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【解説】
企業はIEからGoogle Chromeに乗り換えるか――最大の懸念は既存アプリとの連携

「企業のブラウザ選定はすでに終わっている」との声も

(2008年09月08日)

米国GoogleのWebブラウザ「Google Chrome」のリリースを受け、多くのIT技術者や開発者らが同ブラウザを試しているようだ。しかし、大企業のIT部門ではMicrosoftの「Internet Explorer(IE)」の需要が非常に高く、Google Chromeが企業の間で普及していくかどうかは、現時点では不透明と言わざるをえない。

Eric Lai
Computerworld米国版

根強い企業のIE支持

 米国GoogleのWebブラウザ「Google Chrome」のリリースを受け、IT技術者らはこぞってこのブラウザを試しているようだ。多くの消費者や小規模企業もあとに続きそうだ。

GoogleのWebブラウザ「Google Chrome

 しかし、大企業はChromeを気に入るだろうか。これまで大企業は、米国Mozillaの「Firefox」が人気を伸ばしても、米国Microsoftの「Internet Explorer(IE)」を頑固に支持してきた。

 おそらく、気に入るとしても、あくまで徐々にだろう。開発者は、すっきりしたデザインで、Webページのレンダリングが高速なChromeに夢中になるかもしれない。だが、Chromeをサポートするためのコードの書き直しやテストで必要になる厄介な作業は敬遠するだろう。

 「Chrome対応をテストする気になるとしたら、それは顧客が望んだ場合か、Chromeが大きな市場シェアを占めた場合に限られる。率直に言って、ビジネスのためということだ」と、Web開発者でカスタム・ソフトウェア・メーカー米国Raizlabsのオーナーでもあるグレッグ・ライズ(Greg Raiz)氏は語った。

 Chromeの企業への普及のさらに大きな障害は、ITマネジャーやCIO(最高情報責任者)だ。こうしたIT幹部にとって、Chromeが強みを持つブラウザとしての生のパフォーマンスは、多くの評価項目の1つにすぎない。

 「Chromeが、われわれの使っているすべてのアプリとうまく連携することを確認しなければならない。ビジネス価値が重要だからだ」と、英国Virgin Group傘下の小売チェーン米国Virgin Entertainment GroupでCIOを務めるロバート・フォート(Robert Fort)氏は語る。同社はIE 7やそのほかのMicrosoft製品を社内標準としており、同氏の部下の開発者は皆、Microsoftの.Net環境を使って作業を行っている。

 「私は、Googleが革新的なソリューションを提供してきた功績は認める。だが、Microsoftのほうがエンタープライズ・ベンダーとしての姿勢を強く持っている」(Fort氏)

 また同氏は、Virgin EntertainmentがChromeを正式に採用した場合、従業員の再研修やアプリケーションのテストが必要になることを懸念している。

 「Google Chromeは、IE 8ベータ2よりまちがいなく速い。だが、われわれがChromeに切り替えるとしたら、その前提は、パフォーマンスが天文学的に向上していることだ」(同氏)

 このようにIEを使い続ける姿勢は、米国Forrester Researchのアナリスト、シェリ・マクリーシュ(Sherri McLeish)氏にとって意外ではない。

 「膨大なIT部門がIEに満足している。彼らにとって、ブラウザの選択はすでに終わったことであり、彼らはほかのベンダーの製品は導入しないだろう」(McLeish氏)

 また、Googleは、ソフトウェアをテスト版の段階のまま長期にわたって提供する傾向があり、このこともITマネジャーを遠ざけている。「メディアでは非常に騒がれているが、Chromeはまだベータ版だ。そのため、企業にとっては基本的に、まだそれほど興味が持てない製品だ」(同氏)


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