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【解説】
着手する前に知っておきたいグリーンITの基礎知識

FAQと米国企業の先進事例に学ぶ

(2008年08月14日)

データセンターにおけるエネルギー効率化は、半導体レベルだけや施設面だけといった部分的な対策では実現できない。総合的な対策の中から、自社にとって最適なものを見極め、選択していくことが重要である。本稿では、米国の先進企業が自社のデータセンター運用の中から得たデータセンター省エネ化のベスト・プラクティスを紹介しながら、グリーンITの基礎知識をFAQ形式で整理してみたい。

Robert L. Mitchell
Computerworld米国版

グリーンIT計画策定に役立つ4つのFAQ

 環境に配慮したグリーンIT(グリーン・コンピューティング)が大きな注目を集めている。だが、現在提唱されているすべてのアイデアがデータセンターで実践可能なわけではない。ITサービス・プロバイダーの米国Terremark Worldwideで施設計画担当シニア・バイスプレジデントを務めるベン・スチュワート(Ben Stewart)氏は、「グリーンITで言われていることの9割はハイプ(誇大宣伝)だ」とし、太陽エネルギーや風力などを利用したグリーンITに懐疑的な姿勢を示している。だが、残りの1割は企業と環境の双方にとってメリットのあるものであり、うまくすれば、エネルギー効率の向上、温室効果ガス排出量の低減、そしてコストの削減を実現できるという。

 米国IBMのGlobal Technology Services部門担当バイスプレジデント、スティーブ・サムズ(Steve Sams)氏によれば、グリーンITのための施策を評価する方法は1つだけあるという。それは、投資に対して最大のリターンが得られるのはどの手段かを考えることだ。そこでカギとなるのは、どこから着手すべきかを理解することである。以下、グリーンIT計画の策定に役立つ4つのFAQを紹介しよう。

 
Q なぜデータセンターを「グリーン化」する必要があるのか?

A 電力不足や熱問題、設置スペースに悩まされているデータセンター・マネジャーであれば、データセンターのグリーン化を推し進める動機をすでに持っているだろうが、それ以外の多くのITマネジャーは、信頼性とパフォーマンスを最優先し、また電気料金の請求書を目にする機会もないため、グリーン化に関心を持っていない、と米国ニューヨークのデータセンター設計会社EYP Mission Critical FacilitiesのCEO、ピーター・グロス(Peter Gross)氏は指摘する。とはいえ、今後電力消費量が増え続けていけば、そうした状況も変わっていくはずだ。

 Gross氏は、「現在、データセンターの電力コストは、3年分ほどで大抵のサーバの調達コストを上回る。これは、データセンターの運用コストでは人件費に次ぐ規模であり、これほど莫大なコストに目をつぶることはできないはずだ。わたしの知るCIO(最高情報責任者)や施設管理者、CEOは皆、データセンターのエネルギー効率に懸念を抱いている」と力説する。

 「当社のCEOは、消費電力を抑えるよう盛んに呼びかけている」と語るのは、米国テキサス州サンアントニオに本拠を置くホスティング・サービス・プロバイダー、RackspaceでCTO(最高技術責任者)を務めるジョン・エンゲイツ(John Engates)氏である。同氏によると、同社のデータセンターにおける電力消費量の半分はIT処理のために使われ、残りの半分は電源装置や冷却、照明などのインフラのために使用されているという。「電力消費量を抑えることができれば、その分電力コストを減らすことができる。これも立派なビジネスだ」とEngates氏は語る。

 しかしながら、電力消費削減のROI(投資利益率)を簡単に判断することはできない。データセンターのIT担当者は通常、電気料金の請求書を目にすることがないからだ。Gross氏は、「何よりも重要なのは、データセンターの効率性を測定できる手段を用意しておくことだ」と指摘する。

 データセンター全体のエネルギー効率を把握し、規準となる指標を取得するための1つの方法が、専門家に調査を依頼することだ。Sams氏が所属するIBMのGlobal Technology Services部門でも調査を請け負っているが、その料金は、面積3万平方フィートのデータセンターの場合で5〜7万ドルほどだという。

 ただし、米国Gartnerのアナリスト、ラケシュ・クマール(Rakesh Kumar)氏は、格安な1日〜2日程度の調査でも十分に成果を上げられるとしている。「コンサルティング料金を低く抑えて、8割程度の精度の結果を得るだけでも、おおよその判断を下すことは十分可能だ」(同氏)


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