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[米国] 【コンパス調査】
ITILの効果は顕著だがROIの計測は困難

(2006年11月20日)

 ITコンサルティング会社の米国コンパスが先週発表した最新の調査では、ITIL(IT Infrastructure Library)を採用した約80社の企業のうち、3分の2がITパフォーマンスに改善が見られると感じているものの、ROI(投資回収率)を計測する効果的なツールを保有しているところはほとんどないという実態が明らかになった。

 ITILは、IT部門が業務プロセスを調整し、可能なかぎり最高のITサービス提供していくために必要な指針を示すカスタマイズ可能なフレームワークである。今回の調査を実施したコンパスは、企業がどのようにITILを取り入れ、ベスト・プラクティスの運用によってどのようなメリットがもたらされたかといったことを評価している。

 調査対象企業の80%は、ITILが提示するベスト・プラクティスを少なくとも18カ月間にわたり運用してきたが、その大半(67%)が変更によるメリットを認識している一方で、成功の度合いを測る手段を持っていると答えた割合はわずか4%にとどまっており、そうしたメリットがどのように生じたのかは明らかにならなかった。

 また、業務プロセスの変更とパフォーマンスの改善を関連づけた企業は全体の9%だったが、同4分の3の企業は、プロセスが成熟したことでパフォーマンスが向上したと回答した。

 コンパスのサービス管理事業部門担当グローバル・ディレクターのジョン・サンズベリー氏は、「ITILがITパフォーマンスを改善するという考え方は幅広い支持を得ており、いまだに採用していない組織は導入を急いでいる。だが最近になって、企業の幹部や役員が具体的な利益を積極的に求め始めたのに対し、ほとんどの企業がその基準を明示できないのが実情だ」と説明する。

 コンパスは、エバーグリーン・システムズやバルコム、オブリコア、ジーメンス・ビジネス・サービスなどの企業と同様、業務プロセス改善によるメリットを数値化する製品およびサービスを提供している。

 コンパスによれば、企業のIT部門は、ITILの業務プロセスやカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所(SEI)の「Capability Maturity Model(CMM)」が規定する詳細事項に照らすことで、明らかな進歩があったかどうかを判定できるという。

 フォレスター・リサーチの副社長を務めるチップ・グリードマン氏は、2006年6月に発表した「ITサポート・プロセスの成熟度評価:アセスメントと改善のためのロード・マップ(Assess The Maturity Of Your IT Support Processes: A Road Map For Assessment And Improvement)」と題したの報告書の中で次のように記している。

 「ITILは業務プロセスの運用方法を定めるのに使用されてきたが、CMMでは既存プロセスを基本にプロセスを再定義することが可能であり、これによって組織は、特定のプロセスを現行の形態から、ITILに完全対応したベスト・プラクティスの形態へ変更し、部分的な改善を図れる」

 そのほか、同調査は、IT幹部がITILに含まれる各プロセスをいかにとらえているかについても言及している。報告書によると、例えば、最も成熟しているプロセスと考えられているのはインシデント管理で、反対に未成熟であるとされるのがキャパシティ管理だという。これに加え、コンフィギュレーション管理も成熟度の低いプロセスの1つと認識されているようだ。

(デニス・ドゥビー/Network World 米国版)




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