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[米国]
Microsoftの「情報公開」にオープンソース・コミュニティから失望の声
「相互運用性原則はお題目にすぎない」
(2008年02月25日)
米国Microsoftが2月21日に発表した主要ソフトウェア製品の技術情報公開は、他社製品やオープンソース・プロジェクトとの相互運用性向上に向けた新たな取り組みとして注目を集めた。しかし、オープンソース・コミュニティの一部はこの発表に失望しているようだ。「Microsoftの新しい相互運用性原則はお題目にすぎない」という声も出ている。
| 相互運用性向上に向けた新方針を発表するMicrosoft幹部。左から顧問弁護士のBrad Smith氏、CEOのSteve Ballmer氏、チーフ・ソフトウェア・アーキテクトのRay Ozzie氏 |
Microsoftは新たな取り組みの下、Windows関連製品のプロトコルとAPI(従来、これらについては、特別なライセンスでのみ情報提供が行われていた)に関する3万ページ以上のドキュメントを公開する。
Microsoftにとって今回の発表は、オープンソース開発者や競合ソフトウェア会社との関係を見直す計画の一環に当たる。Microsoftはこうした取り組みの4つのステップを「相互運用性原則」と銘打ち、同社製品の最新版とスムーズに連携するソフトウェアを、より簡単かつ安価に作成できるようにすると約束した。
プロトコルとAPIのドキュメントが公開される製品は、Windows Vista、Windows Server 2008、SQL Server 2008、Office 2007、Exchange Server 2007、Office SharePoint Server 2007と、これらのプログラムの将来のすべてのバージョンだ。
またMicrosoftは、データの移植性向上を促進すべく業界標準のサポートを強化し、オープンソース・コミュニティとより密接に連携していく計画だ。例えば、特許でカバーしているプロトコルを、「非商業的」な目的用にオープンソース開発者に無料で公開するとしている。
これらのプロトコルの実装を非商業的な目的で使用、あるいは配布する行為について、Microsoft側は特許侵害で提訴することはないと述べている。ただし、企業がMicrosoftの特許技術を商業ソフトウェア製品で使用する場合は、Microsoftからライセンスを取得する必要がある。
この「商業的利用時」の制約こそが、オープンソース・コミュニティなどが問題視している点だ。FSF(Free Software Foundation)のエグゼクティブ・ディレクター、ピーター・ブラウン(Peter Brown)氏は、こう不満をあらわにする。
「彼ら(Microsoft)は以前もこうした公約を掲げたことがある。われわれのコミュニティは、Microsoftの新方針は無益なものと認識している。同社の特許技術を自由に使えるのは、目的が非商業的な場合に限られているからだ。彼らの新たな動きは明らかに、オープンソース・ライセンスのGPL(General Public License)に基づくフリー・ソフトウェアなどの技術と、Microsoftプラットフォームとの間に壁を作ろうとするものだ」(Brown氏)
さらにBrown氏は、Microsoftの新しい「原則」を、独禁法違反で同社を追及している欧州連合(EU)へのポーズでしかないように見えると訴えた。「Microsoftの新方針は、われわれのコミュニティにとってはまやかしに見える。彼らはすべての実装を無条件で自由に使えるようにする必要がある」
米国Red Hatも、Microsoftの今回の発表を懐疑的に受け取っている。同社上級副社長兼法務責任者のマイケル・カニンガム(Michael Cunningham)氏は声明で、「以前も似たような発表があったが、それらはほとんどの場合、別の目的のために戦略的にタイミングを見計らって行われたものだった」と述べた。
Cunningham氏が言う「別の目的」とは、今週開催されるOffice Open XMLのISO(国際標準化機構)承認会議を指している。「Microsoftが本気で相互運用性の向上に取り組むのであれば、WindowsベースのOpen XMLではなく、クロスプラットフォーム性にすぐれた既存ISO標準であるOpenDocument Format(ODF)のサポートに力を注がなければならない」と同氏は続ける。
さらにCunningham氏は、世界で最も普及しているGPLと相容れないライセンスの下でプロトコル情報を提供しようとするMicrosoftの姿勢を批判した。
もっとも、Microsoftの取り組みに一定の理解を示すオープンソース支持者もいる。Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクター、ジム・ゼムリン(Jim Zemlin)氏や、Open-XchangeのCTOで元SUSE Linux CTOのジャーゲン・ゲック(Juergen Geck)氏などは、今回の動きをおおむね歓迎している。
Microsoftとしては、今回の取り組みにより、オープンソースやフリー・ソフトウェアのコミュニティと良好な関係を構築したい考えだ。Microsoftのプラットフォーム技術戦略担当ゼネラル・マネジャー、ビル・ヒルフ(Bill Hilf)氏は、次のように述べている。
「われわれは、コミュニティから求められてきたことを実行しようとしている。オープンソース開発者にとって、Microsoftに関連する真に重要な問題は、オープンソース神学者とでも呼べそうな人々が言うような、Microsoftのソースコードにアクセスすることではなく、MicrosoftのプロトコルやAPIにアクセスすることだ。今回発表した取り組みはそれを可能にする。オープンソース開発者は、われわれが製品で使っているのと同じプロトコルとAPIを使って、製品を作成できるようになる。これまでのところ、彼らの反応は非常にポジティブだ」
(Todd R. Weiss/Computerworld オンライン米国版)
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