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[米国] 【AMR調査】
企業のSOA支出は増加も、普及拡大の勢いにかげり

「SOAへの投資が今後も継続されるかどうかはわからない」とアナリストが指摘

(2008年02月26日)

 米国の調査会社AMR Researchの調べによると、2007年の1年間でSOA(サービス指向アーキテクチャ)に投資した企業の数は世界各地で倍増し、各社の年間支出額は平均約140万ドルに上ったことが明らかになった。この調査はAMRが米国、ドイツ、中国の企業405社を対象に実施したもの。

 同調査によると、SOAは現在、さまざまな業界で導入されており、プロジェクトでSOAを採用したことが少なくとも1回はあると答えた企業の割合は、小売業界が59%、流通業界が58%、電気通信業界が54%、金融サービス業界が42%だった。なお、SOAに対する支出額が最も多いのは金融サービス業界で、100万ドル以上支出している企業の割合が63%を占めた(次いで多かったのは小売業界の30%)。

 しかしながら、AMRのアナリスト、イアン・フィンドレー(Ian Findley)氏は、「2008年も数億ドルの資金がSOAに投入されるだろうが、その大半はむだに終わってしまうだろう」と述べている。調査では、ほとんどの企業がSOA投資のメリットをつかみかねているという実態が浮き彫りになっており、今後も長期にわたってSOAへの投資が継続されるかどうかは予測できないとしている。ベンダー各社はSOAについてさまざまな利点を挙げているが、ユーザー側の導入目的がはっきりしない以上、現在の勢いが持続するかどうかはわからないというのが同氏の見方だ。

 SOAに投資する動機としては、「重要な新技術の分野でITの技能を確保するため(16%)」「個々のプロジェクトの要求条件に対応できる最良の技術だから(18%)」「再利用によるITコストの節減(17%)」「コストとリスクを抑えつつシステムを迅速に変更できる(22%)」「システム・アーキテクチャを近代化できる(14%)」などが挙げられた。

 Findley氏は、SOAの利点が(論理的かつ一貫性のある形で)明確化されないかぎり、いち早くSOAを導入したユーザー(金融サービス、電気通信、政府機関など、アーキテクチャの価値を重視する傾向が強く、利点を定量化できなくてもSOAを導入する意思がある企業や団体)以外には普及が拡大しないのではないかと懸念している(小売業界もいち早くSOAを導入したが、主に統合メカニズムとして使われており、新たな導入構想も少ない)。

 また、Findley氏は、ベンダー各社がSOAの利点として強調している「コードの再利用」にも疑問を投げかけている。同氏は、「Aプロジェクトのために開発されたコードが、Bプロジェクトで使えないケースが少なくない」と指摘したうえで、「再利用という点にばかり目を奪われていると、SOAの本当の利点を見逃しかねない意」と注意を促している。

 早期導入企業の多くがSOAの実質的な利点として、俊敏性の向上を挙げているという。この文脈での「俊敏性」とは、ITへの基本的なアプローチとしてSOAを導入したことで新たなプロジェクトを迅速に進めることができるようになり、ITプロジェクトの効果がすぐに表れるようになるということを意味している。Findley氏は、「コードの再利用が可能になったことでプロジェクトがたまたま迅速化されたことではなく、SOAの導入によってもたらされたITの開発と管理全般に対する発想の転換こそが本当のメリットだ」と強調する。

 加えて同氏は、SOA導入の動機に関係なく、多くのユーザーが俊敏性の向上を認めているとしたうえで、「SOAの価値を認めないユーザーはきわめて少ない」と語っている。

(Galen Gruman/InfoWorld米国版)




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