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[米国] 【ガートナー調査】
製薬業界のコンプライアンス対応の遅れを警告

(2006年04月14日)

 米国医師会(AMA)の新たな規制に準拠するのに必要な情報システムの変更作業が、多くの製薬会社で完了していないことが、ガートナーの調査で明らかになった。今年7月1日から施行される予定の新規制では、医師が自ら作成した処方履歴データへのアクセスを制限できるようになる。

 ガートナーが3月に発表した調査リポートには、新しい規制の施行によって、製薬会社は営業支援システムを自動化する必要に迫られるようになること、医師が処方した薬に関する詳細や処方の頻度といった情報にこれまでのようにアクセスできなくなること、などが報告されていた。

 AMAの新規制は、製薬会社の医薬品販売員(MR:医療情報担当者など)に薬の処方に関する情報を提供することを望まない医師に、「オプトアウト(情報利用の制限)」の機会を与えるものだと、ガートナーのアナリストであるデイル・ハーゲマイヤー氏は説明している。

 「自らが処方したあらゆる情報を製薬会社が把握し、それを楯に高圧的な姿勢を取っていると感じる医師が増えている」(ハーゲマイヤー氏)

 大半の製薬会社は、個々の医師が行った薬の処方に関する情報(患者を特定できないように一部変更されている)を薬局から買い上げている企業から詳細なデータを入手し、販売活動や社内マーケティングに使用している。

 新たな規制が施行されると、医師がオプトアウトを宣言したあとも、マーケティング部門は全処方情報にアクセスできるが、データを販売員や販売マネジャーと共有することはできなくなる。

 ハーゲマイヤー氏によると、AMAが2004年に実施したアンケートでは、約27%の医師が可能であればオプトアウトを実行すると回答したという。一方、今年3月にガートナーが10社の製薬会社を対象に行った非公式の調査では、7月1日の締め切り日までに新制度に対応できるとしたのは、全体のわずか20%にすぎなかった。

 新制度では、医師がオプトアウトを宣言すると、製薬会社は当該の医師に関係するさまざまな情報を、販売員が営業支援システムへアクセスを試みる前に同システムから自動的に削除する方法を用意しなくてはならない。

 「そのためには、非常に堅牢な同期化機能を実装し、データが外部へ流出しないことを検証しておく必要がある。また、同期化機能は、医薬品販売員ごとに適用されるものでなければならない」(ハーゲマイヤー氏)

 ハーゲマイヤー氏は、AMAは製薬会社のコンプライアンス状況を厳格に監視すると見ており、新たな規制を施行してもコンプライアンスが進まない場合は、規制当局が処方情報に関するより厳しい制約を課すことになるとだろう警告している。

 ガートナーでは、製薬会社の営業およびコンプライアンス部門の責任者に、次のような対策を講じ、新規制に早急に対応するよう勧告している。

●営業支援システム・ベンダーとすぐに連絡を取り、いつまでにシステムのコンプライアンス対応を実現できるのか、また、ソフトウェアのどのバージョンが対象になるのかを確認する。コンプライアンス対応を実現するうえでの最大の難関は、特定の医師の処方情報へのアクセスを制限するルールに基づいたデータ同期化機能を構築することにある。

●現在利用している営業支援システムのバージョンが新規制に対応できない場合は、すぐにアップグレード計画を立案する。

●同期化ルールがオプトアウトを実行した医師に適用されているかどうかを、できるだけ本番に近い環境でテストする。

●医薬品販売員に対し、データ利用を制限する根拠を説明し、オプトアウトを実行した医師の処方情報を一切使用できなくなることを徹底する。別の方法でデータを見つけ出して利用したり、第三者から入手したりすることもできないと、明確に伝える。

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)




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