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[米国] 【Bernstein調査】
Vistaの法人販売不調が響く――アナリストがマイクロソフトの業績予測を下方修正

“極端な悪評”が企業でのVista導入を阻害

(2008年06月12日)

 金融調査会社の米国Sanford C. Bernsteinは6月12日、米国Microsoftの業績予測に関する調査リポートを発表した。それによると、2008年から2009年の売上高の予測が前回予測値から下方修正されている。

 調査リポートでは、最新OSであるWindows Vistaの評判が振るわず、企業によるWindows Vistaの導入が遅れている点を指摘しており、それが業績にマイナス影響を与えるとの見解を示している。

 調査リポートは、チャールズ J.ディボーナ(Charles J. Di Bona)氏、モーリーン・マーフィー(Maureen Murphy)氏、マリエル A.ハーディ(Mariel A. Hardi)氏の3名のアナリストがまとめたものだ。それによれば、Microsoftの2008年度の売上高が前回予測値から4,900万ドル、2009年度の売上高は同じく3億9,500万ドル下方修正されている。

 また純利益に関しては、2008年度が1株当たり1.91ドルで前回の予測と変わらなかったものの、2009年度が1株当たり2ドル20セントから2ドル17セントに下方修正された。

 さらに、「中小企業から大企業まで、あらゆる顧客層でVistaに対する支持率が下がっている。その結果、Vistaに関しては前回の調査で示した予測よりも、今後はさらに導入が遅れるだろう」との見通しを示している。

 Windows Vistaの導入が遅れている主な要因は、“極端な悪評”だという。特にWindows Vista Business/Ultimateの購入者は、Windows VistaからWindows XPにダウングレードするオプションがあるうえに、企業によってはWindows Vistaを飛ばして次期バージョンのWindows 7のリリースまで待つ可能性も高い。なお、調査リポートは次期バージョンのWindows 7が2010年の第2四半期に登場すると予想している。

 Windows XPへのダウングレード・オプションはMicrosoftにとって厄介な問題だ。また同社は、ユーザーからの強い要望により、Windows XPの販売期限を部分的に延長している。

 Bernsteinのリポートは、「Vistaに搭載された新機能も、今ではVista導入を決定づける理由になっていない」としており、企業はVistaにアップグレードする必要性を感じていないと説明する。

 個人アナリストであるブライアン・マッデン(Brian Madden)氏も同様の見解を示しており、「企業の立場から考えると、Vistaを使うメリットがまったく見つからない。Vistaを導入したら、売上げアップにつながるのか。答えはノーだ。さらに、Vistaは高いハードウェア要件が必要であり、移行コストが高くつく」と語った。

 Bernsteinのリポートでも、Windows Vistaのシステム要件を満たすにはデスクトップPCをアップグレードしなければならない企業もあり、こうした導入コストがWindows Vistaへの移行が進まない一因になっていると指摘している。

 さらに、Microsoftがアップグレードの決め手として宣伝していたセキュリティ面などの新機能についても評価は低い。例えば、Windows Vistaで新たに加わったセキュリティ機能「UAC(ユーザー・アカウント制御)」は、多くのユーザーがその機能に不満を持っていると報告されている。

 しかし、業績予測が下方修正された一方で、調査リポートでは、「Microsoftは既存のライバルに対して戦略的に優位に立ち続け、新たに登場する競合に対してもほぼ有利な戦いを進められるだろう」との見方を示しており、全体的な評価は高い。

 加えて2010年度の売上高予測は、前回の数字より4億2,900万ドル上方修正されている。その理由としては、2010年にリリースが予想される次期クライアントOSのWindows 7により、売上げにやや弾みがつくためとしている。なお、Microsoftは、「Windows 7の発売は2009年後半から2010年前半」と述べるのみで、正式なリリース予定日を明らかにしていない。

(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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