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【JavaOne 2002】
進化と成熟と――Javaテクノロジー2002
7年目を迎え、原点回帰したJavaOne
(2002年03月30日)
ゴスリング氏、JiniやリアルタイムJavaの「近況」を語る
| 写真4:サン・フェローのジェームス・ゴスリング氏は、現在自らが携わる研究開発プロジェクトについて熱く語った。 |
「それでは、Javaの発明者をここに迎えたい」というグリーン氏の呼びかけで、サンの副社長兼サン・フェロー、ジェームス・ゴスリング氏が登場した(写真4・5)。ゴスリング氏は、はじめに同氏が最近特に気に入ったJavaアプリケーションをお見せしたいと言って、Java3D技術を採用した建築設計アプリケーション「Architect's Studio」のデモを行った。
このあとゴスリング氏は、NetBeansエース・プロジェクト・リサーチャーのブース・ダニエルズ氏と、サンのForteツール部門エンジニアのデビー・マサダ氏をステージに上げ、マルチティアなWebアプリケーション開発のためのプラグインのデモを行った。
| 写真5:これも原点回帰の1つなのであろうか。恒例となったデューク・プリントTシャツの大盤振る舞いは、昨年登場した「ハイテク・マシン」(ゴスリング氏談)のキャノン砲から、伝統的なパチンコ・スタイルに戻った。 |
一連のデモが終了したあと、ゴスリング氏は、Jiniに関して、これらの技術が現在、どういった段階にあるのかを説明した。Jiniが、あらゆるデバイスが自律的に相互接続される次世代のネットワーク・アーキテクチャとして正式発表されたのは1999年1月である。つまり、その登場からは丸2年が経過していることになる。現在、ベンダー各社によってJini対応製品の開発が進められ、デモンストレーションなども公開されているが、実用化はまだ先の話のようだ。「Jiniにおいては、現在、静かなる作業が行われている。なかでも興味深いのは、同技術を分散コンピューティングに応用する取り組みである」(ゴスリング氏)
ゴスリング氏は、Jiniはネットワーク上に存在するさまざまな属性のデバイスを一体化し、それらの操作に要する労力を低減する技術であると語り、一例として、病院の手術室にあるさまざまな医療機器のJini対応化について挙げた。「現状では医師やスタッフたちが大変な手間と時間をかけて、さまざまな医療機器を接続したり設定したりすることで、やっと実際の手術や処置が可能になる。だが、もしこれらの機器がネットワーク上で自律的に相互接続され、接続の組み合わせに応じて正確に設定させるようになれば、医師らのの負担は大幅に減り、しかもミスを防ぐことができる」(ゴスリング氏)
Jiniに続いて、ゴスリング氏が取り上げたのは、リアルタイム・コンピューティング技術である。同氏はサン・ラボとJPL/NASA(NASAのジェット推進研究所)との共同プロジェクトの説明を行った。これは、宇宙航空システムに自律型のリアルタイムJava技術を応用するというものだ。「このプロジェクトは、今まではハードウェア主体だった宇宙航空技術の世界において画期的なものである。いわば、ソフトウェア技術が初めて宇宙へ飛び立ったと言えよう」(ゴスリング氏)
講演の締めとして、ゴスリング氏は、リアルタイムJava、J2EEサーバ、Webブラウザ、ワイヤレス接続、といった多くの技術を活用したデモとして、相撲ロボット「JavaNator」を披露した(写真6)。
| 写真6:ゴスリング氏は、リアルタイムJava、J2EEサーバ、Webブラウザ、ワイヤレス接続、といった多くの技術要素を活用したエンド・ツー・エンドなデモ・プログラムとして、相撲ロボット「JavaNator」を披露した |
JavaOne Topics
Javaが確立するネットワーク・アイデンティティ
リバティ・アライアンスの認証技術との組み合わせで真価を発揮するJavaカード
エンド・ツー・エンドのWebサービスを提供するうえできわめて重要となるのが、ネットワーク・アイデンティティを確立するアプローチである。サンのリッチ・グリーン氏は、JavaOneの基調講演の中で、ネットワーク・アイデンティティを実現する方法に関して言及した。「ネットワーク・アイデンティティの確立のために、われわれはJavaカードを提供している。マルチ・アプリケーション・カードであるJavaカードは、1枚で複数のサービス・プロバイダーのID情報を別々に格納することができる」(グリーン氏)
同氏によれば、1996年以来、Javaカードのライセンシーは約40社に達し、全世界で2億5,000万枚ものJavaカードが出回っているという。同氏はJavaカードの大規模事例として、米国国防総省と台湾政府の例を挙げた。国防総省は現在、430万ユーザーに対してJavaカードを利用しており、近い将来、ユーザー数を1,200万人に増やす予定という。一方、台湾政府は約2,400万枚のJavaカードを国民健康保険証として導入する予定があるという。
サンは、2001年に発足した、シングル・サインオン認証をオープンかつ統一された形で提供するプロジェクト、「リバティ・アライアンス」の中心メンバーである。同アライアンスには現在、50社以上のベンダーが参加し、約10億人のユーザーにオンライン個人認証サービスを提供している。グリーン氏は、Java技術とリバティ・アライアンスの認証技術との組み合わせが、高いセキュリティを保ちながらエンド・ツー・エンドのサービスを提供することを実証するため、個人認証のデモンストレーションを行った。
デモの内容は、米国ソニーが展開するエンターテインメント系サイト「Dreamlink」(http://www.dreamlink.sony.com/)にアクセスし、米国のヴァイオリニスト、ジョシュア・ベル氏のコンサート・チケットを、オンラインで予約、購入するというものだ。同サイトでは、J2MEのWebサービスAPIが搭載されたJavaカード対応携帯電話を利用することで、コンサート会場へ行くための航空券予約や、特典としてバックステージ・パスのプレゼントもある。また、ベル氏の屋外コンサートのストリーミング配信サービスも提供されている。
[米国]【JavaOne 2008】サン、JavaFXのロードマップを公開――JavaOne 2008が開幕

デジタルライフを一元的に結ぶRIA技術に注力する姿勢をアピール
【JavaOne 2007】RIA分野への挑戦、JRubyの進展。「オープンソースJava」の最新ベクトル


「OpenJDK」の公開でオープンソースJava計画がほぼ完了。今後の注目は新しいRIA技術「JavaFX」と「JRuby」
【JavaOne 2006】重点課題はコミュニティ、オープンソース、イノベーション――“次の10年”に向かうJavaテクノロジー


Javaジャーナリストの星暁雄氏が2006年のJavaOneで注目したトピック
【JavaOne 2005】Java生誕10周年――「これまでの10年と、これからの10年」


サンのシュワルツ氏とマクニーリ氏、JavaOneで進化過程を振り返るとともに、今後の方向性を提示



