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【解説】
「VMO」はなぜ必要か――手遅れにならないための体系的ベンダー管理

ITソーシング先との関係維持がコスト削減を成功に導く

(2008年06月09日)

厳しい契約だけでは、ITソーシング先との関係が不調になるのを防ぐことはできない。そこで必要になるのが、体系的なベンダー管理への取り組みだ。多くの場合、それは専任のVMO(ベンダー・マネジメント・オフィス)を通じて行われる。

John C. McCarthy
Computerworld米国版

 結婚前に厳しい取り決めをしても、幸せな結婚生活が保証されるわけではない。それと同じで、ハネムーンが終わり、複数年契約を結んだベンダーが必ずしも期待どおりの相手ではなかったとしても、それは別段珍しいことではない。しかし、そのことに気づいた企業は、慌てて契約書を引っぱり出し、どんな選択肢があるか調べようとする。だが、その時点で関係を立て直そうとしても、おそらく手遅れである。

 ベンダーとソーシング契約を結ぶにあたり、どの企業でもデュー・ディリジェンス(精査)を経るのが一般的だが、ベンダーとの関係を維持することについては、努力を怠ってしまいがちだ。そのため、いったん問題が持ち上がると、往々にして深刻化してしまう。多くの企業がソーシング先との関係にほとんど注意を払ってこなかったからだ。

 そこで必要なのが、体系的なベンダー管理への取り組みだ。多くの場合、それは専任のVMOを通じて行われる。

 実際、VMOを設置する企業は多数に上っている。米国の調査会社Forrester Researchが2007年に北米企業の意思決定者700人、欧州企業の同300人を対象に実施した調査では、ベンダー管理機能の拡充を予定している、あるいは重要な優先課題と位置づけていると答えた回答者が48%に達した。

 ならば、どうすればVMOの価値を経営幹部に納得させることができるのか。経営幹部は常に収益に神経をとがらせており、現在のように景気が厳しいときはなおさらだ。このため、MOへの経営陣の支持を取りつけるには、直接的および間接的なコスト削減効果を示すことが効果的だろう。

 Forresterの調査は、VMOの活動が明確な効果をもたらすことを示している。例えば、次のとおりだ。

●より効果的な需要管理により、直接的なコスト削減が可能になる
 VMOの有形のメリットのほとんどは、大量購入契約の有効活用によって得られる。この有効活用は、VMOが社内の調整を改善し、保守契約に関する徹底調査を行うことで可能になる。

 こうした管理により、不要な支出が明らかになるケースが多い。Fortune1,000企業を例にとると、ベンダーに対する支払いがIT予算の65%を占めているという。そのため、大企業はVMOの設置により、容易に1〜3%のコスト削減を達成できる。

●ガバナンス・プロセスの改善により、間接的なコスト削減が可能になる
 VMOは、要求収集、ベンダー評価、ガバナンスといった分野のプロセスを改善できる。これらのメリットは定量化しにくいが、これらによってサプライヤーのパフォーマンスが、より一貫した予測可能なものになる。

●厳密なリスク管理により、ベンダーのパフォーマンスが低いことによる業務への悪影響を最小化できる
 VMOのガバナンス上の業務には、リスク管理上の正式なITサプライヤー評価が含まれるようになってきている。こうした評価を行うことは、ベンダーのパフォーマンスが低いせいで、損失やブランド価値の低下につながる業務の停滞が発生するのを回避するうえで役立つ。

 いずれにせよ、VMOの設置は、ITの成熟度とプロセス規範の向上を進め、「アクティビスト・ソーシング」(ソーシング先に積極的な働きかけを行う)アプローチをとるうえで重要なステップとなるだろう。

 あなたの会社がVMOの価値を認めていないのであれば、社内の主要な意思決定者の後押しが得られるように、VMOがいかにコスト削減をもたらし、ITのパフォーマンスを高められるかを彼らに示すべきである。

(Computerworld.jp)




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