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【解説】
仮想化の真のメリットは、コスト削減よりも俊敏性向上

メリットを享受するには、継続的なキャパシティ・プランニングが必要

(2008年06月23日)

自社のITインフラに仮想化技術を導入した企業のCIOに、この技術の最大のメリットは何かを尋ねると、ほとんどのCIOがコスト削減効果よりも、システムの俊敏性向上を挙げる。仮想化の活用で、ビジネス部門の要望にすばやく対応できるようになるというのだ。このことは、多くのIT部門にとって大きな進歩だが、実際にビジネス部門のさまざまな要望に対応可能にするには、システムのキャパシティの再整備が必要となる。

Laurianne McLaughlin
CIO米国版

 米国の調査会社IDCのリサーチ・ディレクター、ステファン・エリオット(Stephen Elliot)氏は、仮想化を導入したシステムのキャパシティを必要に応じて随時再検討するよう、以下のように提言している。

 「IT部門の多くは、キャパシティ・プランニングが1回限りのプロジェクトであるという考え方から出発するが、実際には、仮想化技術の利用が拡大していくなかで随時実施する必要がある。現在、多くのIT部門が初期サービス契約段階でキャパシティ・プランニングの手法を利用しているが、刻々と変化する需要に対応するための手法とは認識していない。しかし、仮想化技術の基本はアプリケーション・サービスであり、この技術を活用することでITの俊敏性を向上させることが可能であるということが理解されるようになれば、状況も変わるはずだ」(Elliot氏)

 仮想化管理ソフトウェア・ベンダー、米国CiRBAの共同設立者でCTO(最高技術責任者)を務めるアンドリュー・ヒラー(Andrew Hiller)氏は、仮想化技術を導入した場合、アプリケーションの変更や物理システムのメモリ・ドレイン、新たなプロセスに起因するセキュリティ上の問題などさまざまなことが起こると指摘する。

 CiRBAは、同社が6月17日にリリースした仮想化管理ソフトの新版「Data Center Intelligence 5.0」を使えば、サーバ構成やビジネス・プロセス、実用性の問題などを考慮しながら、仮想マシンに物理マシンを統合するための方法を詳しく分析することができるとアピールする。また、新版には、チャージバック・プランニングや電力消費量の分析作業を支援する機能も備わっているという。これらの機能は、IT部門にとって今後、いっそう重要になると思われる。

CiRBAの仮想化管理ソフト「Data Center Intelligence 5.0」は、物理インフラと仮想インフラの稼働状況をグラフィカルに表示する機能を備える

 Data Center Intelligenceは、物理インフラと仮想インフラの稼働状況を可視化(メモリを多く消費するアプリケーションなどトラブルの原因となりそうな“ホットスポット”を3Dグラフィックスで表示)し、セキュリティ上の理由から専用の物理マシンを確保する必要があると思われるデータベースなどの情報を通知してくれる。また、同ソフトは、主要な仮想化ソフトやサーバ・ハードウェアについての情報を収めたデータベースにアクセスできるようになっている。例えば、特定のシステム設定で「VMware」の稼働するDell製ブレード・サーバと「LDoms」の稼働するSun製サーバを比べたり、「Hyper-V」とVMwareの両仮想化環境の自社での動作状況を比べたりすることができる。

 CiRBAのHiller氏は、「仮想マシンの構成や処理能力のトレンドを追跡したり、潜在的なリスク(セキュリティ上の問題など)を特定するだけではなく、データセンターに関する過去の情報を利用して仮想マシンの配置や管理をさらに自動化できるようにしたい」と語っている。

 ともあれ、どのような仮想化管理ソフトを導入するにしても、継続的なキャパシティ・プランニングは、IT部門にとっての最優先の課題であり、ビジネス部門の要望にすばやく対応できる体制を整えるための重要なステップと言えるだろう。




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