microsoftの仮想化環境に備わるディザスタ・リカバリ機能は、(少なくとも現時点では)VMwareの同様の機能ほど性能がよくないため、Hyper-VをVMwareに移行させるといった策が必要になるかもしれない」(同氏)という。

5. 複数のタイプのVMの各動作状況を常時監視できるようにする

 例えば、VMware、Microsoft、Citrixの仮想化プラットフォームをまたいでVMを配備している場合は、相互依存関係にあるVMが、ヘテロジニアスな環境の中でどういった影響を及ぼし合っているのかを把握しなければならないという。Suit氏は、「VMの動きに目を配り、確実な同期化を図ること」は注意を促している。あるVMが、ほかのVMのパフォーマンスやセキュリティに影響をおよぼすことは十分ありうるからだ。また、VM間の設定がばらばらだと、開発者が不必要なデータにまでアクセスし、維持していたセキュリティが損なわれる事態に発展するおそれもある、と同氏は警告する。

6. VMの系統を適切に管理する

 「このVMはいったいどこから生成されたものなのか」と戸惑った経験はないだろうか。ベンダーが混在する環境において、このような各VMの系統にまつわる疑問を解決するのは実に困難だ。Suit氏は、XenまたはHyper-Vプラットフォーム上にみずからのクローンを持つVMwareをマスタ・テンプレートとする方法を推奨している。ソフトウェアにパッチを当て、マスタVMにその他の変更を加えるのと同じく、これらのテンプレートを最新状態に保つようにするのだ。
 VMの系統が重要なのはなぜか。金融サービスなど規制の厳しい業界では、VMのクローンもコンプライアンス(法令順守)に従わねばならない場合がある。「マルチベンダー環境においては、ハイパーバイザの違いがそうしたコンプライアンス条件に影響を及ぼすおそれがある」とSuit氏は指摘する。例えば、ポートおよびAPIの設定によって、コンプライアンスの条件は変動することがある。

7. OVF規格を活用して、VMを標準化する

 Suit氏によると、VMのプラットフォームを移行する際には、Open Virtualization Format(OVF)規格を利用するのが便利だという。現在、業界標準として策定が進められているOVFは、プラットフォーム間でのVM移動を実現するオープンな規格である。OVFを採用すれば、VMの移行作業が容易になるばかりか、複数のハイパーバイザが混在する仮想化環境においてもVMのパフォーマンス・テストを実施できると、Suit氏は説明する。

(Computerworld.jp)


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