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【JavaOne 2002】
進化と成熟と――Javaテクノロジー2002

7年目を迎え、原点回帰したJavaOne

(2002年03月30日)

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2001年に引き続き、モバイル製品の勢いが目立ったパビリオン

 ここからは、展示会場の「JavaOneパビリオン」について報告したい。今回、パビリオンには約250社のJava関連ベンダーが出展。会期中、各ブースでは、自社製品/技術のデモンストレーションや、製品担当者による説明などが行われた。なお、ホスト・ベンダーのサンは、会場中央付近にSun ONEソリューションを紹介する大きなブースを設け(その中央には最上位サーバの「Sun Fire 15K」が鎮座していた)、加えて、会場内を取り囲むようにサンの製品/技術を紹介する約80の小ブースを並べて設営していた。

 前回同様、衆目を引きつけていたのは、J2ME/Personal Java技術を採用した携帯電話機やPDAといったモバイル/ワイヤレス・デバイスを展示するハードウェア・ベンダーのブースであった。もちろん、J2EEベースの企業システムやIDEなど、JavaOneならではの展示も多数見られたのだが、色とりどりにカラーリングされたモバイル・デバイスが放つ楽しげな雰囲気に引かれる人が多いのは致し方のないところだ。以下に、主だったベンダーの出展内容を紹介する。

■シャープ
 米国シャープは、PDA「ザウルス」の最新版「Zaurus SL-5500」を会場内で特別販売し、今回のJavaOneの目玉商品として多数の来場者の人気を集めていた(写真9)。同製品は、日本国内で販売されているザウルスと筐体デザインは同一だが、中身はまったくの別物で、CPUにStrong ARMプロセッサ、OSにLinuxを搭載し、J2MEが採用されている。会場販売価格はSL-5500本体が199ドルで、無線LANアダプタが100ドル。
 なお会場では、このザウルスにプリインストールされたJXTAアプリケーションによるスタンプラリー形式のプログラミング・コンテストが実施された。そのため、会場内の至る所で同製品の液晶画面とにらめっこしながらコンテストに挑んでいる人を見かけた。

写真9:特別販売で人気を集めた米国シャープのJ2ME搭載PDA「Zaurus SL-5500」

■ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ
 スウェーデンのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、GSM(Global System for Mobile Communications)/GPRS(General Packet Radio Service)をサポートした電話/PDAハイブリッド型の携帯電話機「Sony Ericsson P800」などを展示していた(写真10)。同製品は、OSに英国シンビアンの「Symbian OS 7.0」を採用している。

写真10:ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、GSM/GPRS搭載携帯電話機「Sony Ericsson P800」を出展

■ノキア
 フィンランドのノキアは、米国での出荷が開始された1.9GHzGSM網に対応する携帯電話機「Nokia 9290 Communicator」を展示(写真11)。同社は基調講演で、同社製携帯電話機で稼働するJavaアプリケーションの開発と販売を促進するための、オンライン・サービス「ブローカー・サービス」を発表している。移動体通信(携帯電話サービス)事業者向けに設計されたこのサービスのサイトは、新しいアプリケーションを携帯電話機に取り込むプロセスを容易にするという。

写真11:フィンランドのノキアは、1.9GHzのGSM携帯電話機「Nokia 9290 Communicator」(奧の製品)などを展示

■富士通
 富士通は、ミドルウェア「INTERSTAGE」シリーズの最新版を展示。EJBコンポーネント、アプリケーション・サーバを中心に、機能のデモンストレーションを行っていた。「INTERSTAGEが米国に進出して3年が経過した。かなり認知度も上がってきたが、今後さらにアピールしていきたい」(富士通ソフトウェア事業本部アプリケーションサーバソフトウェア事業部第一開発部プロジェクト課長、畑賢氏)

■ポイントベース/NEC
 モバイル・デバイス向けデータ管理製品を提供する米国ポイントベースは、NECと共同開発したヘルスケア・ソリューションを展示していた。同ソリューションは、モバイル向けマイクロ・データベースの「PointBase」と、NECのPersonalJava搭載PDA「PocketGear MC/PG5000」を組み合わせた看護支援システムを提供する。同ソリューションを導入することにより、バーコード・リーダーを利用した患者の本人確認や、患者ごとの看護メニューや看護履歴を手元のPDAによる参照などが可能になる。「基調講演でも紹介されていたように、医療分野にJava技術を応用する動きが進んでいる。これからも伸びていく分野なので、さまざまな製品の可能性を模索していきたい」(NECソフトウェア北海道、事業開発部主任、畑雅之氏)

■ボーランド
 米国ボーランドのブースでは、IDEの最新版「JBuilder 6」の展示のほか、今回のJavaOneで初公開された、堅牢なJavaアプリケーション開発のためのテスト環境「Borland Optimizeit Suite」と、100% Pure Javaで構築されたRDBMSの最新版「JDataStore 5」のデモンストレーションが行われていた(写真12)。

写真12:米国ボーランドのブースでは、新製品「Borland Optimizeit Suite」「JDataStore 5」のデモを行っていた

■ラショナルソフトウェア
 米国ラショナルソフトウェアのブースでは、今年2月に発表された「Rational XDE Professional v2002」のデモンストレーションが人気を集めていた(写真13)。同製品は、主要なIDEを使用したコーディングとソフトウェア設計/モデリングの両作業をシームレスに実行するための開発支援ツールである。

写真13:米国ラショナルソフトウェアは、今年2月に発表された「Rational XDE Professional v2002」を公開していた

■リサーチ・イン・モーション(RIM)
 カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)は、メール端末「BlackBerry」シリーズの最新機種「BlackBerry 5810」を展示。同製品は、J2MEを搭載し、広い表示領域で視認性に優れた液晶画面と、PCタイプのキーボードを標準装備している(写真14)。BlackBerry 5810は基調講演でもデモンストレーションが行われ、このとき、BlackBerry上で稼働するJavaアプリケーションを構築するための新たなIDE(統合開発環境)が発表された。従来、BlackBerry用のアプリケーション開発に利用されてきたプログラミング言語は「C++」であった。RIMは、J2MEも利用可能にすることで、より多くの開発者を取り込み、今後、BlackBerryで利用できる企業向けアプリケーションが増加することを期待している。

写真14:リサーチ・イン・モーションは、メール端末「BlackBerry」シリーズの最新機種「BlackBerry 5810」を展示

*  *  *

 以上、基調講演と展示会を中心にリポートをお届けした。JavaやSun ONEというプラットフォームの「今」を感じ取っていただけたであろうか。さて、会期中には、「The 2002 JavaOne Conference in Japan」が、今年の9月25日から3日間の会期で、昨年と同じパシフィコ横浜で開催されるというニュースが、イベント主催する会社より届いた。昨年のJavaOne Japanでは、2002年のワールドワイド版JavaOneは、インドや中国でという話もあったので少し意外ではある。とはいえ、今年もJavaOneが日本にやってくるのは、国内のJavaディベロッパーにとっては朗報であり、目標、あるいは楽しみが1つ増えたことになろう。そして、昨年以上の成功を収めることになれば、JavaOne Japanに関しては本家版と同様、年1回開催が定着する可能性も高まる。秋の横浜が、今から楽しみである。

(月刊SunWorld 2002年6月号に掲載)


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