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仮想化を巡る8つの課題

性能、セキュリティ、ライセンス、ストレージ……

(2007年04月24日)

【5】 仮想化スプロール

 もともと仮想化は、物理サーバを統合して電力消費や放熱を抑えるための技術だった。しかし、多くのユーザー企業が注目したのは、むしろ、仮想マシンが簡単に作成できるということ、そしてそれにより、物理デバイスを削減しながら管理可能な仮想システムを大幅に増やせるということであった。IDCのプログラム・ディレクター、ジョン・ハンフレーズ氏は、「ここで問題になるのは(仮想マシンの)スパイラル、無分別な増殖だ」と指摘する。

 「われわれはこの問題を何度も目にしている。例えば、仮想化する前には、単一のイメージを持つ500台のサーバを利用していたユーザーが、仮想化した後は、いきなり700のイメージを管理しようとするようなこともある」(ハンフレーズ氏)

 こうしたスプロール現象を回避する最良の方法は、「仮想マシンのライフサイクルを設計し、利用されていない仮想インスタンスをリカバリングすることだ」(同氏)という。

【6】 ライセンス料金体系

 マルチコア・サーバにCPUベースのライセンス料金体系を適用すると言い張る独立系ソフトウェア・ベンダーとやりあったことのある企業は、仮想環境においても同様のライセンス体系が適用されていることを知って、驚くに違いない。

 「ソフトウェア・ライセンスが(仮想化の)障壁になるかもしれない」と語るのは、ガートナーのリサーチ担当副社長、ジョン・エンク氏だ。

 「アプリケーションを大型の仮想化したサーバで実行したくても、ライセンスがマシンの物理プロセッサ・コアに対して適用される体系になっているかもしれない。そうであれば、アプリケーションを2ウェイ・サーバから4ウェイ仮想化サーバへ移行すると、ライセンス料は増加することになろう。たとえ、ソフトウェアが、仮想環境において2つのプロセッサ上でしか稼働していなくてもだ」

【7】 ストレージの増加

 仮想化技術の多くが分散x86システム上で構築されているため、集中アーキテクチャ型の仮想リソースが与えるインパクトについては見過ごされがちだ。だが、多くの場合、仮想リソースは共有ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)へアクセスするため、ストレージは慎重に検討する必要がある。

 「企業が十分使用に堪えうるストレージ・アレイを導入したとしても、VMware環境の負荷を十分に考慮していないとすれば、結果として、そのアレイは過度のスループット、過度のI/O負荷に対応できないだろう」と、クセデックスのペイン氏は語る。

 一方、ナショナル・セミコンダクタのセイフ氏は、ストレージ問題は仮想環境のプラニング時に最優先で検討すべき事項だとする。SANストレージは、「事業継続性や災害復旧、アップタイム/パフォーマンス最適化のための負荷シフト、さらにはホストに対するゲストのスケーリングなどに、きわめて重要な役割を果たす」(同氏)からである。

 「ローカル・サーバのハードディスクからOS、ソフトウェア、データをSANキャパシティへシフトすると、ストレージの総量は急激に増大する。例えば、われわれの場合には、ホスト当たり40GBにもなった。明確な階層型ストレージ戦略がなければ、高価なSANストレージがあっという間に食い尽くされてしまうだろう」

【8】 仮想マシンの移動

 AMDとインテルのサーバがデータセンターで仲良く並んで稼働している光景は決して珍しくない。そのため、x86ハードウェアであればモバイル仮想マシンを自由に移動できそうに思えるが、必ずしもそうではない。

 「人々が悩むのは、“(仮想マシンを)移動するときは、同じハードウェアが必要か”という点だ」と指摘するのは、IDCのハンフレーズ氏だ。これに対し、ヴイエムウェアで製品およびソリューション・マーケティング担当副社長を務めるラグー・ラグラム氏は、「今のところ、インテルとAMDのシステムの間でVMware仮想マシンを移動することはできない」と答える。

 ラグラム氏によると、同社のVMotion技術を利用すれば、実行中のアプリケーションを一方の物理マシンから他方の物理マシンに移動することは可能だ。しかし、その場合、双方のマシンのプロセッサは同一でなければならない。つまり、AMDからAMDへ、あるいはXeonからXeonへの移動であれば可能だというわけだ。

 別のプロセッサへの移動ができないのは、「プロセッサ・アーキテクチャや特定のインストラクションの差異が障壁となっている」(ラグラム氏)からであり、「この問題を解決するには、長期的な取り組みが必要になる」(同氏)という。

(Computerworld.jp)


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