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サーバ統合

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サーバ統合

【解説】
システム統合の着眼点と考慮点

求められるのは「ビジネスとの統合」と「アーキテクチャの統合」

(2008年08月21日)

今日、システム統合というテーマを考えるとき、「コンピュータ・システム」の統合という観点からだけでは、さまざまな要因が複合的に絡み合い発生するシステム障害のリスクを減らすことに十分に貢献することができない。求められるのは、「ビジネス・システムとの統合」「異なるアーキテクチャの統合」という観点である。本稿では、システム統合に起因するシステム障害発生について近年の国内事例と共に考察したあと、ビジネスとの統合/アーキテクチャとの統合を実践するうえで重要な考慮点を解説する。

飯島淳一
東京工業大学 大学院社会理工学研究科 経営工学専攻 教授 工学博士
経営情報学会 アドバイザリーボード 議長

情報システムの歴史はシステム障害の歴史

 本題に入る前に、まずは、2000年以降に国内で起きた主なシステム障害の事例を振り返っておきたい。

 2002年4月に発生した、みずほフィナンシャルグループにおけるATMシステム障害はメディアに大きく報じられたこともあって、まだ記憶に新しい。これは、みずほのATMオンライン・システムに障害が発生し、キャッシュカード取引の一部の取り扱いができなくなったというもので、それに伴い、現金が未払いにもかかわらず、通帳に引き落としが記載されるといった事態に陥った(注1)。

 2005年12月から2006年2月にかけては、東京証券取引所でシステム障害が連続発生して、これも話題となった。11月1日に発生したシステム・ダウン、12月8日に発生したみずほ証券誤発注へのシステム対応、そして、1月18日に発生した約定処理キャパシティ不足による取引強制停止の3件である。これらのシステム障害における技術的原因として、運用の問題、アプリケーション仕様の不備、システム・キャパシティ計画の見積もり不足などが指摘された。また、マネジメントの側面からは、技術による対応の限界や異常事態発生時に備えたルールの不在、体制整備面の不十分といった課題が浮き彫りとなった(注2)。

 また、2007年は、実にさまざまなシステム障害が発生した年だった。5月に、JR東日本、NTT東西日本、全日本空輸において大規模なネットワーク障害が立て続けに起こり、メディアやIT業界で議論が沸騰した。

 5月22日に発生したJR東日本のシステム障害は、JR券申込サービス「えきねっと」において、インターネットからの予約・変更・払い戻しの取り扱い、および、すでに予約が成立している指定券・乗車券の駅窓口や指定席券売機などでの受け取りができない状態に陥ったものである(注3)。

 5月23日に、NTT東日本とNTT西日本で発生した障害は、IP電話サービス「ひかり電話」のNTT東西間接続装置(中継系呼制御サーバ)の故障発生により、同電話サービスが東西間で接続できないというものだった。原因は、NTT東西間のひかり電話中継網における接続装置(中継系呼制御サーバ)のハードディスクを交換した際のデータ設定により、ハードディスクに格納されていた一部のデータが破壊されたためとされている(注4)。

 5月27日未明に発生した全日空のシステム障害は、予約/チェックイン・システムの障害により、国内便が多数、欠航・遅延したというもので、原因は、ネットワーク・システム内の国内旅客系ホスト・コンピュータと空港設置端末間にある通信機器が故障し、通信制御コンピュータ内に影響を及ぼしたため、ホスト・コンピュータと空港設置端末間の通信が滞る状態になったとの発表があった(注5)。

 そして、この年の7月の参議院議員選挙で、政権与党が大幅に議席を減らしたが、その原因の1つとなった社会保険庁の年金記録問題は、広い意味でのシステム障害だったと言っても過言ではないだろう。周知のように、年金記録問題の原因は単に1997年に行われた基礎年金番号への統合がうまくいかなかったことだけではない。きちんと納めたにもかかわらず台帳に記録のない事例や、紙台帳にのみ記録がありコンピュータ管理対象となっていない記録、さらにはコンピュータ管理対象とはなっているが氏名や生年月日が不明などの欠損データ、基礎年金番号導入後の記録として誤入力や欠損のあるデータ……こうしたデータに関するさまざまなミス、不具合が何重にも重なって生じた問題だ。これは、単に狭い意味での情報システムの問題ではなく、年金の取り扱いを任された組織・職員としての業務に対する姿勢にまつわる問題であったと言えよう。

 その後もシステム障害は続く。10月12日と18日には、交通系ICカードの「Suica/PASMO」に対応した自動改札機、窓口処理機でのシステム障害が発生した。これは日本信号の製造した機種において、ネガデータの読み込みプログラムにバグがあったためであった(注6)。

 このように、情報システムが大規模化、複雑化するに伴い、システム障害発生の可能性も高まり、また、ひとたび障害が発生すると、その影響は社会全体に及ぶことになる。


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