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[米国]
新たな「電子開示」規則に企業はいかに対応すべきか

(2006年09月05日)

 米国連邦裁判所が民事訴訟で使用する書類の提出方法を定めた連邦民事訴訟規則(Federal Rules for Civil Procedures:FRCP)の改正により、米国企業は訴訟の際に新たに「電子開示(e-discovery)」を求められることになる。修正FRCPは、連邦裁判所を対象に12月1日から適用されることになっている。

 データの保持に関しては、すでに株式企業を対象としたSOX法(企業改革法)や、医療機関を対象としたHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996)をはじめとする法律によって義務化がなされているが、今回の規則変更により、バックアップ・テープやハードディスク・ドライブに蓄積されたドキュメントをより適切に分類/抽出/保管しなければならなくなる。

 州レベルでも、すでに同様の規則の一部もしくは全面的な運用が始まりつつある。例えば、カリフォルニア州、ニューハンプシャー州、メリーランド州などが電子開示規則の採用に取り組んでおり、アイダホ州では7月1日から、ニュージャージー州では9月1日から運用が始まっている。

 企業訴訟で必要になる書類の大半は電子メールだが、調査会社のラディカティ・グループでは、2006年末時点で7億9,600万ドル規模だった電子メール保管市場は、2010年までに78億ドル規模に拡大すると予測している。

 新たなテープ分類サービスを先週発表した米国ザンタズの上級コンプライアンス・アドバイザー、フランシス・ランバート氏は、バックアップ・テープを分類することで、企業は新しい電子開示規則に準拠する際の手間を省力化できると強調する。同社は、情報保持および開示管理ソフトウェア/サービスを提供している。

 ランバート氏によると、訴訟が提起された場合、訴えを起こさた企業のIT部門スタッフは、証拠開示プロセスの早い段階で、自社および相手側の弁護士と話し合いを持つ必要があり、ITの専門家は、必要な書類がどこにどのような形式で保管されているのか、さらにそれをどうやって取り出せるのかを説明できなければならないという。

 一方、ロー・アンド・エコノミクス・コンサルティング・グループのマネージング・ディレクター、クリス・ハワース氏は、新たな技術の登場により、テープの復元コストは安価になり、データの管理も容易になりつつあると述べている。同社は、コンプライアンス問題に関するアドバイスを提供する企業だ。

 同社のクライアントの中には、ストック・オプションの日付を改竄したとして、米国証券取引委員会(SEC)の捜査を受けている企業もある。ハワース氏によると、事件によっては1990年代半ばまでさかのぼる必要があり、電子メールがバックアップ・テープに保管されているケースも少なくないという。

 「以前はテープ・データの復元に1,000ドル近いコストがかかっていたが、今では数百ドルで復元できるようになった」(ハワース氏)

 裁判官には、必要書類の再生が情報提供を要請された企業に「過度の負担」を強いるという理由から、同書類の証拠採用を取り止める権利も与えられている。しかし、ハワース氏は、データ復元のコストは下がっており、「情報の開示が不可能だと主張することは、今後はきわめて困難になる」と指摘している。

 ストレージ・デバイス・メーカーのネットワーク・アプライアンスで、データ保護および復元分野を担当する副社長兼ゼネラル・マネジャー、マニッシュ・ゴーエル氏は、新たな規則の制定により、データ保護および保存のためのハード・ディスク・ストレージ・ハードウェアも売上げを伸ばす可能性があると見ている。

 同氏によると、企業ネットワークに保管されているファイルの70〜80%が、WordやPDF文書、Excelシートなどを含む構造化データであるという。ネットワーク・アプライアンスでは8月14日に、情報分類・管理システム「Information Server 1200」に対応するソフトウェア・モジュールをリリースし、非構造化データを容易に検索できるようにした。Information Server 1200は、2005年11月に提供が開始されている。

(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)




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