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[国内]
アドビ、日本語に対応した「AIR 1.1」のデモを披露
サーバとの連携を強化し、企業への本格導入も視野に
(2008年06月19日)
アドビ システムズは6月19日、記者向けの説明会を開き、今月17日から提供を開始したリッチ・インターネット・アプリケーション(RIA)の実行環境「Adobe AIR(Adobe Integrated Runtime)」の最新版である「Adobe AIR 1.1」の特徴や機能をデモを交えて紹介した。
| アドビ システムズ マーケティング本部クリエイティブソリューション部Webグループ ディベロッパーマーケティングスペシャリスト 轟啓介氏 |
AIR 1.1の特徴の1つとして挙げられたのが、日本語環境の正式サポートだ。具体的には、ユーザー・インタフェースの日本語化、日本語IMEのサポート、日本語のファイル名への対応、日本語HTMLを表示する際の日本語セットの自動判別、JavaScriptとActionScriptの間での日本語文字列の受け渡しなどに対応した。これにより、インターネットでのEC(電子商取引)クライアントやウィジェットといったコンシューマー向けのアプリケーションとしての利用のほか、業務アプリケーションや社内サービスへの適用など、企業向けのアプリケーションとしても本格導入がいっそう進むことになるという。
同社マーケティング本部のディベロッパーマーケティングスペシャリスト、轟啓介氏は、AIRの大きな特徴として、(1)インストールの容易さ、(2)ブラウザ(Webkit)/Flash/PDFなどのメディア技術が統合されていること、(3)単一ファイルをクロスプラットフォームで配布できることの3つを挙げ、使い勝手のよいリッチ・クライアント環境であることをあらためて説明した。ユーザーからの反響について同氏は、ダウンロード数が月数百万件に上っていることや、同社のWebサイト「AIRギャラリー」で公開されているアプリケーション数が27件に達したこと、4月から6月にかけて開催した「AIRコンテスト」では86作品の応募があったことなどを示し、注目を集めていると強調した。
また、企業での利用を想定して、各種サーバとの連携性が強化されたことで、RIA活用の範囲が拡大したと指摘。同社のデータ統合管理ソフトウェア「LIveCycle Data Service ES」や、そのオープンソース版「BlazeDS」、プロセス自動化ソフトウェア「LiveCycle ES」、コンテンツ配信サーバ「Flash Media Rights Management Server」などと連携させて、PDFファイルの作成や、PDFのパスワード管理、コンテンツのDRM保護/配信などが行えると説明した。
| スクウェア・エニックスのウィジェット(写真左)では製品のプロモーション・ビデオなどが視聴できる。TK-Labのウィジェット(写真右)はカレンダーやニュース・ティッカー、フラッシュ視聴などの機能を備える |
会場では、すでに商用サービスが開始されているコンシューマー向けアプリケーションとして、スクウェア・エニックス、日興アセットマネジメント、TK-Labの3社が提供する各サービスのデモが行われた。また、ビジネスでの利用例としては、ローカルにあるPDFファイルをAIRアプリケーションに引き渡すPDF管理アプリケーションのサンプルが紹介された。このアプリケーションでは、あらかじめ「1日目のみ操作を許可する」「オフラインでの操作を許可する」「閲覧のみ許可する」「パスワードを設定する」といったポリシーを設定しておくことで、ドラック&ドロップでPDFに権限を付与することができるという。
| 日興アセットマネジメントのウィジェット(写真左)。投資用のダッシュボード、資産ランキング、秘書機能などを備える。開発中のPDF管理アプリケーション(写真右)のデモでは、ドラッグ&ドロップでPDFファイルにパスワードを設定する模様が披露された |
轟氏は、「AIRによって、クライアント/サーバ・システムやWebアブリケーションでは実現困難とされていた、ユーザーにオンライン環境とオフライン環境を意識させないようなアプリケーションの作成も可能になる。また、モバイル・デバイスからデスクトップ環境まで対応するため、アブリケーションを1つ作成するだけでよく、開発効率も向上する。海外向けアプリケーションの開発もマルチ言語環境をサポートしているため容易だ」と、企業におけるAIR利用のメリットをアピールした。
| (写真上から)クラスメソッド 代表取締役社長 横田聡氏、ワンパク 代表取締役社長 クリエイティブディレクター 阿部淳也氏 |
説明会には、RIAシステム開発会社であるクラスメソッドの代表取締役社長、横田聡氏と、フロントエンドを中心にRIA開発を手がけるワンパクの代表取締役社長兼クリエイティブディレクター、阿部淳也氏も同席し、それぞれAIRアプリケーションのメリットなどについてコメントした。
横田氏は、「例えば、AIRに含まれるRDB、SQLiteを利用することで、サーバから数万行のデータをローカルに“キャッシュ”として保持させ、アプリケーションのレスポンスを高めるといった利用も可能だ」と述べた。同氏によると、実際にそうした利用を想定してAIRを検討/テストする企業が増えているという。また、阿部氏は、「従来、フロントのデザインとバックエンドのコーディングは別々に担当するケースが多かったが、AIRでは共同作業が行えるため、インタフェースの設計の自由度、柔軟性が増し、開発効率が上がった」と評価した。
なお、アドビは同日、AIRコンテスト受賞作品を発表した。大日本印刷「HitoFude AIR」が最高賞のグランプリを獲得したほか、カタマリ「JSON Editor AIR」、エスキュービズム「JUKING AIR」、セルシス「Air train」、イメージソース「webplamo 飛行艇版 デスクトップジオラマアプリケーション」が各賞を受賞した。
| RIA市場向け製品のロードマップ。2009年にはAIR新版「next AIR」、「Flash Player 10」、「Flex 3.1」が予定されている |
(齋藤公二)
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