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サーバ・コンソリデーションの「計画ステップ」と「交渉ステップ」
綿密な計画を立てたのち、ベンダーから有利な契約条件を引き出す
(2006年09月22日)
計画を実践に移す際、有利な契約を行うための「交渉ステップ」
計画ステップを終えたら、いよいよ、サーバ・コンソリデーション・プロジェクトのRFP(Request For Proposal:見積り依頼書)を作成し、最終候補まで残ったベンダーとの交渉ステップに移ることになる。このステップを遂行するにあたってIT/IS部門は、2つの重要な準備作業を行う必要がある。その2つとは、(1)交渉チーム・メンバーの役割を明確化し、(2)ベンダーとの交渉を通して、できるだけ有利な契約に結び付ける方法を試みることである。以下で説明しよう。
(1)交渉チーム・メンバーの役割を明確化する
サーバ・コンソリデーション・プロジェクトの最終的な成否は、最良の交渉チームを結成することにかかっていると言っても過言ではない。チームの主役となるのは、CIO(最高情報責任者)、CTO(最高技術責任者)、ITマネジャー、そして購買担当マネジャーといった面々である。CIOは最終的な意思決定者、CTOやITマネジャーはベンダーの技術面での義務について監視役の役割を果たし、購買担当マネジャーは契約や財務面を含めてベンダーの販売担当者とあらゆる意思の疎通を図る必要がある(図3)。
| 図3:サーバ・コンソリデーション・プロジェクトにおける交渉チーム・メンバーの役割 |
(2)交渉を通じて、できるだけ有利な契約に結び付ける方法を試みる
サーバ・コンソリデーション・プロジェクトがベンダーとの交渉を有利に進めるうえでは、いくつかの方法がある。以下、主だったものを列記する。
■契約形態について精査したうえで、有利な条件を追求する
まず、契約を少しでも有利な条件に持っていく方法を検討する。方法はいくつかあるが、なかでも「特別入札」による価格設定は有効な手段である。そして、特別入札や一般的なボリューム・ディスカウント以外の契約形態についてもよく調べ、十分な知識を持って交渉に臨むことが肝要だ。例えば、複数年度のサブスクリプション契約や前払いオプション、キャパシティ・オンデマンド(必要なリソース分だけ支払う)やペイ・パー・ユース(使用したリソース分だけ払う)のようなユーティリティ・モデルなどである。
■ベンダーが何を優先するのかを理解する
交渉相手のベンダーが何を優先するかを理解することで、交渉がずっとスムーズになる。ベンダーがどういう顧客となら“最恵国待遇”で契約したいと思うのかを考えてみよう。例えば、カスタマー・リファレンスとして自社のプロジェクト事例を紹介されてもよいという場合、その顧客はベンダーに追加割引を求めることができるはずだ。ただし、その際には、ベンダーのカスタマー・リファレンスとして取り上げられるときの条件についてきちんと書面化しておくことを忘れてはならない。
また、交渉の過程でベンダーは、競合ベンダーの脅威を感じると譲歩してくるはずだ。どのベンダーも、新たな見込み客を顧客にするより、一度失った顧客を取り戻すほうがはるかに難しいことを知っているからである。彼らに、「競合他社に乗り換えられてしまうかもしれない」と感じさせることができれば、割引率はさらにアップする可能性が高い。
■購入する製品がモデル・ライフサイクルのどの段階にあるのかを知る
モデル・ライフサイクル末期のサーバでもよいというのなら、相当有利な条件を引き出せるだろう。ベンダーの製品ロードマップから、最高の割引率を得られるであろう時期も見えてくるはずだ。もちろん、モデル・ライフサイクルはベンダーごとに異なっており、完全な予測は難しい。ベンダーの動きを可能なかぎり探るためには、最近、交渉を終えた同業他社に話を聞きに行くといった積極的な情報収集も必要になるだろう。
■大規模案件ならではのメリットを活用する
ベンダーとの取引額が多いほど、打つ手も多くなる。大規模なサーバ・コンソリデーション・プロジェクトを計画する顧客のために、大手ベンダーは「シリコン・スルー・サービス」と呼ばれる統合型のサーバ・コンソリデーション・ソリューションを用意している。
IBMを例に取れば、同社のシリコン・スルー・サービスを構成するサーバ、ストレージ、OSおよびシステム・ソフトウェア、データベース、ミドルウェア、プロフェッショナル・サービスの各コンポーネントは、すべてにおいて手ごわい競争相手を抱えている状態だ。顧客がこれらのうち、特に競争の激しいコンポーネントを見極め、IBM以外のベンダーから購入するそぶりを見せれば、同社は大幅な値引きを提示してくるに違いない。なぜなら、IBMでは、販売部門の各チームが、「顧客の支払い可能総額」のうちどれだけを獲得できたのかを、チームの評価の判断基準の1つにしているからである。
■契約条件についてはできるかぎり早めに決めておく
契約条件に関してはできるだけ早期にまとめ上げたいものだ。交渉の中で、そのベンダーのほか、VAR(付加価値再販業者)や技術パートナー企業の参加を許可するかについても事前に決めておくべきだろう。また、プロジェクトによっては、自社とベンダーの双方が署名する秘密保持契約が必要になるケースも出てくる。
契約には、企業が信頼する顧問や他社の人間と価格について話し合うことを禁じるような条項を入れないように注意すべきである。また、プロジェクトの進捗や状況によっては、別のベンダーや技術パートナーに随意切り替えられるよう、そのことを制限するような文言を契約に盛り込まないようにする。具体的には、「書面による通知が30日前にあった場合、ベンダーとの契約を随意、打ち切ることができる」といった条項を設けることになる。
そして、最終的な意思決定は、常にプロジェクトの交渉チーム全員の判断で行うということをベンダーに明確に伝え、できれば契約に盛り込んでおきたい。
計画ステップと交渉ステップ
それぞれのポイント
以上、サーバ・コンソリデーション・プロジェクトを効果的に進めるうえで不可欠な計画ステップと交渉ステップについて解説してきた。両ステップを遂行する過程では、次に示すポイントに留意することで、プロジェクトを成功に導くことができるようになるだろう。
- 計画ステップ:自社における技術ニーズを完全に理解する
- 交渉ステップ:最適な交渉チームを結成し、戦略を練る
自社の技術ニーズを理解するためには、これまで説明したように、サーバ、ストレージ、ネットワーク、システムおよびアプリケーションのデューデリジェンスを実施し、パフォーマンス・テストの結果からプロジェクトの要件を決定するという、計画ステップの一連の作業を適切に行うことが必要になる。
そして、交渉ステップでは、何より交渉チームの手腕がものを言うことになろう。交渉チームは、各メンバーの役割やベンダーとの交渉プロセスについて全員で共有し、ベンダーの製品の特徴や位置づけ、ビジネス・モデルや製品ロードマップなどについて十分な情報収集を行ったのち、交渉戦略を立てることになる。以上、本稿で説明してきた内容が、読者のサーバ・コンソリデーション・プロジェクトにおいて参考になれば幸いである。


























