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【解説】
サーバ仮想化の“不都合な真実”

システム統合のカギとなるテクノロジーだが、“落とし穴”に注意

(2008年10月02日)

乱雑に散らかったデータセンター内のハードウェアを整理し、アプリケーションのワークロード効率化を実現するサーバ仮想化が、システム統合の要の技術として、さまざまなメリットをもたらすことは周知のとおりである。しかし、そうした魅力の影には、あまり語られていない“落とし穴”が隠れている。本稿では、サーバ仮想化の実情を明らかにしながら、導入時のリスクを回避するためのポイントを探る。

Tom Kaneshige
InfoWorld米国版

あまり語られないサーバ仮想化の“真実”

 サーバ仮想化は、ハードウェアとソフトウェア(物理システムとOS)を分離し、単一の物理サーバ上で、異なるOSを実行する複数の仮想サーバをホストできるようにするものだ。この仕組みは、サーバの統合のみならず、幅広いコンピューティング環境に利益をもたらす。例えば、米国IBMは自社の3,900台のサーバを、Linuxが稼働する30台の仮想化した「System z9」メインフレームへ移行することで、電力消費量を最大80%、金額にして200万ドル以上削減できると期待している。一方、米国NetAppは343台のサーバを仮想化により177台に統合するとともに、50台のストレージ・システムを10台の新しいシステムにリプレースした。

画面1:米国Citrix Systemsのサーバ仮想化プラットフォーム「XenServer 4.1」の管理画面

 実際、現場の最前線では、サーバ仮想化の成功物語が熱く語られ、ユーザーの期待も日に日に高まっている。米国EMCの仮想化製品事業の中核である米国VMwareは、昨年夏の株式公開で10億ドル近い資金を得た。同社の仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」は、仮想化市場で最も広く認知されている製品だ。また昨年12月にサーバ仮想化ベンダーの米国XenSourceを買収した米国Citrix Systemsは、今年4月初めにサーバ仮想化プラットフォームの最新版「XenServer 4.1」をリリースした(画面1)。市場調査会社の米国Gartnerも4月に発表したリポートの中で、仮想化を「2012年までのサーバ市場における最も重要なトレンド」と位置づけている。

 米国Microsoftは、Windows Server 2008に標準搭載されるハイパーバイザ型のサーバ仮想化ソフトウェア「Hyper-V」により、仮想化市場へ本格参入する構えだ。今年6月に正式リリースされたHyper-Vは、InfoWorldテストセンターの評価委員の間でも熱い議論を巻き起こしている。チーフ・テクノロジストのトム・イェガー(Tom Yager)氏は今年2月、Hyper-Vを高く評価したが、ポール・ヴェネザ(Paul Venezia)氏はその2カ月前にテストセンター・プレビューでHyper-Vを取り上げ、実行時にロックアップが多発するとし、「製品化までには、まだ長い道のりが必要」と指摘していた。

 実際、Hyper-Vは先進的な機能を欠いたまま前倒しで市場投入された。例えば、VMwareのエンタープライズ製品に以前から組み込まれていた、稼働中の仮想マシンを物理サーバ間で移動させる「ライブ・マイグレーション」機能などは含まれていない。ただ、Hyper-VはOSの一部として“無料”で提供される。Microsoftの管理ツールの殿堂に仮想化管理機能が加わることは、多くのWindows導入企業で歓迎されるだろう。

 もっとも、マーケティング上の売り文句はさておき、サーバ仮想化は基本的にデータセンターのルック&フィールを大幅に変更するものである。実際のところ、そうした大きな変更が簡単に行えるかと言えば、答えは「ノー」だ。以下、サーバ仮想化を導入する前に知っておくべき“真実”を紹介する。


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